農民万歳 (改)
序章から二年後。コウタ16歳。ゲーム内の話です( ̄∀ ̄)
10/17 改行しました。
黒眼黒髪の平凡少年、藤森コウタ14歳。身長165cm 58キロは、こざっぱりした自室でヘッドギアタイプの端末をはずし、嘆息していた。
「ちぇ~、せっかく買って貰ったのに。」
ゴロンとベッドから起き上がり、悪態をつく。
どうやら念願のVRゲーム【エッグワールド】の初印象は最悪のようだ。ただの平凡少年には、剣を振り回して敵を倒す事も、英語のようなルーンを使い方こなす事も、向かなかったらしい。
「でも、キレイだったな~」
太陽を浴びて光る湖、地球では見られそうにない満点の星空。どれも幻想的でコウタの心を掴んではなさなかった。
コウタには、運動神経も語学の才能も無かったが、コウタにも数少ない長所はある。例えば嫌な事があっても、いつまでも苦にしないこところ。
つまり気分転換が上手く、前向きな性格である。そんなコウタだった為か、二階の自室から一階のリビングに着いた頃には、だいぶ落ち着いていた。
ソファーに座りながら、【エッグワールド】の取説を読む。
「ふむふむ、なるほど。ゲームの楽しみ方は、戦闘だけじゃないんだな」
コウタはしきりと関心する。
仮想現実である【エッグワールド】には、冒険職と呼ばれる、戦士・魔法使い・弓師・司祭など直接戦闘に関わる職と、生産職と呼ばれる、栽培師・調理師・薬師・鍛冶師・細工師など、冒険を補助する職がある。
前者はキャラクターレベルや、各種ステータス値による規制があるが、後者はサブスキル的な物なので冒険職に比べ規制は少ない。コウタはこの事実に目を瞬かせた。
「よし、せっかく買って貰ったんだ。何か一つくらいできる物を探そう!」
コウタは意気込み、明日から就活生のごとく、職業を放浪するのだった。
◇◇ーそれから二年後ー
無事高校進学をはたしたコウタは、【エッグワールド】内にある自分の畑を耕していた。
結局二年前向に色々と職を試したが、栽培師(農業)が一番性にあったようである。
これには、コウタの祖母は園芸店を営なんでおり、小さい頃からよく手伝いをしていて、親しみがあったのと、それと未知の世界の植物はとても、幻想的であり、ユーモラスであり、栽培は、とても楽しかったようだ。畑には赤いナスのような物・黒いトマト・そしてジャガイモ。他には薬用になる草花など見受けられる。コウタは汗を拭きながら精をだす。
「ごめんくださ~い。」
どうやら畑に併設する店舗にお客様が来たようだ。
「は~い、今いきます」
コウタは鍬を下ろし、質素な小屋に向かった。小屋に着くと、如何にも初心者と言えるカッコの二人組がいた。一人の男は、布鎧に銅の剣。もう一人は女、ひのきの棒に布の服。(戦士と魔術師のペアだろうか。)
「いらっしゃいませ~。何をお求めになりますか?」
「すみません、薬草と毒消し草を5コづつ下さい。」
「はい、全部で200Gです。」
お金を受け取り、注文された物を紙袋に入れて魔術師に渡す。(ちなみに1Gは、10円である)
「うは~、噂には聞いていたけど、安いですね。ありがとうございます。助かりました。ここで買えなければ、街にたどり着く前にスライムにやられてたわ。」
コウタの畑は、初心者が出発する村から次の街へと続く、街道沿いの中間にある。この街道は初心者最初の難関で、初期村~次の街までは道具やらしい建物もない。敵は雑魚なんだが急に戦場に来た宜しく、やっぱり苦戦するのだ。
「いえいえ。ここは初心者サポーターの店だから。遠慮はいらんよ」
どこか満足げにコウタが答える。
それから三人はゲームの感想や、これから出る敵などの話をした。一通り話終えた頃、二人ペコリとお辞儀をしてさっていった。
ちなみに初心者サポーターとは、初心者を善意でサポートしてくれるキャラクターである。コウタはかれこれ一年半、毎日ログインしては畑を耕し、雑貨を販売しているため、攻略サイトに載るほどであり、。またその功績が運営に認められ、栽培師向けチートアイテム(霧のジョーロ、神の鍬、千種の袋)保持者と言う事で有名であった。
コウタのステータス
冒険level:10(村人程度)
生産level:栽培師100(Max)
装備:布の服・神の鍬
持ちもの:霧のジョーロ・千種の袋
霧のジョーロ
植物の成長促進させる水がでる
神の鍬
どんな荒れた土地も、畑にできる鍬
千種の袋
様々な作物の種が入った、○次元ポ○ット