12 話
オレとサラ姐は戦いが終わった校庭に歩いて行きサラ姐は倒れている美冬の治療をし始める。オレは鳳凰院に話しかけた。
「やっぱり鳳凰院が勝ったか。」
そう言うと鳳凰院が悔しそうに
「勝ったと言いたかったけど…深傷を負って互いにトドメをさせなかったから引き分けかな。」
よく見ると鳳凰院が鳩尾を手で抑えてる。そこから血が垂れたであろう証拠が地面を見れば分かる。
「鳳凰院お前…よくその怪我で意識を保っていられるな。」
そう言うと苦笑いで
「ただの意地だよ…〈ハーフ〉にやられて倒れるなんてボクのプライドが許さないだけ!」
そう言った鳳凰院だったが足下に血溜まりが出来るほどの出血してるからか今にも倒れそうだ。
「こっちは美冬よりも重傷ね。」
美冬の治療が終わったのかサラ姐が鳳凰院に治癒魔法を掛ける。オレは治癒が終わった美冬に疑問に思った事を聞く。
「それにしても美冬、オレと一緒に戦った時は鳳凰院に触れる事さえ出来なかったのに一体何をしたんだ?」
「奥の手を使ったのよ。それ以上の事は秘密…」
鳳凰院の方を一瞬見てから教えてくれた。奥の手?…って事は連発出来ない感じの魔法か?それとも一緒に戦ってる時は使えないとかかな?今は鳳凰院がいるから詳しく教えてくれないんだろうな。気になるから2人になった時に教えてもらう。会話を聞いていたのか鳳凰院が会話に入ってくる。
「なるほど奥の手か…それよりもねぇ〜榊、十六夜さんはまだ魔法が使えるからボクに深傷を負わせたのは納得出来るけど、君はなんで障壁を破ることが出来たの?今まで破れた人はいなかったのに。」
改めてそう言われると確かに何で破れたんだ?
「何でだろうな。オレもさっぱり分からないな。」
そう言うと釈然としない顔で
「ふーん」
じっくりオレの頭からつま先まで見て唸っている鳳凰院だったが
「考えても分からないしこの件はこれから君を観察していたら分かるような気がするから…榊ボクとデートしない?」
「「はぁ?」」
突然デートとか言うもんだから色々聞こうと思って気を張っていたのに気が抜けてしまった。
「良いじゃん!十六夜さんとは付き合ってないんでしょ!それとも違う人間と付き合ってるの?」
腕を両手で掴みながら上目遣いで言ってくる。
「付き合ってるの人はいないよ。」
そう言うとパァーと擬音が聞こえるくらい笑顔になって
「じゃあ〜行こうよ!色々と話を聞きたいんだ!」
腕を組んで校門に引っ張っていく鳳凰院。
肘に胸が当たってるしさっきから良い香りが鼻を刺激する。それに近くで見ると鳳凰院の顔は目鼻立ちが整っていて肌も綺麗でおまけに笑顔が太陽のようで…可愛い!
これだけで男なら惚れるだろうな。美冬が美人で幼い頃から一緒だったからオレは平気だけど。校門を抜けようとした所で後ろから美冬の声が出て聞こえた。
「ちょっと待ちなさいよっ!!!」
振り返ると美冬が走って来た。
「何かな?これからボクは榊とデートに行くんだけど?」
「彪牙正気なの!こいつは悪魔なのよ!人間じゃないのよ!」
美冬が嘘でしょと驚愕の表情でオレ空いてる腕を引っ張りながら言ってくる。
「人間じゃないかもれないが今の鳳凰院は悪魔に見えないし敵意もないからオレは普通に接しようと思っているんだけど。」
「………分かった。そのデート私も行く!彪牙と2人っきりになんてさせない!」
それを聞いて鳳凰院は意外にも
「えー!付いてくるの〜?……うーん。まぁ〜いっか。十六夜さんにも聞きたい事があったし。」
少し考えあっさり付いてくることを許可する鳳凰院。てっきり付いてくないでよって言うと思っていたが…
そんなこんなで3人でデートする事になった。
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