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藁麿と、自殺? の子供

 菖蒲池神社は春の気配がある。

 小さな神社ではあるが、参拝の堪えない神社だ。


 藁麿 『マロが、主役でおじゃるか? 仕方ないでおじゃる! 受けてやるでおじゃる』


───────────────────────


 今年も春が来るでおじゃる。

 マロにはあまり関係はないでおじゃるが……

 


 子供 「……」


 

 ん? 小さな子供でおじゃるな。

 歳的には、六回目の春を迎える辺りでおじゃるな。

 池に何しに来たでおじゃる?

 少し様子見でおじゃる。



 子供 「……」

 


 池でそわそわ……何か変でおじゃるな。

 親はどうしたでおじゃる!



 子供 「私、いないほうが……」



 まさか、命を絶つつもりでおじゃるか?

 それにしても、変でおじゃる。

 それに子供だけで、こんな場所には……



 子供 「ママもパパもキライ! 怖いよう……あーん、早く迎えに来て!」



 違うようでおじゃる。

 良かった、良かった。

 死ぬなら、他にいけでおじゃる?

 ……何か?

 マロはそこまで、関与するほど暇では……



 子供 「ママ! ママ!」



 人間ひとが一人くらい死んでも……



 子供 「ママ! ママ! お腹すいた」



 ……マロの負けでおじゃる



 子供 「わーん」



 おい、子供! 何しとるでおじゃる



 子供 「……だれ」



 うむ、やはりまだ見えるでおじゃるな。

 マロは……



 子供 「へんなの! 食べられるぅ! パパ!」



 コラ! 

 マロは化物ではないでおじゃる。

 こう見えても、座敷わらしでおじゃる!



 子供 「……あーん、へんなのがおこるぅ」



 ……どうすればいいでおじゃる



 子供 「いじめない?」



 いじめないでおじゃる。



 子供 「ほんと?」



 ほんとでおじゃる。



 子供 「パパやママみたいに、叩かない?」



 叩かないで……なんと!

 叩かれるでおじゃるか



 子供 「うん、よく叩かれる」



 よく! でおじゃるか!

 一度や二度でなく。



 子供 「……」



 これは何かありそうでおじゃる。

 とにかく、マロの神社に来るでおじゃる。

 あこの神社で、お話するでおじゃる。



 子供 「うん」




 さてと、お話するでおじゃる。

 どこから来たでおじゃる?

 


 子供 「近くの町から」



 こんな時期にでおじゃるか?



 子供 「うん、この神社で私は生まれたんだって」



 ……なるほどでおじゃる

 親の顔見たら、わかるかもでおじゃる。



 子供 「私ね弟が居るの、その弟ねママとパパを取っちゃったんだ」



 ふむふむ



 子供 「叩かれたの、いつも弟に取らないでって叩くと、ママやパパに叩かれるの」



 ……つまらん! 理由でおじゃる

 修羅場を期待したマロが、馬鹿でおじゃる。

 


 子供 「だから、しぬの」



 ん? 死ぬ?



 子供 「私、いらないんだ」



 良かろう、助けてやるでおじゃる。

 一つだけお願いがあるでおじゃる。

 聞いてくれるでおじゃるか?



 子供 「うん、私、しぬの」



 さあ、よいか! でおじゃる


───────────────────────

 第三十八話

 

 鬼退治のやり方


 お主のママとパパには……


 鬼が住みついとるでおじゃる。


 「おに? こわい、おに」


 そうでおじゃる。

 しかぁし! 

 この鬼はお主にも退治出来るでおじゃる。


 「え? ほんと?」


 よいか、鬼退治のやり方でおじゃるが……



 弟を笑い顔で、『可愛い』と言ってやるでおじゃる。


 「え? それだけ?」


 鬼退治を退治できる言葉でおじゃる。

 これを言ってやれば、鬼がママやパパから消えるでおじゃる。



───────────────────────


 ママ 「陽子!」

 パパ 「陽子! どこだあ」

 弟  「わーん」

 ママ 「由伸、よしよし」

 陽子 「ママ! パパ! 由クンもいるの」

 



 噂をすれば、でおじゃる。

 声をかけてやれでおじゃる。

 では、失礼するでおじゃる。



 陽子 「ママ、パパ」

 パパ 「陽子!」

 ママ 「陽子! バカ! なんでこんな所に!」

 陽子 「ここに変な子が、おじゃるって! あれいない」

 ママ 「もう! はぐれないで!」

 陽子 「ごめんなさい……由クン」

 ママ 「由伸がどうしたの?」

 陽子 「由クン、可愛い……」

 パパ 「……バカ、心配させて可愛いなんて……陽子、ありがとう」

 ママ 「陽子、由伸を怒って叩いちゃだめよ。いつも笑っていようね」

 陽子 「ほんとだ」

 ママ 「え?」

 陽子 「鬼、にげた! おじゃる、ありがとう」

 パパ 「……陽子、帰ろう」

 ママ 「?」

 パパ 「見えたのかも、ここの……」

 ママ 「うそ!」

 パパ 「そうしておこう」



 見えたでおじゃるよ。

 子供には、見えたでおじゃる。

 まったく、今日も暇でおじゃるなぁ。

 

 





 




 




 

 

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