初めてのおつかい
イクサスと別れてから2か月後の話となっています。
読んでくださってありがとうございます。初心者の文ですので、生暖かく見守ってやってください。
イクサス達と出会ってから。2か月後
はいコウタです。みなさんお元気ですか?最近では、名前に詐〇師の形容詞も付きそうな勢いです。
さて、イクサス達と別れてからアズール議会より正式に土地の所有と入国が、条件付きで許されました。なんでも台地の下に水を垂れ流していた結果、台地を中心に緑地が広がりつつあるそうです。その緑地を国に譲渡してほしいとのことです。まあ、いまでも東京ドームが軽く何個も入る土地をもっているので、これ以上はいらないから条件を飲みました。ちなみに、所有地に付く税金ですが、スナナツメの苗を年間決まった本数納める事と、畑などの視察の要請があった場合同行してもらいたいそうです。かなりこき使われそうな予感がします・・・
あと飛行船での連絡は不便との事で、この台地にワープポータルの設置とその警備の為の兵士を常駐させたいとのことでした。ワープポータルとは、よくゲームで見かける街と街を瞬間で移動できる装置です。もちろん大賛成です。これによって、街に楽ちんにいけるんですから。もう一つの常駐兵ですが、いろいろな思惑がありそうです。当面は監視の意味もあるみたい・・・
さっそくですがワープポータルを使って街に行こうとおもいます。ワープポータルは石でできたアーチ状の扉のない門で、石柱にはルーンが刻まれています。利用には銀製の魔力のこめられた手形が必要で、僕のもらった手形は 庭園⇔首都 だけの物です。まあ、一日の使用回数が決まっているので、国の認可制で使用者が限られています。とりあえずは街に行って栽培した薬草を売って服を買う予定です。
◆アズールの首都にて◆
ワープポータルをくぐると、そこは大きな通りの一角でした。歩く人々の服装は、古代ローマを思わせる感じです。そして碁盤の目の様に張り巡らされた通りには、店が立ち並び、店の入り口には日よけの天蓋が張り巡らされています。食料品に装飾品、生活雑貨。あとは武器や防具など特にカテゴリーはなく、ゴチャゴチャとしている感じでしょうか。 まずは、薬草を売りに薬屋に向かいます。 大通りをしばらく進むと試験管のマークのかかった看板が見えてきました。お目当ての薬屋です。
店の入り口をくぐると、一段と低くなっています。ここいらの建物は、部屋の中を地下へと堀って作られていて、なんでも昼真は涼しく、夜は暖かいとのことです。さて、部屋に入ってすぐ、カウンターに恰幅のいいおばさんが座っているのをみつけて、声をかけました。
「こんにちは」
「いらっしゃい」
「あの、これを買っていただきたいんですが。」
そういうと、薬草の束を出します。
「ほう、毒消し草じゃないか。結構量があるねえ。どこでとったんだい?」
「これは自分で栽培したものですよ。これでも栽培師なので」
「おや、栽培師なのかい。若いのにえらいもんだねえ。ちょいと薬効を調べるからそこでまちな」
そういうと、カウンターの後ろの棚から、フラスコと試薬を出してきました。
「それじゃあ、調べるとしよう。」
そう言うと、フラスコの中に葉っぱと試薬をいれ、かき混ぜています。次第にフラスコの中の液体は青くなっていきました。
「これは中々の品だねえ。大したもんだ、2000Gでどうだい?」
(前にも述べましたが、1G=10円くらいです)
「ええ、結構ですよ。お願いします。」
「えらい素直だねえ。ここいらじゃ、商談の掛け値は交渉するのが挨拶みたいなもんなのにさ」
「いえ、この国にはまだ来たばかりでして。相場もしりませんので、それとこれからもご贔屓にして頂こうと思いまして。」
「なるほど、じゃあ2500Gにしてやるよ。ちょっとまってな」
そういうと、おかみさんは小袋に代金を入れて渡してくれます。
「ありがとございます。コウタと言います。またご贔屓に」
「また持ってきな。あと、私の名前はマチルダだ。」
「ありがとうございます、マチルダさん。それはそうと、手頃な服屋を知りませんか?これしかまともな服がなくて・・」
そう言うと、かなりボロくなった布を服を指さします。
「そうかい、じゃあ私の知り合いの店紹介してやるから、いってみな。私の紹介と言えば少しは安くなるさ」
そういうと、店の名前と簡単な地図を描いたメモを渡してくれた。
「重ねて、ありがとございます。」
「ああ、気を付けていきな。」
こうして、タロウは薬屋から服屋へとむかっていったのだった。