5 話
美冬がオレの前に立ち詠唱して氷塊を撃つ。
「氷塊よ!吹き飛ばせ!」
巨大な氷塊が槍に向かって飛んでいく!2つが衝突して大きな爆発を起こして水蒸気がオレ達を覆う。
「くっ!何も見えない。」
目を覆っていると背中を突いてくる美冬が口の前で人差し指を立てて喋るなと言っている。そして手でジェスチャーをしている。これは一旦校舎に逃げるよってことだな。分かったっと合図して校舎に入る。
「っで!どうするんだよ。美冬。」
「…………出来ればこのまま逃げたいけど…きっと鳳凰院は私達を逃すつもりはないと思う。」
「だろ〜な……なぁ〜美冬も…悪魔なのか?」
そう尋ねると美冬は首を横に振って
「違うよ。…私は半分……天使なの…」
半分天使?天使ってあの天使か?おとぎ話とか本で出てくる。そんな事を考えていたら美冬が
「今彪牙が考えている天使とは少し違う。…今は説明してる暇はないからまずは生き残ることを考えて!」
っと言われるがどうしたものか……考えていると
「私が囮になるから彪牙は逃げて!」
「何言ってんだよ!美冬…お前今出ていったら死ぬぞ!自分の身体をよく見てみろよ!!」
言われて気が付いたのか美冬が自分の身体を確認する。
左足太ももは貫かれたのか真ん中に穴が空いている…幸い出血は止まっているがその他にも左脇腹・右腕前腕・頭からも出血をしている。この状態で戦えば美冬はきっと死んでしまう…そうならない為にはオレが戦うしかない!そう思い戻ろうとすると肩を掴まれる。
「待って!今彪牙だけで戦いに行こうとしてるでしょ!…魔法が使えない彪牙が出て行ったらそれこそ自殺行為だよ……だから。」
「大丈夫だ!…アイツは…鳳凰院はオレが何とかしてみせる!だから美冬は見ていてくれ!」
「彪牙………ならせめて邪魔にならないようにサポートする!」
「分かった!」
そう言って2人で屋上に戻るとタイミングよく水蒸気が晴れる。さて鳳凰院をどう倒す?さすがに空は飛べないし、かといってジャンプしてもあの高さは届かないんだよなぁ〜っと思考しているとニヤニヤして空中で見ている鳳凰院が口を開く。
「ねぇ〜!出てきたってことは〜…何か秘策でも出来たのかな?それとも…命乞いかな?アハっ!どっちでもコロスには変わらないから関係ないけど!アッハハハハハハハハハ!」
このヤローーー!何かないかアイツを地上に下ろす方法……………あっ!美冬に協力してもらえればオレの拳がヤツに届くはず!!
「美冬、ちょっと耳貸せ。」
「えっ!ひゃんっ!!」
「良いかよく聞け!氷塊をあいつに向けて撃ってくれ!」
「けど!それじゃ相殺されてさっきと同じ結果に…」
「大丈夫だ!その氷塊にオレが捕まって相殺される前に飛ばした勢いを利用してアイツを叩き落としてやる!」「……………分かった。」
話し合いが終わり2人で鳳凰院を見る。
「おっ!話し合いは終わった〜?さぁ〜ボクを楽しませてよ!」
「行くよ!彪牙!」
「ああ!」
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