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詩集

I think so...

作者: ロースト

私はこう考える。


死とはなんなのか、私は死が怖い。でも死にたいとは思う。


それは今までにない体験だからやってみたいという憧れもあるし、死ねたらどんなにいいかという、羨みもある。


死とはどんなものか、色々な死に方がある。

死んだらどうなるのか。死ぬことは怖いのか。いや、そんなの答えはわかりきっている。怖い。怖いに決まっている。それは本能から来る、危機感。

生きていること自体が死に向かうことなのに、命あるものは必ず生きることを望み、本能として持つ。それは矛盾だし、だからこそ命は重く、軽くなど死ぬことは出来ない。

でも、それでも、気軽に死ぬことができそうだとよく思う。


ナイフを持って、震えるわけでもなし、物を切るのに何とも思わない。凶器を持っているのに。一歩間違えれば、死と隣り合わせだというのに、だ。

だったら、自分の身体を切るのはどうなのだろう。自分の身体を切る。そういう意識を持って凶器を持つと、普段、震えない身体が震える。恐怖に囚われる。

痛そうだ。実際、痛いだろう。


痛いのは嫌だ。でも、本当に痛いのだろうか。ふと、疑問が湧く。

どのくらい痛いのだろうか。でもなんで痛いのか。

切ったら、血が出る。血は怖い。


何故、血は赤いのか。

死んだら人ってどうなるのだろう。

死後、何が起こるのだろう。

そもそも恐怖って何だ。

怖いって何だ。


震えるとか、死ぬとか、生きるとか、人生とか、命とか、言葉ではよく使っても、本当は理解してない。


言葉って何だ。

理解ってない。

わからないって何だ。

―――知っている、でもわからない。

それは、本当に知っているってことになるのか。


そんな思いが自分の中で渦巻いている。

渦巻くってどうやってそんなのがわかるんだ。感覚だけ、いや、感覚ですらない。そんなのはただの思想、思いだ。精神的なものだ。


精神的なものって何だ。固形じゃない。掴めない、見えない。

なら、それは何だ。

ただの言葉でしかない。

確認できないのにどうしてそんなものがあるのかわかるんだ。


おかしい。この世界は狂っている。

何故、見えないものを確認できないものをそんなに頼りにする。

何で見えないものを在ると言えるのだ。

この世界は何故、こんなに不確定なものを信用できるのだ。


見えない、感じない、掴めない。それのどこが存在していると、在るといえるのだ。言い切れるのだ。意味がわからない。

だったら、死というのも言葉で、心臓が停止したって動かなくなったって生きているといえないことはない。


そもそも生きているってなんなのだ。

どうしたら生きているになるのだ。

動いている事か。

心臓があることか。

考えられる事か。

どういうことが『死ぬ』でどういうことが『生きる』なのか、

わからない。


わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない。わからない・・・・。


私には、何もかもがわからない。目で見えないものを在る、とは言い切れないし、理解も出来ない。


なんなんだ、生きるとは。死ぬとは。全くわからない。

頭の中は真っ暗、何もない、空っぽ。

悪、善、闇、光、白、黒

透明、曇り、恐怖、畏怖、堕落、嫌悪、吐気

嫌な感情がどこからか、込み上げる。

堪え切れない。口を開ける。その感情は出ようとしている。だそうとする。でも何を。

ありえないはずのもの。存在しないもの。口からはただ空気が漏れるだけ。苦しい。助けて。助けて助けてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけて・・・・・・。


気が狂いそう。

いや、もうすでに狂っているのかもしれない。壊れる。


モノを破壊したい衝動に駆られる。でも胸が苦しい。動くのさえも儘ならない。手を伸ばす。どこに向かってでもなく。手は虚空を切るだけで、何も掴まないし何も触らない。

―――そうか、これが孤独。これが死への恐怖。

でもなぜ私は恐怖しているんだ。なぜ死にそうなんだ。

それはこの世界のゆがみのせいだ。この世界が歪んでいるから、だから私は苦しんでいる。


死というものに憧れながらも恐れる。神へ手を伸ばすようで、禁忌を犯すようで、死ぬ事も出来ない。恐怖に犯されて死ぬのは愚かだ。だが、このままじわじわと死が近づいてくるのを知らぬフリをして怯えながら生きていき、生き恥を曝すのもまた愚かだ。ならばどうすればいいのだ。答えは考えるまでも無く出ていて、考えても出ないものだ。不可能ではないと思う。

―――この世界を壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して壊して、むちゃくちゃにして、世界を作り直す。


綺麗な、最初のままの綺麗な世界へともどす。作る。私が作る。私がこの世界を作り直す。

だがそれは不可能だ。私みたいな屑がどれだけがんばったところで余計に世界を矛盾させるだけだ。


私みたいな壊れていないのに壊れている振りをする、壊れたがっている矮小な者には。私みたいなちっぽけで情けなくて、中途半端で、愚かな者には出来ない。


よく小説などであるような狂った、超人にはなれない。

よく映画などであるような狂った、超人にはなれない。

よくテレビであるような狂った、超人にはなれない。


私みたいな、『通常のなかでの少し変な人』にはそんな事絶対に出来ない。

私は狂った狂人になりたい。

狂った狂人にはなれない。

だが諦めきれず、努力する。


『狂ったなかの狂人』になれるように、もともとの変人を利用して人々の認識を少しずつでもいいから、『狂ったなかの狂人』に近づけようとする。


そんななかで冷静なところが理解している。

そんな事いくらやっても無理だと。

自分みたいな器の小さい奴には無理だと。

そして、そんなことしてなんになる、と。


愚かだ。

結局は生き恥を二倍にしているだけだ。

本当に私は何をやっているのだろう。

無駄なのに、無駄なのに。


私みたいな器の小さな奴がなれるはずも無い。

それに、なってどうするのだ。

キッパリ諦めればいいのに。

―――中途半端だから、そう思う。


元々が器の小さいくせにすこし変人だからいけないのだ。

変人を憧れる。


皆に恐れられる、狂った人になりたい。

―――でも、恐怖する。

私は少し変人なだけで凡人だから。

皆は私が凡人だという事を知らない。

私はみんなの前で本心を明かさない。

この思いは、この思いだけは絶対に、明かさない。


この思いは私が死ぬまで付きまとう事だろう。

決して変わりはしない。

どれだけの月日が流れようとも、明かしたりはしない。

この思いだけは、誰にも。


私は無力だ。親が何であれ、私自身はスポーツもまともに出来ない、頭も悪い、金のかかる、この世界に不必要な人間である。必要の無い人間。くず。かす。

それがわかっているから、この世界に一つでも多く、大きな影響を及ぼそうとする。


そして私の人生は消えていく。私は一つ予言をしとく。

この世界に十分なくらい、『私』が影響を及ぼしたら消える。

人々の前から突然、違和感無く消えるだろう。

元々そんな存在が無かったように。

そこで私の目的は果たされる。

そして私が消えるのだ。

それこそ世界の終わりだといえよう。文字通り。


そしてこの文が、この文こそが呪詛となりえるのだ。ああ、私は全てを呪う。ああ、総てを怨む。総てが憎い。総てを滅ぼす。総てが嫌いなのだ。だから、だからこそ、この呪詛を撒き散らそう。


この文は、私の考えを、正確に、一つの差異もなく、写し取っているとはいえない。だが、それでも、一部ではある。だから、影響を及ぼすだろう。

この文を中心に、私の予言は当たる。それは私の呪詛であることも一端である。では、なぜか。それは、人間だから、人は完全ではないから、世界の条理に従い、失うだろう。私の存在はそうして消えていく。


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