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噂
郊外には
邸と呼ぶに相応しい家が
点々と建っていた
その中に
白く
一見すると
教会と見間違うような外観の
洋館があった
何年も
人が住んでいなかった邸の庭は
それなりに荒れ果てていたが
外観の白い壁は
風雨に晒されていたにもかかわらず
不思議と
汚れる事も
剥げる事もなかった
そんな邸だからか
誰も居ないはずなのに
話し声を聞いたとか
人影を見たなどの噂は事欠かなかった
噂は
所詮噂でしかない
幽霊が出るような事件など
一度もおきた事はないのだから
しかし
噂が噂でなくなり
やがて
それが真実となる時
恐怖が貴方を
のみ込んでしまうだろう