師匠、合流
マズイ! 宝具を持つ者にバレる! どうしよう……
「いや、でもちょっとだし……」
でも、宝具は宝玉と引かれ合うらしいし……
「ポジティブに考えよう。これで師匠が私の居場所を感じて来てくれる筈だ!」
私の足元で顔を手で覆い悶えている次期当主様の動画を撮りながら言う。
大丈夫! これで、師匠と合流出来る筈!
「お前まさか……宝具は全部埋まってる。まさか宝玉?」
ヤバイ。メガ萌には完全にバレてる
「それについては後で話す。佳月、急いで此処を離れるぞ」
「アイアイサー!!」
その辺に居た兵を魔法を使わずに蹴散らして退散する。魔法を使うと魔力が残留して誰が魔法を使ったかバレてしまう。魔力は指紋と同じで人によって違う為、調べればバレる。
もう一度、次期当主様に一撃入れてからこの場を離れ元来た道を急いで戻る。戻る途中で茂みがガサガサと音を立てた。誰だ⁉︎
「佳月!! コルネリア様も! ご無事ですか⁉︎」
「し、師匠⁉︎」
まさかの師匠だった。私の力を感じ取り慌てて来てくれたのか、珍しく息を切らし余裕の無い表情をしている
「会いたかったです! 本当にもうっ!!」
感極まった私は師匠の胸にダイブ!! 胸部に頬ズリする
「本当、大変でした……人は殺めちゃうし、飛び降りた先にはモンスター居るし、兄は吊るしたし、小人は踊ってるし、変な眼鏡は付いてくるし、大変だったんですよ!」
頬ずりする私の頭をポンポンとしてくれる師匠。泣きそうだ。師匠が珍しく優しい
「あの、リンドヴァルに抱きつくなんて……」
「安心しろ、僕も出来ない」
後ろで何か聞こえて来たが無視だ、無視。
無事に合流出来た私達は、取り敢えず安全な場所に移動する事に。私達が朝方まで居た洞窟に戻り、宝玉の事と今後の事を話す
「成る程な……」
一応、眼鏡は理解してくれた。そして、次はどう動くかの話になった
「……あの道は無理だ。警戒されてる」
師匠の言う通り、先程の道は無理だ。ならば、道は1つ
「迷いの森を南に下ります。そうすれば、1つ街が有る。そこで、船を調達すれば……」
「正気かリンドヴァル。苦労して通った迷いの森にもう一度足を踏み入れるのか?」
「それしか、有りません」
本来は、迷いの森を南に降り街に出る予定だったのだが、何故か東側に出てしまいこの場所に居る。なので元のルートに戻れば万事解決だ。
結局は師匠の意見に決まった。なので再び迷いの森へ
「うわぁぁあああっ!! 気持ち悪い!」
そして何故か付いて来たメガ萌と共に私達は迷いの森を彷徨う
「お前は【ハイド】の弟だったか?」
「そうだ。僕の名は【アスター=ベルナール】」
私が騒いでいる間に師匠とメガ萌は遅い自己紹介をして居た
迷いの森を抜けるのに3日掛かってしまった。しかも、出た場所は街ではなく機械の墓場みたいな場所だった。此処からどうやって街まで行くのだろう
「此処を抜けたら直ぐだろう」
師匠がそう言うので師匠に付いて進んだが一向に此処から出られない。
「そうだ。師匠は方向音痴だった……」
なんで付いて行った自分……
「いや、コレはリンドヴァルの所為では無いな。誰かが作った迷路だ。魔力を帯びてる」
っと知的眼鏡が言った。魔力が有るっという事は、魔法か殊技かだ。なので師匠の出番である。師匠は殊技【殊技殺し】を使う。すると……
「……? 爺さん何してるの?」
そこには白髪の老いた爺さんがキャンピングカーを弄っていた。
「うぉ⁉︎ 何じゃ⁉︎ 驚かせおって! うん? 儂の殊技どうした?」
「あ、それ師匠が消しました」
その爺さんの殊技は【光化学迷彩】で、誰かを自身の元に越させない様にする為に張っていたらしい。
「儂はウィークトゥスでな。街では嫌われ者なんだ。だから此処で大好きな機械いじりをしているんだ」
街からギャングとかギルドの奴とかが腹いせにボコりに来たりする為、迷彩張って隠れていたらしい。
「今時のウィークトゥスって殊技使えるのか?」
メガ萌は私を見ながら言った。失礼な! 私、一応ドクトゥス並みだから!
「いや、コイツらが特殊なだけだろう」
それにはコルネリア様が呆れた様な声で言っていた。
「儂は長年、旅をするのが夢だった。しかし、ウィークトゥスの儂を旅のお供にしてくれる者などおらず、また機械いじりしか出来ぬ儂が1人でモンスターがウヨウヨいる世界を渡り歩ける筈もなく……こうして老いていったのだ……」
爺さんは、この機械の墓場で使える部品を使って車を改造して来たらしい。それが目の前にあるキャンピングカーだ。所々に船の部品も付いているので水陸両用車なのかもしれない
「ならば、僕達に同行しないか?」
「えっ⁉︎」
コルネリア様……マジで言ってます?




