27 話
「そういえば君は一体何者なんだ?」
「…この聖域の泉の管理を任されている、水の精霊 イヴです。」
「イヴ。良い名前だな!」
「!!?…ありがとうございます!」
顔は見えないのが残念だけど笑顔になったのは声を聞いて分かった。
〝オレの見る世界はイヴと出会った事で大きく変わる事になる”
それからオレの軽い自己紹介をした。
「ひょうが。」
「そう。それがオレの名前!」
「ひょうが…ひょうが…ひょうが!」
色々な声色でオレを呼ぶイヴ。少し話して分かった事がある、イヴを見えるのが神と大天使だけなんだと言う。そしてたまにサラ姐が訪れて色々話してくれるだけで普段は1人で泉の管理をしてるので退屈だと言う。
「そうだったんだな。それは確かに退屈だな。」
「そうなんです。だからひょうがが来てくれて嬉しいのです!」
目が見えないのは不便だ。目の前のイヴの表情が見えない。今も笑っているはずなのに…どれくらい泉に浸かっていたら治るのだろう。
「イヴ。オレの怪我はどれくらいで治るんだ?」
「ひょうがの怪我は…早くても明日の朝になると思います。」
「明日の朝?…因みに今って何時頃か分かる?」
「ちょっと待って下さい…23時過ぎです。」
23時…治るのが朝って言ったから6時頃と考えて後7時間くらいは浸かっていなくちゃいけないのか。寝ようにもさっきまで気を失っていたから眠たくないんだよなぁ〜…そう思っていたらイヴが話しかけてくる。
「ひゅうがは何でそんな怪我をいっぱいしたのですか?」
「人間界で悪魔と戦ったからだよ。」
「悪魔…サラから聞いた事があります。天使とは正反対の奴らで悪い事をするもの達だと。」
「そうだな。それで合ってる。」
「何で悪魔と戦ったのですか?」
「襲われたからだよ。」
「襲われたのですか?それは何でですか?」
「うーん…これは推測なんだけど多分母さんの事とオレが半神であるからだと思う。」
「お母さん?半神?」
「えっと…話すと長くなるけど良いか?」
「聞きます!」
それからオレはイヴに母さんの事、オレが半神である事に加えて今日の出来事を話した。するとイヴが突然泣き出した。
「どうしたんだイヴ?」
「シャロン…シャロン…えーーん!」
「ちょっと!?何で母さんの名前で泣くんだよ!」
「シャロンは…ぐすん…イヴの元契約者だからです。」
「元契約者?母さんがイヴの?」
母さんがイヴの元契約者…ってか!そもそも何の契約!?分からないんだが!
「すまないイヴ…契約者って何?」
「ひょうが、半神なのに契約者を知らないのですか?」
「半神だって気付いたの最近だから色々と分からない事が多いんだよ。だから教えてくれないか?」
「分かりました。」
「イヴとシャロンは精霊契約をしていました。シャロンは女神なのに魔法が一切使えなかったのです。だから戦闘する時は神力と【奇跡】を使っていたのですが…シャロンは神力総量と魔力総量が少な過ぎて戦闘に参加しても役に立たなかったそうです。そこでサラが精霊契約をしたらどうかと言ったみたいです。精霊契約を使用した者が精霊の力や魔法を使う事が出来る魔法です。そしてもう1つ魔力も使う事が出来ます。つまり魔力総量が少ないシャロンでもイヴの魔力を使えば魔法が使えて戦えるという事です。」
なるほど。あっ!精霊の事について聞いてなかった。
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