手術の一日後 クマとバス 編
じいちゃんの手術が終わり、翌日は土曜日だった。
母さん、父さんは、お家で幸彦を見ている。
しかし、二人の表情が幾分おかしい。
バス 『今回は、会話文だけであります。自分がと指示を戴きましたが、若輩者でありまだ足らない所ばかりでありますので、辞退を致しましたことをお詫び申し上げます』
クマ 『いちいち、報告しない!』
───────────────────────
母さん「午後から、お義父さんの所へいくの?」
父さん「ああ、母さんは幸彦を頼む」
母さん「はい」
クマ 『昨日、じいちゃんは大切な日だった』
バス 『はい、わかります』
クマ 『今日はお見舞いってヤツだな』
バス 『はい』
クマ 『どうだったんだ?昨日は』
父さん 「……」
母さん 「父さん!」
父さん 「ああ」
バス 『クマ殿、じい様は経過不良かもであります』
クマ 『……何故そう思う』
バス 『顔であります』
クマ 『……』
バス 『じい様は、素晴らしい御仁であります』
クマ 『会ったことないのに、言い切ったな』
バス 『皆様の様子から推測致しました』
幸彦 「ばーい、ばーい」
父さん「はい、行って来ます」
母さん「幸彦クン、えらいえらい」
バス 『父様、行かれました』
クマ 『ああ』
幸彦 「あっ、あっ、バス!」
母さん「ん?バスで遊ぶの?」
幸彦 「バス!」
母さん「はい、バス、どうぞ」
バス 『クマ殿、お仕事行って来ます!』
クマ 『がんばってこい……ふう、疲れる……ん?母……さん、どうしたの俺の顔になんかついてりる?』
母さん「クマ、お義父さんね、昨日頑張ったの」
クマ 『そうなんだ!じゃあ、大丈夫だね』
母さん『頑張った……頑張ったのよ……うん」
クマ 『???』
母さん「頑張ったでは……、実はねクマ……」
《幸彦とバス》
幸彦 「ぶー、ぶー」
バス 『はい、ぶー、であります!』
幸彦 「ぶー、ぶーぶー、バース」
バス 『楽しんで戴けてますか?』
幸彦 「……」
バス 『どうなさいました?幸彦様』
幸彦 「……」
バス 『ゆっ、ゆきひろさ……』
幸彦 『…………』
バス 『!』
《しばらくして》
母さん「幸彦、そろそろお昼寝よ」
幸彦 「バス、バース」
母さん「バスさん!ありがとう」
バス 『……』
クマ 『……どうした?』
バス 『いっ、いえ、何でもありません!』
クマ 『……』
バス 『どうしましたか?』
クマ 『じいちゃん、人間の時間に浸る時間が決まっているらしいんだ……』
バス 『つまり……砂時計が落ち始めたのでありますか!』
クマ 『気取るな!でも、そうだ……』
バス 『……わかりました。気持ちを強く持ち続けるであります、それが、自分達に出来ることであります』
クマ 『それは、人間がするもので……』
バス 『自分達も、同じ苦楽を人間と共にするであります!それが、品であります!』
クマ 『……』
バス 『強くありましょう!』
クマ 『……まあ、いい』
バス 『ありがとうございます!』
クマ 『バス……まさか!』




