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【御礼 20,000PV到達】召喚されたのはスマホでした〜付属品の俺はこの異世界で地道に生きていこうと思うのに、Chat-AIが許してくれない〜  作者: 野川雄一


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081 謁見の間は大騒ぎ

「陛下、そろそろ本題に……」

「お?なんだっけ?」


側近の言葉にすっとぼける国王。


「勇者様の報告を聞く場としたはずです。」

「あ、そうであった。すっかり舞い上がってしまったわい。」


やっぱりフィオナが目的だったんかい!


すまんすまんと国王から報告を促されたので、俺たちは玉座の前で、報告をしていった。

まず、森で起きた事件。商人による不法投棄。それから、禁書庫で見つけた日記のこと。


森の出来事の一連については、国王は眉をひそめ、何度も頷きながら聞いていた。


「森にそんな魔物がいたという話は、報告には聞いているが、にわかに信じ難い……どう思う?ゲルーシュ鄕。」


国王が玉座脇に控えていた威厳ある男に声を掛けた。

その男を見た瞬間、心臓がドクンと跳ねた。

(あれ……あいつ! 俺が召喚された時に居た司教風の男だ!)


紹介によると、そいつは元老院をまとめてる最高位、元老院長を務めるゲルーシュ鄕だそうだ。

つまり、この国の頭脳みたいな存在らしい。やっぱりただ者じゃなかったか。


「昨日に騎士団から報告が上がってきておりますが、そんな魔物を使役するなど、相当の上位ランクでないと出来ません。そもそも、この男の冒険者ランクは4級。勇者レベルと言われる特級や神級には程遠いですぞ。そうなると不法投棄をした商人とやらの話も怪しくなります。」

「だが、そうするとトールも嘘の報告をしたことになるぞ。」

「二人が結託しているとも考えられますぞ。あの禁書についても、我々が読めないことを良いことに、自身を勇者たらしめるためのデタラメを言っている可能性もありまする。」


うーんと顎髭を撫でる国王。

この元老院長、なんかムカつく!


「あのぉ元老院長様、確かに私は4級なので間違ってはいないのですが、私は自分から勇者とは名乗ってはいません。なのに私が勇者と呼ばれるために嘘をついているとおっしゃりたいのでしょうか?」

「そうは言っておらん。魔物の討伐ならともかく、そなたのランクで使役したなどとても信じられない、と申しておる。」

「では、本人とお話されては如何ですか?」

「本人だと?」


ゲルーシュ鄕は、俺を射抜くように睨みつけてきた。


「実際に会ってもらうのが一番早いと思いまして。」


俺は小さく息を吸って、目を閉じた。


瞼の裏に浮かんだ画面を指でなぞるように操作する。外からはただ念じているようにしか見えないはずだ。ここでスマホを取り出して、あのゲルーシュ鄕にバレるわけにはいかない。


次の瞬間、謁見の間の中央に白い魔法陣が輝き、中から黒い影が盛り上がると大猿のハヌマンが姿を現した。


「な、なんだあれはっ!」「魔物だ!」「お逃げください!陛下!」

護衛の兵士たちが慌てて剣を抜き、廷臣たちは悲鳴を上げて逃げ惑う。場の空気が一気に修羅場になっていく。


「静まれ!」


国王の声が雷みたいに響いた。

その一喝で、騒ぎがピタリと止まる。さすが国王、迫力が違う。

しかもハヌマンを前にして動じていない。


「ケンゴよ、紹介してくれるか。」

「はい。これにいるのが、先程お話しました森の住人、ハヌマンにございます。ハヌマン、こちらはこの国の国王、アトラス・パシフィス様だ。」


ハヌマンは跪き、恭しく国王へ頭を垂れた。


「初にお目にかかります、国王。我が名はハヌマン。ケンゴ様の下僕にございます。我が主の命により参上いたしました。」


おいおい、なんだよその礼儀正しい挨拶は。いつの間に覚えたんだよ、俺よりしっかりしてるじゃないか。


その姿に謁見の間はざわめきに包まれる。獰猛な魔物にしか見えないのに、低く落ち着いた声で自己紹介する、そのギャップに誰もが目を見張っている。

俺も含めて。


だがそのおかげで、謁見の間の空気が一変した。

兵士や廷臣たちの目には「知性ある上位魔物」として映ったに違いない。


そんな中、例の鑑定が出来るボードを手に、一人息巻いている男がいる。


「そんな、嘘だ! “ヴァナラ・ロード”だと!」

「何が言いたい、ゲルーシュ鄕。」

「これを見てください、陛下!あれは“ヴァナラ・ロード”ですぞ!一介の薬師が上位魔物の“ヴァナラ・ロード”を使役できるはずがないです!」

「落ち着け、ゲルーシュ鄕。」

「これが落ち着いてられますか!あれが暴れたら、王宮どころか、王都はひとたまりもありませんぞ!」


廷臣たちの間にざわめきが走る。兵士の手が剣の柄に触れるが、国王は静かに制した。


「ケンゴがこの城を落とすつもりなら、今、そなたとこんな会話も出来ておらんわ。」

「そ、それはそうですが……しかも無詠唱ですぞ……」


国王がハヌマンをじっと見つめる。


「……ハヌマンとやら、森の件について詳しく聞かせてくれ。」


大猿の姿のまま、ハヌマンは跪き、落ち着いた声で語り始めた。


「かしこまりました、陛下。森にて確認いたしましたところ、無法を働く商人どもが、人間の出すあらゆるゴミを森に廃棄し続けて自然を破壊し、多くの生き物を傷つけておりました。木々は無残に朽ち果て、動物たちは行き場を失い、森の精霊も嘆き悲しんでおります。」


「……なるほど。森は、無秩序に荒らされていたのだな。」


国王の声は静かだが、どこか重みを帯びている。


「はい、陛下。加えて、目撃した商人達の風貌や行動も記録しております。」


ハヌマンは頭を起こし、眼光を鋭くした。


「彼らは独特の服装をまとい、まるで喧嘩をしているように、互いに大声で会話をしていました。中でも、トウテツと呼ばれる者は仲間から頻繁に名前を呼ばれ、他の者たちを指揮している様子でした。」


廷臣たちの間に、低いざわめきが起こる。


「トウテツ……か」


国王は軽く頷き、顔をしかめた。


「なるほど、確かに虚偽の報告ではないようだな。」


ハヌマンの落ち着いた声と確かな証言に、謁見の間の空気が引き締まった。

俺も胸を撫で下ろす。ここまで来れば、森の事件についてはもう疑いの余地はないだろう。


「その商人達については調べておこう。」

「あのぉ、あと、私は勇者ではないので、勇者と呼ばれるのはちょっと・・・」

「分かった。そう言い張るのであれば、表向きそういうことにしておこう。」

「いや、そうじゃなくてですね……」

「それでケンゴよ、うちの孫がそちの話を聞きたいと申しておってな、後でちょっと付き合ってくれんか。」

「う〜。かしこまりました。」


マーシャごめんよ。まだ帰れない。




読んで頂きありがとうございます。

「面白い」「続きが読みたい」と思った方は、是非ブックマークや評価をしてください。

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