20話 新たな力
今僕は、帰還してきたレッサーリッチをよんで反省会をしていた。
「さてレッサーリッチ、今回の襲撃、よくやってくれた。」
「シ、シカシ、ヨロシイノデスカ?」
「ん?何がだ?」
「街ノ襲撃デゴザイマス。頂イタ軍モ失イ、街モ滅ボセズ...」
「ああ、それなら問題ないよ。滅ぼすのが目的じゃないしね。」
「ソウダッタノデスカ。」
あ、そうだ、仕事にはそれに見合った褒美が必要だよな。丁度いい、進化を試してみよう。レッサーリッチは進化条件を満たしてるっぽいしね。
「レッサーリッチ、お前に褒美を与えようと思う。」
「アリガタキ幸セ。」
レッサーリッチのステータスウィンドから進化のアイコンをタップすると、進化先がいくつか表示される。
【レッサーリッチ進化先】
・リッチ(Bランク) :不死を求めた魔術師の成れの果て。
・ワイト(Bランク) :幾千の不死者を統括する王族の亡骸。
・死者の守り手(Aランク):宝物を守り、生き物に損害をもたらし、死者を不当に扱う物を苦しめる者。
この中だと、どう考えても死者の守り手が1番強いだろうな。よくわからないけど高ランクのモンスターの方が強いはずだろ。
と、いう事で死者の守り手を選択すると、レッサーリッチの体が変形し始める。
骨だけだった体に肉や皮が生まれ、その雰囲気も一変する。
レッサーリッチの、いや、今はもう死者の守り手か。死者の守り手の姿はかなり人間に近い、しかもかなり整った容姿だ。
しかし、くすんだ緑の髪はぼさぼさで、眠そうな目には光が無く、酷いクマもある。それにアンデッド特有の病的な青白い肌と、細身の体系も合わさって病人のような印象を抱かせる。
とりあええずステータスを見てみるか。
名前 :未設定
種族 :死者の守り手(Aランク)
属性 :【屍】【悪】
レベル :1
ステータス:物理攻撃B+ 魔法攻撃A+ 物理耐久C+ 魔法耐久B 俊敏C 特殊S-
スキル :【高位死霊術】【指揮】【肉体変化】【腐敗の風】【守護者】
ステータスは近接戦も魔法戦も出来る高水準のステータス、流石は神話の怪物ってところか。スキルも神話がモデルになってるのかな?
でもまあ、耐久系と俊敏が低めだからなかなかシビアな戦闘スタイルになるだろうし、運用はなかなか限られてくるだろうな。
しっかし、アンデッドってのは高位になると人間に近い見た目になるのか?というか高位になるにつれて生前の姿に近くなっていっているのかもしれないな。モンスターってのは本当に不思議な物だな...