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第37節 人間公害兵器

毎回文の見直しはしてるのですが、今回の見直しはかなり面倒でした。特に後半が(笑)

「すいません。ゴルバさん。」

「いや、こちらこそ見苦しいところを見せたね。」


ゴルバさんが落ち着くのに1時間はかかった。

妻の名を借りたり、存外泣き虫だったり・・・見た目と中身がちぐはぐだ。

立ち直らせるのも凄く面倒だった。


なんにせよ待ち合わせ時刻から1間半経った事になるがまだもう1人の冒険者はやって来ない。

「まだ待つんですか?」

「結構な遅刻だし・・・もう1人の冒険者はあきらめて、次の人を雇うことにしたよ。

申し訳ないんだけどもう少しここで待っててくれるかい?ギルドに行ってくるから・・・荷物番を頼むよ。」

「了解です。」


と言いつつも内心結構うんざりしている。

来れないなら早くに連絡ぐらいして欲しいね。


「はろはろ~っ!」


ん?

何この間の抜けた声は?

「クルトさんっ!?

遅いですよっ!?」


クルトさん?

誰それ?

ゴルバさんが説明してくれる。

「ああ、失礼しました。ヒビキさん。

この人が今回同行予定の最後の1人です。」


と言って、声のした方向を向くとそこにはイケテルメンズ。

略してイケメンがいた。


見事なまでの金髪アンド、ロングヘアー。

二つの目はパッチリ二重で、まつげも長く見つめられればそれだけで骨抜きにされそうな碧眼の瞳。

適度に小顔で身長は180センチほどで体系もモデルのように細く長い。

細いと言ってもガリガリと言うわけではなく、たるまない程度には太く、服の下には適度に締められた筋肉が伺えるだろう。

足とか半端無く長い。

もっと簡単に言うなら、イケメンかつモデル体系の忌々しい男がそこに立っていた。

さぞかし女性に言い寄られそうな容姿である。

クルトとか言うらしい。

僕もこんな人間に生まれたかった・・・もちろん女の人にモテたい訳ではない。

ただ女の子に間違われない程度に男らしい顔に生まれたかったと思うのだ。

今の顔だって今となっては愛着があるから今更変更が可能だったとしてもごめんだけれど、それでも憧れと言うのは少なからずある。

その憧れをそのままにここに存在している目の前の男が僕はねたましいっ!!


「いやぁ、悪かったねっ!!俺様としたことがちょっと時間を勘違いしてたみたいでさ・・・」


クルトはゴルバさんと少し話した後、僕たちに詫びの言葉を入れてきた。

彼の容姿にイラついている僕としては待たせたことについては頭からなくなっていたりする。


「いえ、・・・別に。」


そのためかついつい無愛想になってしまった。

クルトの背後で『嗚呼・・・他人の容姿に嫉妬して、ついついふてくされるマスター・・・これでご飯三杯はいけます。』という顔をしているベリーは見て、一気に頭が冷えた。


紳士たる者、あるまじき狭量さだったね。うん。反省。

何より、ベリーを喜ばす態度をいつまでも取っていたくないというのが一番の理由だったりするのは秘密。


「そ、そんなに無愛想にされちゃうと俺様もさすがに反省だぜい・・・」

僕の態度を見て、自分の遅刻で怒ったと勘違いしてる彼。少ししょんぼりした。

失敬なヤツだ。そんなことで怒るほど僕は狭量じゃないっ!!


「本当にちこーーー気にしてませんから・・・」

”遅刻は”を言いかけたが、それは抜いて笑いかけた。

だったら何で怒ってるの?とでも聞かれたら答えられないし。

僕よりハンサムなのがむかつきましたなどとは同じ男として口が裂けても言いたくない。


「そ、そうかい。そりゃ良かった。

こんなにかわいらしい美少女達に嫌われたら、俺様欝で鬱なメランコリーになっちまうところだったぜっ!

俺様はクルト・フラッセ。好きに呼んでくれて構わないぜいっ!!ランクはキング。よろしくぅっ!」


俺様俺様とうるさい人だ。


「僕は山瀬 響。ランクはナイトです。」


ん?何か気になるワードがあったような・・・気のせいだよね。

それにしてもこの軽薄そうな男がキングとは、人間見た目じゃないな。ベリーにしかり。


わたくしはベリーです。気軽にベリー様と呼んで下さって結構ですよ。クルト様。」

「そ、それって気軽かい?ベリーちゃ・・・ひぃっ!?

べ、ベリーさま?」

「気安く呼ぶな。様をつけろ様を。・・・ゴミムシが。」

「ご、ごめんなさい。」


彼がベリーをちゃんづけしようとした瞬間、凄まじい形相でにらむベリー。

僕もひぃっ!?状態だった。視線で人を殺すのを可能としそうな眼力だ。

個人的には似たような意味だと思うのだけど、彼女の中で”気軽”と”気安い”は別の意味の言葉らしい・・・会話から読み取るに。

もしくは”気軽”は社交辞令的な意味で言ったのであって、ホントに気軽に呼ぶのは許さない。ということだと思う。

問答無用で様付けを強要されてるクルトがいささか惨めだ。

そして恐るべきはベリーよっ!!

初対面の相手にゴミムシ呼ばわり。末恐ろしい。

なんか、ベリーが人格を持ってからと言うもの一種の恐れを抱いてばっかな気がする。


「妾はフェローじゃ。

好きに呼ぶと良い。」

「ふぇ、フェロー・・・ちゃん?」

「うむ。」

「ありがとう・・・ありがとう・・・」

「なんじゃ?

妙な奴じゃのう。」


恐る恐るちゃん付けで呼んだクルトが涙している。

これから先、彼は初対面の女性をちゃんづけするたびにああして、ビクつきながら呼ぶのだろうか?

そうなるともはや哀れだ。

イケメンなので同情する気にはなれないが。


ーーーいや、これは紳士にあるまじきーーー以下略。

よって同情くらいはしてあげよう。


「私はエンデ。気軽に呼んだら殴るわよ。」

「は、はい・・・エンデ・・・さん。」


少し威圧する雰囲気で話すエンデに少しビビってるクルト。

気持ちは分かるよ。僕も怖い。

勇者モドキの一件以降、彼女は見ず知らずの男に対して大抵こんな感じである。

宿屋や商人さんが男だとあまり話したがらない。

もちろん、今回は待たされた分もあって余計威圧的になっているのだろう。

彼の自業自得である。

僕には普通に接してくれているのだが、アレ以来男を信用できなくなったのだろうか?

いつか治してあげたいと思う。

そんなんじゃいつか彼女に好きな男の人が出来たとき結婚できないだろうし。


「がぐぼぉっ!?

な、なぜ!?」

いきなりエンデに殴られた。

一体なぜ?


「別になんでもない・・・」


エンデ、君はなんでもないのに殴ったのかい?

それでいちいち殴られてたら僕の身がもたないんだけれども。


「まったく・・・にぶちんじゃのう。」

「ええ、本当に。しかもマヌケです。また声に出てました。」


フェローとベリーがなんか言ってるけど、良くわからん。

声が出ていたと言うけれど、怒らせる事を言ったのだろうか?

別に怒らせるようなことは何も無かったと思うけど。


うむぅ・・・人間関係って難しいな。



「んじゃまぁ、気を取り直して俺様ハーレム一行、出発だぜいっ!!」

「気色悪いですね死ねば良いのに。」

「気持ち悪いこと言わないで。」

「ハーレムとは確か動物の習性の一つじゃったかのう?

一つのコロニーにオス1にメス複数の形態のことを言ったはずじゃが・・・この場には二人以上の男がおるのだから、当てはまらぬぞ?」


口々にクルトの冗談(?)を批判する女の子達。

これはキツイ。

僕なら泣くレベルだねエッヘン!

フェローはフェローで的外れなことを言ってるし。

いや、むしろ的を射ているのかな?


「ヒビキちゃんだけだよぉ・・・俺様を普通に見てくれてるのはさ。」

「こっちに話を振らないでください。はっきり言ってうざいです。」


そして、なぜに”ちゃん”づけ!?

男でも女でもちゃんづけしなくちゃ気が済まないのかこの人は。


「うざいとなっ!?

君まで俺様をそんな扱いにっ!?」

「一時間も遅刻してればある程度酷い扱いされてもしかたないと思いますけど?

あ、勘違いしないでくださいね。僕はそれと関係なく貴方をうざいと思っています。」

「意外と毒舌だねっ!?」

「私のマスターですからそのくらいの毒舌当然です。」

「いやな肯定しないでくれるっ!?」


当然だと思われていたのかっ!?


「挨拶はそれくらいでいいかな?

早速出発したいんだけど、忘れ物は無いかい?」

「はい、僕たちは大丈夫です。」


すでにしっかり準備してここに来てるからね。

またされてる間にも数回、確認してるし。


「俺様も大丈夫。いつでもいけるぜっ!!」


こうして、ようやく街を出発できることになった僕たちの目指す先は王都グランデ。

街を治める王ではない、国をまとめる国王がいる街だ。





☆ ☆ ☆

ガタンコトンガダンゴトンと音を発てて馬車が街道を走っていく。

流れる景色と、馬車に併走するシロを見ながらぼんやりとしているとクルトが話しかけてきた。


「そうそう、ヒビキちゃんはどんな食べ物が好き?」

「え・・・っと。シジミの味噌汁です。」


またちゃんづけかい。

どうせならゴルバさんもちゃんづけにせいやと思わないでもない。

ゴルバさんはさんづけのくせに。

別にさんをつけろとは言わないが、呼び捨てかせめて君付けにして欲しい。


「ミソシル?なんだそりゃ?」

「え?し、知らないんですか?」


あれ?おかしいな。

宿とかに日本食も普通にあったんだけども。

味噌汁を食べたこと無いのかな?

それにしては聞いたことも無いって感じだけど。


「マスター、味噌汁はおそらく味噌自体が東大陸に流通してないのでしょう。」

「どういうこと?」

「西大陸は召喚された勇者達がいますから、そうした勇者から伝えられた食文化が浸透してるのではと思われます。

あちらの世界で言う、東洋系、西洋系の人種が召喚され、その召喚された人たちの中でたまたま味噌の作成法などを知っていた人が伝えたのではないでしょうか?」

「・・・なるほど。」

「商人だけは国境の国を超えることが出来るそうですから、多少なりとも流通はしてるでしょうけど・・・味噌の正しい使い方までは伝わらないのでしょうね。ついでに言うと、シジミ自体の流通も少ないのではないでしょうか?地図を見るからにシジミの生息するであろう川や汽水域が少ないですから、商人が数ヶ月に一度、付近の村、街から仕入れるといったくらいかと。」

「それを聞いて早くも西大陸に戻りたくなったよ。」


まぁ少なからず流通はしてるかもしれないし、向こうにいた時に買った味噌もある。

シジミもバックパックに入ってるし、とりあえず今はおいておこう。

ちなみにベリーとのやりとりは小声だ。

東大陸と西大陸は仲が悪いから、東大陸の人間であるクルトに聞かれるはよろしく無い。


「なになに~?俺様に秘めごとぉ~?

教えて欲しいなぁ?」

なんか変にニヤニヤ顔で迫ってくるクルト。

イケメンのせいか、ニヤニヤとしたやらしい感じの笑みでも面食いの人ならばコロリといってしまいそうなさわやかさを醸し出していた。


「身の程を知ってください、ゴミムシのくせして。

私とマスターとの間でどんな秘密があってもその辺の下劣で愚鈍なイケメン的な珍獣には何も関係がないことでしょう?というより、今日会ったばかりの初対面の人間相手にいささか慣れ慣れしいですよ?

所詮、ゴミと塵とヘドロを混ぜ合わせたような、無骨で醜悪で意地汚いゲジでしかない貴方が私とマスターに話しかけるなど、王と奴隷並の身分の違いがあると知りなさい。

貴方の話で耳が腐って迷惑するのは聞き手であり、すなわち私達のほうが多大な迷惑を被るのです。

気づいてないようだから言っておきますが、先ほどから香るこの・・・香水でしょうか?

べたべたとくっつけすぎなのですよ。臭いです。悪臭です。人間公害兵器の称号をあげます。お風呂に入ってるのですか?人間清潔感を忘れたならば、どんなイケメンだろうとただの豚にしか過ぎず、家畜にも愛玩動物ペットにも劣る需要の無さを誇るだけであり、そんな誇りしかないあなたはまさしく、バクテリアにも劣る下等生物同然。具体的に言えば、動物性プランクトンであるミジンコやケンミジンコにも劣ります。植物性プランクトンは言うまでも無く、貴方よりは有益でしょうね。

なぜなら、彼らは二酸化炭素を消費して酸素を生み出してくれるのですからただ二酸化炭素を消費する割には、貴方のようななんら役に立たない肉の塊に比べ・・・いえ、比べるという行為自体が不遜であり、神をも恐れぬ身の程を弁えない愚行であり、そうしようとすること自体が愚考であり、無意味かつ無駄なわけです。

となれば、貴方は一体どんな生物なのかと気になってくるわけですが、知りたいですか?知りたいですよね?自分が人間ではなく、豚でもなく、ゴミでもなく、バクテリアですらない。

それらにすら劣る自分の存在は何か?気になりますよね?気になるはずです。気にならないわけがありません。そもそも貴方とこうして会話してること自体、不愉快極まりないのですが、私は優しく、慈悲に溢れている女神のような高位の存在ですから、天使はもちろん、神も女神も見放すであろう貴方のような愚者を私は見捨てたりはしません。感動と感激にむせび泣き、私に最高の感謝と謝礼をするように。それが貴方が唯一絶対に出来る、ただ一つの善行であり救いでもあるのですから。

そして、私はそんなゴミにも劣る貴方のような愚者的な存在にせめてもの情けとして、貴方が何であるのか?教えて差し上げるのです。

簡潔に言いましょう。貴方は生きる価値の無い、生物としての形を取った何かです。それ以外の何者でもない何かであり、何か以外にありえない、生物的な何か。それが貴方です。

貴方は死ぬことでしか、救われることはなく、今すぐ死ぬべき悪臭を放っています。

死ね。今すぐ死ね。死ぬべきなんです。

はっきり言って、貴方臭いんです。

これが私の言いたいことです。

そして、最後に死んでください・・・と言いたいのですが、今回はお預けにしておきます。ただ一言。

これだけが言えればいいのです。

私のマスターに対して色目を使うのだけは許しません!!」






・・・。

なっげぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!?


何!?この罵倒の嵐っ!?

単に最後の一言だけ言えば良くないっ!?

どんだけ喋れば気が済むのさっ!?

ほら、なんか聞き上手だったみたいでしっかりとベリーの話を聞いていたクルトは泣いてうずくまってるよっ!?

「死のう・・・俺様・・・いや、様をつけるなんて俺ってヤツは・・・いや、私と言う物は死ぬしかない単なる汚物だ」とかぼやいてるよっ!?


ていうか、クルトは僕に色目を使っていたのかっ!?

確かに、今思うと話しかけ初めからやけに熱っぽい視線ではあった気がするが!?

でも男に対して色目を使うわけが・・・まさかっ!?


「ようやく気づいたんですね。マスター。

そのとおりです。あのゴミムシはマスターを女性だと勘違いしてますよ?」


マジですかっ!?


「ぷっ。さすがマスター。ちゃんづけの段階で気づかないなんて。」



それでちゃんづけだったのっ!?



その後、またしてもベリーにトラウマ的な何かを刻み付けられたクルトを復帰させて、僕たちは夜を迎えたのだった。


そして、この夜。

まさかこんなことになるなんて・・・。



モンハン3rdとグレイセスFをいまさらながらに購入。

ほぼモンスターが新しくなっていて、新鮮で楽しい上にグレイセスはヤケに戦闘が楽しいっ!!

しばらく更新がまばらになると思います。

ついでに言うと最近、中型の淡水フグを買いました。

下手なアイドルよりというかアイドルなんて目じゃないですっ!!

可愛いと思います!!絶世の美女(メスなのか不明)だと思いますっ!!

カエルとかヘビとか、フグとかっ!!

なかなか分かってくれる人がいないんですよね・・・

最近有名らしいAKBとかよりもよっぽど可愛いと思うんですっ!!

思いますよねっ!?

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