1 話
4月7日 始業式
朝 主人公の部屋
「………ぐうー……ぐうー…むにゃむにゃ……」
気持ち良さそうに寝ているといつも起こしにくるヤツがいる。
「朝だよ。起きて起きてよ!…ダメだ起きない。いつもの事だけど。」
「ねぇ〜起きてよ、起きないと…どうなっても知らないよ。」
「!!!!!???」
「あっ!やっと起きた。…おはよう彪牙。」
「あぁー、おはよう。…起きないからって朝から耳元で不気味なこと囁くなよ!」
そう言うと少しムスッとした表情で
「だって!こんなに可愛いワタシが毎日起こしてあげてるのに全然起きようとしないから。」
「それは美冬が起こしに来ると分かっているからついつい二度寝してしまうんだよ!…うん?ちょっと待てっ!可愛いぃぃ!?美冬が!間違いだろ!」
そう言うと美冬の目の光が消えお玉をオレの頭に振り下ろす。
「………フン!」
「いってーーー!!!何すんだよ!」
「今なんて?…聴き間違いかな〜?間違いとか聞こえたんだけど!」
「!!?…可愛くないだろ!無愛想ですぐに手が出て平気で毒吐いてくる美冬が!!」
そう言うとさっきよりも強く叩いてくる。
「いって!また叩いたな!!結構痛いんだぞそれっ!」
叩かれた所がたんこぶになっていないか、確かめながら美冬の手に持っているお玉を指差しながら注意する。
美冬は割とすぐに手が出る。
「知らないよ!彪牙が間違いとか言うから悪いんだよ!!………はぁ〜……ご飯出来てるから早く着替えて降りてきなよ。」っと!一言残して降りていく美冬。
頭をお玉で叩いて降りていったのが幼馴染の十六夜 美冬
外見は水色のショートボブに翡翠眼のタレ目に高校生離れした大きな胸(推定Eカップ)に引き締まった腰と大きなお尻。
容姿端麗品行方正とまるで絵に描いたような美人というのが世間での美冬の評価だが!親しい間柄になると性格が一変し腹黒毒舌キャラに変わる。
着替えて降りてみると談笑しながらご飯を食べているじじぃとコーヒーを飲んでいる美冬。
うちの家族構成はオレとじじぃと父さん。
だが父さんは幼い頃に旅に出てから一度も帰ってきてない。母さんはオレを産んですぐに亡くなったときいている。ってか!珍しいな…こんな時間にじじぃがここにいるなんて。いつもなら道場で瞑想してるはずだが…
「おはよう。じじぃがこの時間にご飯食べてるなんて珍しい、何かあったの?」
「!!?…なな何もないわい!起きるのが遅くなっただけじゃよ、ワシも歳じゃからな〜!」
っと!言い食べるのを再開するじじぃだが
珍しいな言い淀むなんて…これは何かあったな。
まぁ〜それほど大した事でもないだろ。そんな事を思っていると前に座っていた美冬が
「喋ってないで早く食べたら…食べたくないなら下げとくけど。」
っと言い下げようとする美冬を制しながらご飯を食べ始める。
「今日も美味いな!ありがとな毎朝作ってくれて。」
「!!!…別に良いわよ。朝は時間あるから。それに起こしに来ないと遅刻してくるのが目に見えてるし。」
そう言って飲み終えたコップを片付け始める美冬。
「そんなことねぇーよ!美冬が起こしに来なくて起きるわ!」
「うそつけーい!美冬ちゃんが起こしに来なかったらワシに起こされとるくせに。」
頭を叩かれながらじじぃにちくられるオレ。
「いってーな!じじぃ!」
ため息をつきながら「やっぱり」とか言いながらジト目でこっちを睨んでくる美冬。
元々オレは朝に弱いのに最近は奥義の習得で遅くまで道場に残ってるいるからである。
「そんな目で見るなよ美冬!仕方ないだろ…最近じじぃから奥義の習得をしろと言われたんだけど、あれかなり難しいから稽古終わってからも残って試行錯誤してるんだから。」
「はっ!それは覚えの悪いお前さんが悪いんじゃよ!」
「いやいや!さすがに奥義の習得は難しいわ!」
「ワシならどんな技でも見た途端すぐに出来るわい!」
でしょうね!だってあんた武神だろ!!
じじぃは若い頃に異種格闘技世界大会で前人未到の10連覇をした生きる伝説で武術家から武神と言われている。
今年65歳になるというのに全然衰えない肉体と武術。
正直バケモノ過ぎてじじぃが見せてくれる技はレベルが高過ぎて正直参考にならん。だから稽古が終わった後に色々考えながら自主練している。
朝ご飯を食べ終えたオレと美冬は学校に向かう。
会話の最中で美冬がオレに聞いてくる。
「今日始業式で早く帰れるでしょ…その…彪牙は何か予定とかあるの?」
「特にこれといって予定はないかな。何かあるのか?」
もじもじしながら美冬が
「えっと…駅前に新しく喫茶店が出来たみたいだから食べに行きたいんだけど……良かったら付き合ってくれない…」
「良いよ。夕方の稽古まで時間あるし付き合うよ!」
「!!? ありがとう!彪牙!」
主人公キャラ設定
榊 彪牙
高校2年生
容姿 黒髪ショートのアップバング 碧眼 170㎝60kg
細身筋肉質
肩書き 榊古流武術師範代 一人称 オレ
幼少期(5歳)から道場(古流武術)で祖父に鍛えられており高校2年生時点で師範代以上の実力が言われている。道場で鍛えられてるせいで身体能力が異常(主に身体が丈夫であり一般的な重症レベルの怪我では擦り傷くらいにしかならない。)なのだが武神の祖父を見て育った為本人は異常だとは思っていない。祖父から凡人だと言われているのも影響している。(天才肌であるが自覚なし。)一度見た技で使えそうなものは模倣しオリジナルに昇華する。
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