5話 新しい収入源
≪侵入者が撃破されました。3000DPを取得しました。≫
おお、3人殺して3000DPってことは、1人1000DPか、なかなか美味しいな。
せっかくだし、身包み剥いでおくか。
この世界の物の価値はよく分からないけど、持っておいて損は無いだろうしね。ここで役に立つのが僕のスキル、【収納】だ。
名前の通り異空間的な所に物をいくらでも収納出来るスキルなんだが、あんまり大きい物は入らない上に生き物も入らないといった感じだけどね。
しっかし、画面越しとはいえ、自分の指示で人間が殺されても何も感じないか...根本的に人間とは精神構造が変わってるのか?
まあ、そんなのは別にどうでもいいし、今のほうが都合がいいから特に考える必要も無いだろう。
今はそんなことより、侵入者だ。もう3人死んだが、あと1人残っている。コイツから少し話を聞いてみようか。
僕はダンジョンについての情報なら持っているが、この世界自体の事は最低限の事しか知らない。
今回はよかったが、もしかしたら冥界の女王でも勝てない相手が出てくるかもしれない。もしそんなのが居るなら、早めに知っておくに越したことはないだろう。
最後の一人を殺そうとしている冥界の女王に止めるように伝えて、ボス部屋まで向かって冒険者の女に話しかける。
「お前に聞きたいことがあるんだが」
「お前がここのダンジョンマスターかッ!」
「そうだけど、何か?」
「貴様のような奴に教えることなど何もないッ!殺すならさっさと殺せばいいだろうッ!」
これは駄目だな、完全に興奮状態だ。まあ、目の前で仲間が殺されたら普通はこうなるか。
ここはやり方を考える必要があるな...そうだ、さっき手に入ったDPでちょうどいいものが創れるな。
まず作るのは、新しい階層で選ぶのは̪死都。これはまんま壊れた街。これをアレンジして冥界風にしておく。具体的には、常時夜にして紫の月を浮かべたり、薄い霧のエフェクトを出したりした。
そんでもってボス部屋を2階層の最深部まで移動しておく。ここまでで消費したのは600DP。
そして、死都の中から開けた場所を選んでギミックの1つ、人間牧場を設置する。
これは単純な物で、中に人間を入れておくと、1日1回殺した時の100分の1のDPが手に入るというギミックだ。これでもし侵入者が来なくてもDPが手に入るようになった。
しばらくはここに入れておいて、じっくりと壊していけばいいだろう。
人を堕としたり壊したりするのは、悪魔系のモンスターの得意分野だから、悪魔を召喚出来ればよかったんだけど、生憎僕が召喚出来るのはアンデッド系だけだからね。無い物ねだりをしてもしょうがないし、この話はこの辺にしておこうか。
さあ、残りの2000DPで何をしようか...そうだな、やっぱり戦力アップは必須だろう。あとは集客能力か?まあ、戦力アップが先だろうな。
現在のダンジョン
名前 :なし
階層 :一階層:変化する迷宮
:二階層:死都(ボス部屋あり)
魔物 :スケルトン(Eランク)×複数
:冥界の女王(Sランク)
所持DP:2000
SランクモンスターはAランク以下のモンスターと違ってその一体しかいない。
たとえばエレシュキガルは主人公の所に居るから、他の所に現れることはない。
以上、今後話に絡むかもしれない設定でした。