「洞昭、院源の弟子の短命ゆえ阿闍梨にも速記士にもなれざるを相すること」速記談6052
西方院の院源座主が、洞昭に尋ねた。私の弟子である良因は、いつ阿闍梨になれるでしょうか、と。洞昭は、そのような相は出ていない、と答えた。座主は、あなたのような高名な人相見がそのようなことをおっしゃるとは。良因は、我が弟子の中でも、抜きん出て優秀な者。阿闍梨になれないなどということはあり得ません、といって笑った。洞昭は、西方院を退出してから、命があれば、阿闍梨でも、一級速記士にでもなれるだろうが、と言ったという。良因は、ほどなく、二十五の若さで亡くなったという。
教訓:長生きをすれば何にでもなれるというものではないが、短命ではなれないものは多い。