私が始めてお姫様抱っこする相手が本物のお姫様だった件について……
「中から開けられない仕組みか……」
私は何とか出ようと色々弄ったが、中から開けられない仕組みになっている様で、どれも空振りだった
「師匠帰って来るの待ちますか……」
ソフィア様の手錠外しを再開した。暫くすると外れたが、一向に師匠が帰って来ない。え? 置いてけぼりパターン?
「コルネリアの従者なのでしょう? コルネリアは元気?」
仕方ないのでソフィア様とお話しして時間を潰す事に……美人と話すのって緊張するなぁ
「元気です。師匠も居るし、怪我一つしてませんよ」
「師匠……貴女、リンドヴァルの弟子なのね! どう? 彼は」
微笑む顔が最高に美しい! こんな美人を殺そうとするなんて……王様許すまじ……
「厳しいですけど、時に優しく教えて……なんか、この部屋動いてません?」
楽しくお喋りしていると突然、独房がエレベーターみたいに動き出した。これ、マズイやつじゃね?
「動くわ。この独房は目的の場所まで相手を運べる仕様になってるから……」
「……ししょーー!! カムバーク!! 私も運ばれてるよ!」
これ、ダメなやつだ。敵とご対面パターンだ。扉が開いた瞬間に敵がこんにちはだ
「師匠……」
どうしよう……開いた瞬間、六花とご対面になるかもしれない。取り敢えず、何があっても対処出来る様に刀を取り出しておく。
「これは、このまま船に乗せられて城に運ばれるのよ」
「……ししょー!! 運ばれる! 私も運ばれる!」
ピンチ! かなりピンチ!
「その前に師匠が来てくれる筈……」
「無理よ。ここには六花の1人【花蘇芳 久遠】が居る。久遠は六花No.5だけれどドクトゥスである以上、とっても強い。他にも花弦上位も居る。リンドヴァルだけではとても……」
YA☆BA ☆I☆
そして遂に独房は動きを止めてしまう。扉の鍵が開き、扉が開く。とうとう、私の悪運もここまでか……
「リンドヴァルが入って来て居ると聞いていたが……その弟子も居たとはな。運がいいのか悪いのか。まぁ、奴が捕まらなくても弟子に聞けば宝玉の在り方は分かるか……」
「久遠!」
目の前に黒に見える紫の髪をしたイケメンが立って居た。ソフィア様が名前を呼んでいたので、コイツが六花の1人【花蘇芳 久遠】だろう。というか、師匠といい、目の前のこの男と言い、六花にはイケメンしか居ないのか? そして、名前が苗字の後っと言う事は私と同郷かその近辺だろうか?
「……あ、兄様お久! ご機嫌いかが?」
久遠の側には兄と次期当主様も居た。なんだー。知らない人だけじゃなくて良かったー。知らない場所で知ってる人いると心強いよね
「いいわけあるか⁉︎ 俺を放置しやがって! お前を殺るのは俺だ! 久遠様、俺がやります」
「黙っていろ。実力差も分からぬ愚か者が」
「なっ⁉︎」
プギャーー!! 兄様、言われてやんのー! 愚か者だってさ!
「このまま、降伏すれば痛い目見ずに済むぞ?」
兄にプギャっていると目の前の久遠に言われたので
「無理な相談ですね」
カッコよく言ってみた。だが、私の内心はガクブルだ。師匠、お助けー
「……宝玉は何処だ?」
「さぁ?」
「一瞬だったが、この近くで反応が有った。何処に隠した? どうやって俺や他の六花に悟られない?」
質問多いな……しかし、バレたら面倒なのでシラを切る
「ワタシ、コトバ、ワカラナイ!」
「……成る程。なら体に聞く」
斬りかかって来たーー!! この狭い独房で斬り合いはゴメン蒙る。なので、私は隙を突きソフィア様をお姫様抱っこして独房から脱出! 私が始めてお姫様抱っこする相手が本物のお姫様だった件について……
しかし、出た先には兵がわんさか居り、逃げられる気がしない。しかも、残念な事に広い空間で障害物が少なく、辺りが明るい為、私の殊技はほぼ使えないときた。詰んだ……
「全員下がれ。俺がやる」
久遠は兵を壁際まで下がらせて、真ん中に私とソフィア様、久遠だけの状態にさせた。これで私の殊技は自身の影と相手の影、ソフィア様の影しか使えない。かなり不利。本当に詰みだ
「さぁ、行くぞ」
「ソフィア様下がって!」
ソフィア様を下がらせて相手の攻撃を防ぐ。そして激しい攻防を交わす。何度も打ち合い、時に魔法を使いながら、相手を追い詰めようと頑張ってみるが流石、六花。なかなか崩れてくれない
「ふっ。流石、リンドヴァルの弟子だ。よく動く。ならば!」
久遠の目が光った! 殊技だ!




