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 怒りよー!! 私に力を!!

  あ、ダメだ。下手したら黒いオーラが出て宝玉持ってるのがバレる。やっぱり心よ、鎮まれ! 鎮まりたまえ! 何故、その様に荒ぶるのか!


「……ソフィア様⁉︎」

「なっ⁉︎ 追え!」

「え? ソフィア様? アレー⁉︎ 居ない⁉︎」


 相手との間合いを測りながら、心を鎮めていると急に辺りがざザワつき出す。内容はソフィア様の逃走。慌てて後ろ向き、ソフィア様を確認したが……居ない! 何処に⁉︎


「久遠! こちらです!」

「チッ! お前達! 姫を追え! 俺はコイツをやる」

「ダメです! 久遠が来て下さい! あ、花弦……」


 ソフィア様は行ってしまった。その後を花弦の誰かが追ったらしい。そして、その後を此処に居た部下全員がワラワラと追って行った。残ったのは久遠のみ。


「ソフィア様!! ちょっ⁉︎ 邪魔なんですけどー!」

「何処に行く? 折角だ、遊んでいけ」

「いや、貴方も行った方が良いんじゃ……」


 恐らくソフィア様は私が負けると感じ、久遠を私から遠ざけようとしたのだろう。しかし、目論見は外れ久遠は私を捕まえる為に此処に残り、逃げたソフィア様を他の花弦が追うっという最悪な事態になった


「姫は他でも追える。お前は俺しか倒せない。なら、俺が残るのは道理だろ?」

「確かにね……」


 確かに道理だ。ソフィア様はコルネリア様同様、戦えない。ならば、その辺の兵でも弱っちい兄でも容易く捕まえられる。

 対して私は兄なんかでは、到底捕まえる事は出来ない。ならば、六花が残った方が勝率は上がる


「さぁ、続きといこうか」


 ソフィア様、どうかご無事で!






 それから、かなりの時間、この男と打ち合った。全力で戦えない私が、正直ここまで保つとは思わなかった。私、凄い! しかし、限界だ。息も切れて、体力も限界に近いし、魔力も残り僅か。


「次で最後だな」


 対して久遠は息は若干切れているが、まだ余力はありそうだ。流石、男。体力が女の私とまるで違う。男女差を言い訳にしたくないのだが……差が有るのは明確だ。此処に来て、男女の差で勝敗が決まるのか?

 ()せない。何故、私は女なんだ! 女で良い事は1つも無かった。親戚にはバカにされ、行く先々では売女呼ばわり、此処では男女差と来た。ホント、良い事無い

 私が男だったなら、親戚は私が次期当主様に勝っても文句など言わなかったかもしれない。私が男ならウィークトゥスでも職が有っただろう。私が男なら、この男にだって勝てたのに!


「行くぞ!」

「……」


 自身の中に黒い感情が芽生え始めた時に、放送が入った。内容は


 [久遠! リンドヴァルによって何人も殺られた! 城に戻るぞ! 安心しろ、姫はこちらだ! 船を出して引くぞ! 此処は爆破する!]


 だった。

 師匠ー! やってくれると思っていたよー! でも、姫様奪還には失敗したな。そして爆破するって! ヤバイな!


「チッ! 良いところで! 仕方ない、佳月。また逢うのを楽しみにしている」

「私は嫌で……あ、待って!」


 久遠は、からくり屋敷の仕掛けみたいに壁をひっくり返して逃げてしまった。慌てて逃げた壁を押したがビクともしない。


「マジか……うぉっ⁉︎ 何事⁉︎」


 壁と格闘していると砦内に警報が鳴りだし、赤いランプが周り出す。コレは爆破前の警報?

 私は壁は諦めて砦内を走り回る。するとメインコンピュータ室を発見! そこを弄り爆破を阻止した。私、凄い

 そして、悠々と砦内を散策。暫く探検していると、外に出れた。そこには遥か彼方に行ってしまった船を見つめる師匠と下着姿の女の人がいた。


 師匠……まさか、私が頑張っていた時にお楽しみしてたわけじゃないよね? 違うよね?


「師匠……」

「佳月か……久遠と戦った様だな。どうだった?」

「めちゃくちゃ強かったです。それより、この女性は?」


 その女性はかなり美人だった。肩までに揃えられた黒に見える紫の髪に、スラっとしたスタイル、高身長。しかし、誰かに似てる。誰だ?


「私は花弦No.21、【花蘇芳(ハナズオウ) 純菜(ジュンナ)】。久遠の妹だよ」

「……」


 誰かに似てるっと思えば、つい今しがたまで戦っていた憎き久遠か……


「私はソフィア様の側近だったのだが……共に捕まり拷問を受けていた所をカーディナリスに助けてもらった」

「あー……だから下着姿なのね」


 良かった……師匠とお楽しみだったのかと……師匠、疑ってごめんなさい


「私は……ソフィア様をお救い出来なかった! 従者失格だ!」


 自分を責める純菜。見ていると辛い


「それより、此処は爆発する。急いで出るぞ」

「あ、爆破は阻止してまいりました!」


 敬礼して師匠に伝えると驚いた顔をされた。そして珍しく優しい顔をして頭を撫でてくれた


「帰るぞ。今回の件は失敗に終わった。コルネリア様になんと言っていいか……」


 私達はトボトボ、キャンピングカーに帰宅? する。因みに純菜も一緒だ。純菜には私の替えのジャージを貸してやった。若干、嫌そうな顔されたけどな!


「……?」


 帰る途中にポケットの中に何か入っている事に気がついた。出してみると……


「師匠……真っ白い、綺麗な玉が私のポッケに入ってたんですけど……」

「なっ⁉︎」


 白い宝玉でした

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