違う母さんだ!
雪が溶ける季節、母さんと幸洋はお出掛けになった。
じいちゃんは定期入院をしている。
つまり、母さんはそこにお出掛けだった。
日曜日の午後、父さんは風邪で寝込んでいる。
そこに仕事の同僚の……
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父さん「ハーックション!うーうー」
父さん、変だよ。
多分、風邪だよ。
風邪かあ
病気になった。
クマ 『まあ、そんなこともあるさ』
バス 『人間は大変であります』
カッパ『その所は、オラ達は大丈夫だ!』
バス 『そうであります』
クマ 『バス、今日は幸洋のお供は?』
バス 『母さんから、止められました』
クマ 『ふうん』
父さん「明日は、仕事行かないと……」
ピンポーン!
おや、誰かきた?
母さん、帰ってきたのかな?
カッパ『それはない!さっき出てったんだから』
クマ 『誰だ?』
父さん「誰だ?一体!」
父さんが出て行く。
辛い顔をしながら。
父さん「皐月ちゃん!」
皐月 「来ちゃいました」
父さん「何故だ!」
皐月 「昔を思い出しました」
父さん「困るよ」
皐月 「やはり、誰もいない!私、知ってますから!」
誰かな?
母さんかな?
クマ 『何だか、変たぞ!』
バス 『はい、父さん、迷惑そうであります』
カッパ『何なんだ?』
違う母さんかな
違う母さんだよ!
みんな『違う、母さん!』
皐月 「いつ子供作ったの?」
父さん「関係ない!」
皐月 「……そうだね。少し話したい。上がらせてよ」
父さん「……」
皐月 「壊さない!これは昔交わした約束!絶対に壊さない!」
父さん「外に出よう」
皐月 「上がらせて!風邪ひいてるでしょ」
父さん「困る!どうしてだ!」
皐月 「旦那と別れます、一人になるの。寂しいの……」
父さん「今頃、よりを戻すつもりか!冗談抜きだ!」
皐月 「やっぱり、愛しています」
父さん「ウソだ!皐月、お前はいつもそうだった
……上手く行かないとすぐに俺に愛していると近づいてくる。そして、上手くいくと視界から居なくなる」
皐月 「……私、本気よ。やっと、気づいた」
父さん、顔色悪いね。
うん、何だか病気とは違う顔色の悪さだよ。
バス 『これは!まさか!』
クマ 『ああ、間違いなく違う母さんだ』
カッパ『父さん、まさか……』
皐月 「今日は帰るよ。宣戦布告よ!必ずまた来るから……」
父さん「皐月!お前!」
父さん、大丈夫?
違う母さん、こわいよ。
カッパ『宣戦……布告?どうしてだ?』
クマ 『誰にだ?』
バス 『……』




