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美冬side⑥



2人が街に散策に行ってからまだ帰って来ない。もう19時過ぎなのに…彪牙に電話してみよう。数コールしたのち留守番に切り替わる。


「可笑しい。彪牙が電話に出ないなんて…何かあったのかな。」

「美冬ちゃんどうしたんじゃい?」

「彪牙がまだ帰って来ないんです!」

「ほう、それは珍しいの〜。じゃが…鳳凰院の嬢ちゃんも帰ってきてないんじゃろ?なら2人でまだ遊んでおるんじゃよ。心配する事もないじゃろ〜て。」


温かいお茶を飲みながら煎餅を食べてお笑い番組を観ている彪牙のお爺さん。


「だから心配なんですよ!あの女と一緒だから!!!」

「急に大きな声を出さんでくれ〜、びっくりしたわい…そこまで心配なら探しに行ってくればええじゃろ〜。」


そう言ってまたテレビの方を向きお笑い番組を観るお爺さん。探しに行こう。私は作った晩御飯にラップをして出掛ける準備をして彪牙を探しに街に出た。


数分後


あの2人が行きそうな所を探したけど見つからない。一体何処に行ったんだろう?もう一度電話してみたけどやはり繋がらない。こんな事なら彪牙のスマホにGPS付けておくんだった!…仕方ないこうなったら【奇跡】を使って見つけるしかない。目を瞑って彪牙の神力を探す。1km…2km…3km…4km…5km…見つけた!微弱だけど学園の方から感じる。何故学園に?街を散策しに行ったんじゃないの?…何か嫌な予感がする。そう思った私は天使化して飛翔し学園に急いで向かった。


数分後


学園に着いた途端、異様な雰囲気が学園に漂っていた。何これ?何でこんなに学園から悪魔の気配を感じるの?とにかく今は彪牙を見つけないと。学園に入って校舎に入ろうとした瞬間何かが私に向かって飛んできた。何とか反応してそれをかわす。かわすと同時に氷の礫を撃った。すると礫が弾かれる音がした。


「今のをかわすなんて流石十六夜さんだ。」


出てきたのは執事服を着た佐伯くんだった。何故彼がここに居るの?そもそも何で執事服を着てるの?そして人間であるはずの佐伯くんから何故悪魔の気配を感じるの?


「佐伯くん何故ここに居るの?」

「何故?十六夜さんがそれを知る必要はないぜ!」


言い終わりと同時に何かを飛んでくる今度は凍らせて防ぐ。すると飛んできたモノを確認出来た。銀色の棒状で先端が尖った釘のようなこれは棒手裏剣。次々に私に向かって棒手裏剣を投げてくる佐伯くん。全て当たる前に凍られて落とす。まずは彼を凍らせて口を割らせるしかない。飛翔して無数の礫を撃つが!さっきまでいた所に佐伯くんが居ない。辺りを見回すが見当たらない…


「隙あり。」

「!!?」


背後から声がしたと思ったら背中に蹴りをくらった。何とか受け身を取って体勢を立て直し空中を見るがまた居ない…一体何処に…後ろに気配を感じて背中に氷の防壁を張った瞬間防壁越しに攻撃をくらった。防壁を解除し振り返ると佐伯くんが居た。すかさず足元を凍らせ逃げられないように首まで凍らせて拘束する。近付いて再度同じ質問をした。


「佐伯くん何故ここにいるの?」

「答えるとでも?」

「………」


氷の槍を詠唱し凍った佐伯くんの右手と左手を砕き、太腿から下も砕いた。四肢を砕かれた佐伯くんの顔が青ざめた。


「もう一度聞く…佐伯くんは何故ここにいるの?」

「ーーーっ……」


佐伯くんが何故ここに居るのかそして何故私に攻撃したのかそれ以外の事も全て洗いざらい話してくれた。


「そう。だから彪牙の神力が学園から感じたんだ。」


早く理事長室に行って彪牙を助けないと!

私は3階の理事長室の窓まで飛んでいき窓越しに見える人影に向かって氷の槍を投擲した。だが!氷の槍が火柱によって防がれる。


「危ない危ない、ママに当たるところだったよ…やぁ〜《ハーフ》まさかこんなに早く学園に来るとは思わなかったよ♪」

「鳳凰院!…邪魔をするな!!!」

「アハっ!悪いけどそうはいかないよ〜!それに…ボクのママに攻撃したんだから生きて帰れる思わないでね!」


戦闘体勢に入って炎弾を詠唱し撃とうとする瞬間に時を止めた。


【ー絶対零度ー】


鳳凰院の動きが止まる。


「悪いけど今はアンタの相手をしてる暇はないのよ。砕け散れ!」


氷の槍を詠唱し鳳凰院に投擲した。そして槍は身体の中心に命中し亀裂が入り木っ端微塵に砕けた。早く理事長室に行かないと!氷の槍を詠唱し理事長室の窓を突き破って理事長に突き刺そうとした瞬間私は天井を見ていた。えっ!?今何が起こったの!


「天使がこのアタシの許可なくそれも窓を突き破って入ってくるなんて…万死に値するわ。」


理事長の手が大きな炎の手に変わり私を握り潰そうとする。炎を凍られて抗おうとするが…圧倒的なほどの熱によってすぐ溶けて徐々に私の身体から骨が折れる鈍い音が理事長室に響く。


「くっ!!!」

「普通なら悲鳴をあげるほどの激痛のはずなのに声出さないとわね。」


このままじゃマズイ…どうにかしないと。氷の礫を詠唱し理事長の顔面に撃つ。命中し握る強さが弱まった瞬間、抜け出し床に転がってる彪牙の所に近寄ると…佐伯くんから聞いていた時よりも酷くなっていた。鼻と腹以外に両目をくり抜かれ四肢の健を切られていた。


「ここまでするなんて…普通の治癒魔法じゃ回復しきれない。【奇跡】を使わないと。」

「そうはいきませんわ!」

「!!?」


背後から思いっきり大きな炎の手で殴られた。壁まで吹っ飛び倒れる。今ので背骨が折れた。あまりの激痛に意識が飛びそうになるがここで意識を失ったらきっと彪牙とはもう…意識が薄れる中聞き覚えの声が聞こえた。


【ー転移ー】


そして理事長室から見た事ない部屋に飛ばされた。


                   美冬side⑥終











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