17 話
「かはっ!!?」
鳳凰院の魔法で壁に吹っ飛ばされ背中を強打し前のめりに倒れる。本気の鳳凰院に手も足も出ない。どうする…
色々と考えていたら鳳凰院が声を掛けてくる。
「ねぇ〜もう終わりなの?まだボクは戦い足りないから早く立ってね!」
そう言って巨大な火球をもう一度詠唱し撃ってくる。それを横に跳んでかわす。立ち上がってオレは被弾覚悟で鳳凰院に突っ込む事にした。
走る…走る!それを見て鳳凰院は連続で炎弾を撃ってくる、身体に被弾するが構わず前に出る。オレが近付けばその分鳳凰院は後ろに下がる、そして遂に鳳凰院が下がった時に壁にぶつかった。ぶつかった瞬間鳳凰院は一瞬オレから目線を外す、そしてこちらを向く前にスライディングをし床を滑って懐に潜り込んだ。
立ち上がると同時に奥義を打ち込む!
「双掌底浸透破!」
左手の掌底で障壁を破り右手の掌底で鳳凰院のガラ空きの身体に打ち込む!確かな手応えと思ったら目の前の鳳凰院は消えた。オレが打ち込んだのは壁だったのだ…そして後ろから笑い声が聞こえ、ふり返える前に無防備な背中に巨大な火球を撃ち込まれ意識を失った。
目を覚ましたら目の前に鳳凰院の顔があったどうやら膝枕されていたみたいだ。
「どれくらい意識失っていたんだ?」
「15分くらいだよ。今回はボクの勝ちだね!」
そう言うと鳳凰院が勝ち誇った顔した。
「あぁ、オレの負けだよ…さっき障壁わざと破らせただろ。」
「そうだよ。」
「だよな!あまりにも簡単に破れたからな…その後のあれは一体何をしたんだ?」
「あれは幻影の魔法で自分の分身を作って闇の魔法の影移動を使って自分の影から榊の影に移動して背後に出て魔法撃ったんだよ。」
あの一瞬に複数の魔法を使って対処したのか。
「はぁ〜…完敗だな。」
そう言うと鳳凰院が笑みを浮かべた。
少し休んでから鳳凰院と道場の掃除をした後家に入った。数時間、美冬が作ってくれた夕食を食べて部屋で今日の模擬戦の事を考えていた。そんな時ドアをノックされる。うん?誰だろう?オレは返事をして入って良いよと言うと入ってきたのは美冬だった。
「どうした美冬。何かあったか?」
そう言うと美冬から屋上で別れてから何があったのか聞かれた。簡単に詳細を伝えると美冬が
「なるほど…だから彪牙がボロボロだったんだ。」
「あぁ…久々に誰かに負けたよ。」
「けどそれは魔法が使えないから仕方ないじゃない。」「…なぁ〜美冬。」
「何?」
「オレに魔法を教えてくれないか?」
そう言うと美冬が難しい顔した。
「うん?何でそんな顔するんだよ。」
「彪牙が魔法を使えるか分からないからよ。」
「えっ!?どういう事」
「この間の戦闘の時神力は感じる事が出来たけど魔力は感じなかったのよ。だから…私だけでは何とも言えないから姉さんに連絡して来てもらうわ。」
そう言いってサラ姐に連絡する美冬。数分後、連絡を受けたサラ姐がオレの部屋に来た。
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