30 話
「その声はイヴね?…よく見たら所々似ている所があるわね…」
「一体2人ともどうしたんだ?」
「彪牙くんは見えないから分からないわね…私の推測だけど神力の影響で子供だったイヴが成長して大人になったのよ。」
「えっ!?」
何それ!?神力って精霊に流れたらそんな事が起きるのかよ!急な成長でイヴの身体は大丈夫なのかよ!
「イヴ身体は大丈夫か?」
「大丈夫ですよ!ヒョウガ!」
「それは良かった。」
「まさか神力の影響で大人に成長して中級精霊だったイヴが上級精霊になるなんて…」
「えっ!?…イヴ上級精霊になったんですか?」
「泉に自分の姿が映っていると思うから見てみなさい。」
「!!?…羽が増えてる、イヴが上級精霊になれるなんて…嬉しいです!」
「そんなに嬉しいのか?精霊の事が詳しくないから分からないんだけだ…」
「等級は基本的は産まれた時に決まるのよ。そして等級が高いほど色々な魔法が使え、魔力総量も増えるのよ。そして等級を上げるには色々な功績を上げて精霊王に認められてから上げてもらうのよ。」
「なるほど…って事は勝手に等級が上がったのはその大丈夫なのか?」
「分からないわね。今までに神力の影響で等級が上がった事なんてないでしょうから。」
「そんな事よりもヒョウガ!今のイヴなら目を見えるように出来ますよ!」
「えっ!?ホントに?」
「はい!精霊契約をした事によってイヴは上級精霊になったのとどうやら神力が使えそうなのです。」
「!!?…確かに神力が使えるのであれば彪牙くんの目を見えるように出来るかもしれないわね!」
「いきますよ。ヒョウガ!」
えっ!?イヴが手を握ってくる。すると身体が温かくなっていく…何故か安心するなんだろうこの感覚。
「ふう…成功しました。ヒョウガこれで目が見えると思います。目を開けてみて下さい。」
そう言われ目を開けてみると両目とも目が見えた。そして目の前にはサラ姐の姿があったが…さっきまで話していたイヴの姿がない。
「サラ姐、イヴはどこに?」
「イヴは彪牙くんの中にいるわ。」
「えっ!?どういう事?」
「それはイヴが説明します。」
「おわっ!?今イヴの声が聞こえた!けど…周りを見渡しても見えない。」
「落ち着いて下さい。ヒョウガの中にイヴが入ったのです。そしてイヴが見ている景色を見えるようにした事によって目が見えるようになったのです。だからイヴがヒョウガの中から出ると。」
「!!?…目が見えなくなった!治ったわけじゃないんだね。」
「そうです…精霊契約をする前にヒョウガの中に入れるか試したのですが出来なかったのです。ですが神力を使えるようになった時に出来るんじゃないかとふいに思って試してみたら出来ました。」
「推測だけど…半神の中に入るには神力が使えないと出来ないのよ。」
「なるほど…ってか契約する前に試したのかよ!?」
「中に入れたら見えると思いまして。」
「とりあいず、目を取り返すまでイヴに入っててもらえば良いんじゃないかしら。今はそれ以外に彪牙くんの目を見えるようにする手段がないわけだし。」
「そうは言ってもイヴは泉の管理をしてるんだろ?ここを離れるのは無理なんじゃ…」
「大丈夫です。他の精霊をここに呼んで管理してもらいます。」
「そんな事が出来るのか?」
「はい!サラ【転移】で精霊界にイヴを連れて行ってくれませんか?精霊王に今回の事を話してここの管理を他の精霊にしてもらえるよう頼みます。」
「分かったわ。その前に彪牙くんを天界の私の家に【転移】するわね。」
「天界にサラ姐の家があるのか?」
「あるわよ。それに家にいけば美冬がいるから安心よ。」
「えっ!?美冬が天界にいるのか?」
「ええ、あの子も一緒に天界に【転移】したからね。もう動けるくらいには回復してるから私とイヴが帰ってくるまでに美冬から色々と聞くと良いわ。」
【転移】
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