3話 侵入者
≪侵入者が現れました。≫
する事が無くてゴロゴロしていたが、そんなシステムメッセージが出てきて急いで思考を切り替え、ダンジョン内の映像を見ると、入口にいたのはなんと...ファンタジーでおなじみのスライムだった。
なんか、一気に緊張感が薄れた。いや、スライムを舐めている訳じゃ無いけどさ、一度薄れた緊張感ってのはなかなか戻らない。
とか考えているうちに、入口付近にいたスケルトンがスライムを発見し、持っていたボロボロの剣でスライムに切りかかる。
スケルトンとスライム、どちらもEランクの魔物同士の戦い、その戦いは一瞬で終わった。
スケルトンが持っている剣は錆びてボロボロだが、それでも元々重さを利用して叩き切る西洋剣、スライムの粘液で減速するも、スライムの核に当たりたたき割る。核が割れると、スライムの体は青い粒子になって消えていく。
≪侵入者が撃破されました。10DPを取得しました。≫
こうして、このダンジョン最初の戦闘はあっけなく終わった。うん、DPが手に入ったのはよかったけどさ、なんか思ってたのと違う...いや、無事に勝てたのはよかったけどさ、もっとなんかあるじゃん?
同じEランクのモンスターでも強さに差があるのか、あのスライムが弱い個体だったのか、僕にはスライムは召喚出来ないから確かめることは出来ないし、これ以上考えても仕方ないだろう。
する事が無いな...DPは手に入ったけど、たった10DPで出来るのはせいぜいスケルトンを一匹召喚する事ぐらいだ。どうせスケルトンは30分で一匹増えるんだからわざわざ召喚することもないよな。
とりあえず、このダンジョンの現状の確認でもするかな。
階層は一階層のみだけど、迷路になってるから最終防衛線のボス部屋まで行くには結構な時間がかかるはずだ。
モンスターは冥界の女王一人とスケルトンが沢山。スケルトンは最低ランクのモンスターだから悪いがあまりあてにならないし、強敵が来たら冥界の女王に任せるしかない。
この状況は絶対によくない。考えたくはないが、もし冥界の女王がやられたらどうしようもない。この状況を打破するためには、モンスターを増やすかトラップを設置するかする必要があるが、肝心なDPが無い。集客効果を高めるために外装でも変えてみるか?
≪侵入者が現れました。≫
はいはい、どうせまたスライム...じゃ、ない!?
入口を確認すると、そこにいたのは、いかにも冒険者な格好をした四人組の男女だった。
それを発見したスケルトンが冒険者達に向かって走り出すが、接近する前に聖職者のような恰好をした女のワンドから放たれた光に当たると塵になって消滅する。
これはスケルトンが対処できるような相手じゃないな...と、いう事で冥界の女王に報告しておこう。
「冥界の女王、今スケルトンじゃ勝てない相手がそっちに向かっている。対処してくれないか?」
「了解マスター、私が処分して見セる。」
「お前が負けることは無いだろうけど、気を付けてくれ。」
「ワかった、気を付ける。」
魔物の強さは、ランクだと
S>>>>>A>>>B>C>D>E
てな感じ。SランクはAランクと比べても別格に強いです。
以上、魔物の強さの設定でした。