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歩んできた日々に後悔はないけれど、たまに話し方だけ迷う

作者: 澪ナギ
掲載日:2026/06/03

「せ、閃吏くんって、写真撮られ慣れてます、よね」


 そう言う雫来さんに、きょとんとした。


「え、そうかな?」

「は、はい。美織ちゃんも、祈童くんも、ですけど……二人は、お仕事柄もあると思うので」

『確かに、取材を受けたりなどありますものね』

『そういうのがない閃吏は、言われてみれば写真映りいいですっ』

「二人まで……」

「な、なにかきっかけというか、縁が、ありますか?」

「縁かぁ……」


 言われて、とりあえず思い返してみる。


 別に写真を撮られるような活動はしてなかった。美織ちゃんと行動してるから? なんて思ってみるけど、美織ちゃんだってそんな所かまわず写真撮られるわけじゃないし……。

 そもそも中学の終わりごろからの付き合いだし。


 写真。


 写真かぁ……。


 あぁでも、たしかによく撮ってたかもしれない。


 あれは――。



「……」



 そこまで思い至って、口を開きかけて。



 閉ざす。



「せ、閃吏くん?」

『とくにきっかけはありませんか?』

『自然とですかっ』


 そう言う三人に、ほんの少し止まって。

 思わず出たのは。


「そ、うだね。あとは親とか、そういうのかも!」


 なんて、嘘。



 そんな嘘に、そっかと納得してる彼らに、心を痛めつつも。


「……」


 女の子との付き合いが多くて、自然と写真を撮ることに慣れていったなんて、この純粋な三人には言えなくて。



「す、素敵な家庭なんですね!」

『アルバムも多いんですか?』

『見てみたいですっ!』

「あ、あはは……」



 きらきらと純粋なまなざしを向けてくる三人に、苦笑いしか返せなかった。



『歩んできた日々に後悔はないけれど、たまに話し方だけ迷う』/シオン




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