15話
「かはっ!!?」
嘘だろ…オレが刺されるまで気付かないなんて。手刀を抜くと同時に背中を蹴られオレは倒れる。刺された所から大量の血液が流れ痛みで動けなくなる。誰が刺したか確認する為に後ろを向いたらまさかの人物だった。
「○○…何で」
数日前
学校に着いて授業を受けて放課後になった。オレ達3人はサラ姐と話す為に屋上にやってきた。するとタバコ吸って一服してるサラ姐がいた。
「やっと来たわね。」
「放課後になって直ぐに来たからそんなに経ってないと思うんだけど?」
美冬がそう言うとサラ姐が
「30分前には屋上に来てたわ。」
「それは早いよ姉さん!」
「そう?…そんな事よりもあなた達に話しておかなければいけない事があるのよ。」
何だろう?サラ姐が深刻そうに語る。
「まずは彪牙くん、近いうちに天界から使者が貴方に会いにくるわ。」
えっ!?
「鳳凰院さんと戦った時に少しだけど神力が無意識のうちに身体から漏れていたのよ。それがどうやら天界の神にバレて一度この目で見てみたいと。それで大天使の1人が使者として貴方に会いに来て半神だと分かれば天界に連れていくそうよ。」
「はぁーっ!…会いに来るのはいつ?」
「ホントは今日会いに来るって言っていたけど流石にそれは急すぎるから事情を話す時間を下さいと神に言ったら1日猶予がもらえて明日の昼過ぎになったわ。」
「猶予もらっても1日だけ!?どんだけオレを見たいんだよ!ただの一般人だけど!」
そう言うと3人が驚く。
「「「えっ?」」」
「彪牙が一般人だったら他の人達は人間ではない別の生き物だよ。」
美冬が毒を吐き、
「アッハハハハハハハ!確かにwww」
鳳凰院は美冬に賛同して笑ってる。
「その時に美冬も天界に行くからね。」
それを言われ美冬が驚く!
「えっ!?私も!何で?」
「それは天界に言ってから話すわ。」
「次に鳳凰院さんに聞きたいんだけど…人間界で悪さをするつもりはあるの?例えば誰かの魂を奪うとか?」
それを聞かれた鳳凰院は首を傾げる。
「うん?ボクはそんな事に興味ないからしないよ。」
そう言う鳳凰院に美冬が少し驚いた顔で
「へぇ〜意外…魔力総量がとてつもないからてっきり奪っているものだと思っていたわ。」
「生まれつき多かったって父さんから聞いたよ。それに奪うと一瞬で死んでしまうでしょ〜?殺すなら…戦いの中で殺したいね♪」
めっちゃ良い顔で答える鳳凰院。それ聞いてドン引きする美冬。鳳凰院の答えを聞いてサラ姐が
「そう。なら私は鳳凰院さんを殺す事はしないわ。ただ…明日使者が来る時は存在を完全に消しておいた方が良いわ。」
「それは何でなのサラ姐?」
「明日来る使者は悪魔だと分かれば誰であっても殺すからよ。」
それを聞いた鳳凰院が喜んだ!
「おぉーーーーー!!!それなら存在を消さずにいるね♪」
それを聞いて転けそうになるサラ姐。
「聞いてた鳳凰院さん。悪魔だと気付けば殺すと言ったのよ。」
「うん!聞いてたよ!…そうした方が楽しそうじゃん♪」
あ〜なるほど分かった。
昨日の戦った時に薄々気付いていたけどやっぱり鳳凰院は戦闘狂だ!それを聞いたサラ姐が頭を抱える。
「鳳凰院さんお願いだから存在を消していて!後が面倒だから!」
「え〜!どうしようかな〜…」
「消していてくれたら私が戦ってあげるから。」
「ホント!?さっき殺す事はしないわって言ったから戦えないじゃんって思っていたんだよねぇ〜♪…大天使の貴女が戦ってくれるなら良いよ!」
鳳凰院はその場で小躍りするんじゃないかと思わせるくらいめっちゃ嬉しいそうだった。その反面…サラ姐の表情は暗いものになっていた。話が終わり解散となったが美冬はサラ姐に聞きたい事があると言い残ったのでオレは鳳凰院と帰る事にした。帰り道、鳳凰院が嬉しいそうに鼻歌を歌いながら前を歩く。そんな鳳凰院にオレは聞く。
「なぁ〜鳳凰院、そんなにサラ姐と戦う事が嬉しいのか?」
そう聞くとめっちゃ笑顔で
「うん!だって絶対あの人強いもん!ボクは強い人と戦う事が何よりも好きなんだ〜♪」
「へぇ〜…一応聞くけどそれは何で?」
「そんなの楽しいからさ♪」
言ってる事がヤバいのにめっちゃ良い笑顔でこっちを見るなよ!可笑しくなるわ!
「だから昨日榊と戦ってる時は楽しかったよ♪またボクと殺し合おうね!」
「模擬戦なら良いよ!」
それを聞いた鳳凰院がやったー!っと声を上げ
「ホントに良いの?なら帰ったらしようよ!確か榊の家って道場あったよね!ほら急いで帰るよ!」
そう言うと鳳凰院がオレの手を引いてジャンプすると漆黒の翼だけを生やして高速で飛んで家に向かった。
数秒後
家に着いた。あっという間だった。学校から家まで歩いて20分の所をたったの数秒で移動したもんだからオレは着いた時気持ちが悪くなって地面にへたり込んだ。
それを見て鳳凰院が驚いて
「えっ!?どうしたの?」
「飛ぶなら飛ぶと先に言え!しかも移動速度がめっちゃ速いし!オレ以外なら気を失ってるぞ!」
「ごめんごめん!それよりも早く模擬戦しよう♪」
謝ってくれるが模擬戦が楽しみすぎてそれどころではないようだ。
「分かった。せめて気持ち悪いのが治るまでは待ってくれ。」
「しょうがないなぁ〜…じゃあ〜その間に動きやすい格好に着替えてくるね〜!」
そう言い残し着替えに家に入っていった。オレも道場に移動して道着に着替えておくか。
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