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野営地にて (2)

はい、コウタです。今夜のご飯は保存が効く種なしパンとヘビの塩焼きでした。ヘビは鶏肉の様で意外と美味しかったですよ。ただ小骨が多いのが欠点ですね。任務に同行していたらきっと、自分も逞しくなれそうです。(胃袋的な意味で)


「ふう、食べた食べた。やっぱり食後はデザートだよね。」


そういって、カバンからドラゴンフルーツを干したのを取り出します。ご飯をもらってばかりだし、みんなにおすそ分けしようと思います。見た目は干しリンゴかな。


そうして、ほかの5人に渡していきます。齧った人からは、うまい!!と声が上がっているので、味はおおむね好評のようです。


「さて、自分も食べますか。」


ムシャムジャ、うん美味しいね。味も紅玉を干したのみたいだし。一通り食べると、パウロさんがやってきました。


「さきほどは、フルーツありがとうございます。美味しかったですよ。初めて食べました。」


どうやら、ドラゴンフルーツは一般的でないらしいです。


「いえいえ、お口にあって良かったです。それで手に持っているのは、なんでしょうか?」


パウロさんの手にある筆記用具を見ます。


「はい、お疲れのとこ悪いんですけど、初日の報告書をまとめようと思いまして。」


「そうですか。とりあえず、首都近郊の耕作地についてですね。」


「はい、そうです。」


「そうですね、大麦もまあまあいい感じに育っていましたね。ぱっと見、特に問題は見えなかったですけど、1つ気になったことがあります。」


「気になるとは?」


「あちこちに河から水をくみ上げる為の”水汲み天秤”が見えたんですけど、あった場所です。」


(水汲み天秤は、長い竿の先に桶、反対側に先におもりを付けて、軸を取り付けて天秤のようにして揺らして河から、高台に水をくみ上げる機械です。ちなみに、水汲み天秤は、古代エジプトのシャドゥフを参考にした造語です。)


「ほう、それにどんな意味が?」


パウロさんが、興味深そうに訊いてくる。


「たしか、アズールは河の氾濫による灌漑。つまり、畑を一定の間水に水没させることで畑の水分と栄養のある土を確保していますよね。たしかに自然の洪水を利用した灌漑なので年ごとに上昇する水位にばらつきがあると思います。ですが、河の近くにある比較的低い畑にもありましたので、水位がたりないのかと。」


(ここで言う洪水とは、日本の集中豪雨の様なものではなく、河の上流で降った雨のおかげで徐々に水位があがってきて、堤防を越えて畑に水がはいります。古代エジプトでは、ナイル河に階段を設けて、水位を計測したナイロメーターがあるそうです。)


閑話休題



「よく見ていますね、さすがです。ここ近年、河の氾濫水位が下がってまして、穀物については国や都市ごとに蔵を設けて管理しているので、すぐに市場に影響はありません。しかし、水位の少ない年がこれから続けば、食料事情に影響がでます。」


「なるほど、やっぱり水位が低かったんですね。今後の課題は、水利と土づくりを含めた農業ですね。水利は政治主導ですので自分が言うことはないんですが、土づくりは少し思うところがあります。」


「水利については、農業省もいま計画を検討してます。ちなみに、土づくりを含めた、農業とは?」


「土づくりは、言葉のとおり畑を作物の育ちやすい環境にすることです。アズールのみなさんは、毎年の氾濫によって肥沃な土をてにいれているので、ほかの地域の耕作地帯からいってみれば、土を作る技術に遅れがあるのかと思います。」


「なるほど、そういうことはありますね。我々は、河の氾濫によっていつも栄養の豊かな土を得ていますが、今後の環境の変化があった時の事を考えれば、良い事だおともいます。」


「アズールの農家の方々も二毛作などは、麻やマメなどを育てていると聞いていますので、それなりに経験として土づくりは知っていると思います。ですが、肥料などを作るということについてはどうかなと思いまして。」


「肥料ですか。確かにあまり進んでいないかもしれませんね。」



「ですが、今のアズールの農業は以外と理にかなっています。さっきは土づくりが遅れてると言ったのに、おかしいと思いますか?」



「ええ、さっきは肥料をつくったらどうかといっておきながら、今のアズールの農業がいいと言うので。」


「引っかかっているのは、塩害です。」


「塩害ですか?」


「そうです。サバクの様な気温の土地では、安易に水をくれると水の蒸発とともに地中の塩が表に出てきます。アズール周辺の耕作地は地下水が良い条件なので心配はないみたいですけど。場所によっては、塩害を発生させます。肥料がそれに拍車をかけることもあるんです。」


「なるほど、水と肥料とはなかなか簡単ではないんですね。さすが栽培師ですね、コウタさん。為になります。」


「特に具体的な事を言えなくてすみません。 」


「いえいえ、役に立ってますよ。ありがとございます。さて夜も遅いので、そろそろ寝ましょうか。おやすみなさい、コウタさん」


「はい、おやすみなさい。」


今日は、ヘビがでたりと色々ありましたが概ね平和です。



リアルでの時間が厳しくなってきたのと、ノリと勢いでここまで書いてきましたが。少し疲れてしまいました。読んでくださった方々には、申し訳ないですが、一時休止いたします。 お気に入りをしてくださってる方々、本当にありがとうございます。すみません。

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