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世界の絆  作者: NANA
Ⅳ破滅
24/35

(4) 世界を変える一台のコンピューターは。

 世界を変える一台のコンピューターは。

「いいわ。じゃあまず、ユウの意思をコントロールするコンピューターがあるそうね。それを使えないようにしてくれる?」

「ああ任せろ。ただ、そいつが使い物にならなくなったら、B73の力は暴走し始めるぞ。何か考えでもあるんだろうな?」

「大丈夫、包帯もコンピューターで解くみたいだから」

 優奈はニコッと笑う。

「少し時間がかかる・・・」

 壮一は目にも止まらぬ速さでキーボードに指を叩きつける。画面上に、優奈には全く理解する事の出来ない文字の羅列が広がってゆく。

 しばらくし、手を止めた壮一の手が若干震えている事に優奈は気付いた。画面には『error』の文字。

 壮一はちッと舌打ちをし、呟いた。

「思ったよりもセキュリティが重い。これを解除するには・・・少なくとも12時間はかかる、か」

「そんなッ!!だって作戦の決行は、明日の午前九時だよ?」

 時計を確認する。時刻は夜の十一時過ぎ。もう作戦の決行時間には間に合わない。

 しかし壮一は冷静な態度であった。

「お前が見たその極秘の書類は、これだな?」

 いつの間にか画面には、優奈が魔術研究室で見た、あの極秘の書類がそっくりそのまま展開していた。

「うん、確かにこれよ」

 壮一は優奈の返答を聞く前に、見事にその内容の一部を変更していた。


『魔術による世界侵略作戦<極秘>』

 使用する魔女:B73

 特徴:包帯 ピエロの面

 威力:推測・世界侵略を数分間で出来る程度。

    また、特殊な包帯で全身を巻くと威力はほぼ皆無。

 隔離場所:特殊能力者収容室(地下牢)

 使い方:包帯をコンピューター制御で安全に解き、コンピューター制御で意思をコントロールする。設定した地域を選択し、決定ボタン(赤)を押す。

 作戦決行日:3月1日午後九時┃


 作戦決行日の、『午前九時』であったところが『"午後"九時』に変更されている。

「今からこれを紙にコピーするから、お前はそれと本物を入れ替えるんだ。俺は一眠りしてセキュリティ解除の作業に取り掛かる。長い戦いになるからな、寝ないと意識が持たない」

 間も無くすると、壮一の手には一枚の紙が握られていた。偽造された極秘の書類。

「そんな、この身体じゃ持てっこないよ」

「いいや、そんな事は無い。持て」

 壮一は無理やり、優奈の細い手に紙を握らせた。重みで落下すると思ったのだが、何故かその重みはあまり感じなかった。

「俺も実は、ちょっとした魔術が使えるんだ。・・・本当にちょっとしたものしか使えないが」

 壮一は眠そうにそう呟くと、ふらふらとベッドの方へ向かい、そのまま倒れ込んでしまった。

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