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【御礼 30,000PV到達】召喚されたのはスマホでした〜付属品の俺はこの異世界で地道に生きていこうと思うのに、Chat-AIが許してくれない〜  作者: 野川雄一


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020 初旅(2)女の子を拾った

林の中の街道をレーダーを見ながらしばらく歩いていると、さっきマークを付けたアジトの近くに誰かがいる白いマークが出た。

 俺が移動したから、敵索範囲に入って表示されたんだと思う。

 でも点滅しているのは何だろう?

 気になるので街道を外れて、マークに向かって林の中に入っていった。


 林と言いながら結構木が生茂っていて森と言っても良いくらいで、木の根も蔓延っているので注意していないと足を取られて転びそうになる。

 と、罠があった。

 狩猟用ではなく、防犯用に仕掛けてあるみたいだ。エドに色々教えてもらったお陰で、その辺りの区別はつくようになっていた。

 でも俺でもすぐに分かる罠ってどうなの?


「シュルバッ!」

 

 その罠を回り込んだ所でいきなり足元を何かに掬われたと思ったら、木の間に逆さ吊りにされてしまった。

 こっちが本来の罠で、あっちはこれに誘導するためのダミーだったみたい。むう。

 マジックバッグから取り出したナイフで足に絡んだロープを切って脱出。助かったとはいえ、背中から落ちるのは結構ダメージ来るな。


「バシッ!」

 

 気を取り直して、足元に気をつけながら少し歩いたところで、今度は弓矢が飛んてきた。横の木の根元がスイッチだったらしい。

 たまたま他の根っこに躓いて前屈みになったから外れて助かったけど、ヤバかった。

 よく見ると、周りの木に同じような仕掛けがあるのに気が付いた。

 で、ちょっと閃いた事があったので試してみることにした。

 スイッチのある木の後ろに隠れ、木を抱えるように前に手を回してスマホを構える。

 足でスイッチオン、と同時に「捕縛」。

 うん、ちゃんと飛んで来る矢が撮れてる。

 ついでに複製。

 昨日暇だったので、歩きながらコグニーから仕入れた、「捕縛」の機能にある「複製」だ。新機能ではなく元々付いてたものなのだが、知らなかっただけなんだけど。

 ただし、捕縛した生き物は複製出来ないらしい。

 まあ、命は軽々しく複製出来ない、と考えれば当たり前か、と納得した。


 改めて木の後ろから手を回してスマホを構え、複製した矢を「開放」すると、向こう側の木に勢い良く矢が突き刺さった。

 よし!成功だ!

 これで攻撃手段が手に入ったので、魔物とか出ても少し対処できるぞ。

 矢の写真をいっぱい複製しておいた。

 先に進もう!

 

 そこからは拳大の石や大木が飛んできたり、落とし穴があったりと罠のオンパレードで、走り回ることになった。

 厄介だったのは、空腹状態の狼が檻から放たれる罠だ。3匹の狼に追いかけられる羽目に会い、身体強化の効果がある服を着ておいて良かったとつくづく感じた。 

 あちこちにある罠を利用して狼2匹は仕留めたが、1匹は賢くて罠を回避してきた。

 俺は走りながらスマホを操作し、振り向きざまに矢を放つ。

 当たらない。

 じっくり狙えないから当たる気がしない。

 そこで、10本を一度に「開放」すると、広範囲に広がって飛んでくる矢に、狼は驚いて避けようとしたが流石に間に合わず、首と腹と腿に矢が刺さった。

 首に刺さった矢が致命傷になったのか、少し痙攣したあとに息絶えた。

 

 あの盗賊達6人しか居なかったのに、そんなに重要なアジトだったのか?

 ていうか、この罠スキル使ってちゃんとした仕事をすれば良いのに!


 息を整え落ち着いたのか、ふと何で狼を捕縛しなかったのだろうと、自分に呆れた。

 矢を射ったり逃げ回るより簡単だったはず。

 今度はもう少し落ち着いて行動しよう。 


 そんなこんなで随分奥に入った所で少し開けた場所に出た。すぐそこにはアジトらしき建物も有る。

 その開けた場所に広がる泥沼の中央に、女の子が胸まで埋まっているのを見つけた。レーダーの印はこの子らしい。

 ぱっと見、15歳位だろうか。

 埋まりながらこっちをガン見してる。

 無言でガン見するのやめてくれない?怖いよ。

 隣に橋が掛かってるのに、何で泥沼の真ん中に嵌ってるのだろう?

  

「なに?」

 

 沼の縁にしゃがんで話しかけてみる。

 女の子はちょっと驚いたあと、また硬い表情でこっちをガン見。

 

「出られないの?」

「ふん、ふん。」

 

物凄い勢いで頷いてる。

頷く度にちょっとずつ沈んでる。

 

「助けてほしいの?」

「フン!フン!フン!」

 

お〜、更に勢いよく頷いたらズブズブっといったな。

 

「そっちに行ったら俺も出られなくなるだろうから嫌なんだけど。」

 

悲壮感しかない顔された。

 

「俺の従者になるなら考えなくもないよ?」

「ごちゃごちゃ言ってないで助けなさい!」

「あ、喋れたんだ。でも立場の割に上から目線だな、よっこいしょっと・・・」

 

しゃがんでたら足が痛くなったので立ち上がる。

 

「分かった、なるから!」

「早くそう言えばいいのに。」

「いいから早く助けて!」

 

 スマホを取り出してアプリを起動。

 鑑定すると、エルフと出た。

 やっぱり異世界にはエルフ居るんだね。

 名前はフィオナ。

 保有魔法は水と風と回復の3つ。

 保有スキルは2つで、弓ともう一つは何故か読めない文字?記号?

 とりあえず助けてやるか。 

「捕縛」

 泥沼の中の体がスマホに吸い込まれる。

「解放」

後ろを向いて今捕縛したのを解放する。

 

「何?今の何?なんか瞬間で移動したんだけど!」

 

 キョトンとしている女の子はやはり15歳位にしか見えない。エルフというだけあってとても綺麗な顔立ちで、肩まである髪は淡い緑色がかった銀髪だ。

 服は泥だらけだが、元は黄緑だったであろうシャツと、元は赤茶色だったであろうレザーのホットパンツのいでたちで、素晴らしいプロポーションによく似合っていて、妙に色っぽい。

 装備は、手にしっかりと握られた弓と、背中には矢の入ったケースを担いでいるのがいかにもエルフらしい。

 実物エルフを初めて見たよ、なんか感動。

 

「一旦異空間に君を入れたんだよ。俺が君を引っ張り出すと、こっちも泥だらけになっちゃうのが嫌だったんでね。」

「??? よくわかんないです。」

「分かんなくて良いよ。ところで君の名前は?俺はケンゴだ。」

「フィオナ」

「ありがとう。で、フィオナ、何故に泥沼の真ん中に嵌ってたんだ?真ん中に行くのも大変なはずだぞ。」

「あの橋を渡ってたら、いきなり橋がボーンとなって、ひゅ〜、ズボってなったのよ。」


 全然分かんねえ。

 けど、まんまと罠にハマったって事だね。

 どんな罠なのか興味があるので、さっき仕留めた狼の死体を引きずってきた。


「何をするつもり?」

「うん、どんな仕掛けなのかと思ってね。」


 橋の上に狼の死体を置くが、何も起こらない。

 少し押し出してみるが変わらない。

 

「もっと真ん中の方。」

「この辺か?」


 ボーン

 橋の一部が片側に跳ね上がった。

 そこに乗ってた狼の死体がひゅ〜っと飛んで、さっき彼女がいた泥沼の真ん中辺りにズボっと落ちた。

 

 なるほどね。

 

「さてと、それで俺の従者となった君は何をしてくれるのかな?(にやり)」

「へ?!な、何?その不敵な笑みは?」

「あ〜んなことやこ〜んなことは出来るのかな?(ニヤニヤ)」

「ひぃぃ!な、何をさせるつもり?!」

「ここじゃあなんだから、ひとまず人気の無い所に移動しようか?」

「行ってどうするのよ!てか、ここも充分人気無いですけど。」 

「嫌ならさっきの所に戻してあげるけど。」

「・・・うぅ、行きます。」


 アジトの小屋の向こう側に見つけた池のほとりの、草が柔らかそうな所に連れて行く。

 

「ここなら人も来ないだろう。はい、じゃ、着てるもの脱いで。」

「え?えぇぇ!」

「え?だって脱がないと出来ないじゃん。」

「うぅ、わ、分かったわよ。あ、あの・・・初めてなのでどうしたらいいか教えてよ。」

「え?水浴びやったことないの?」

「は?え?水浴び?」

「泥だらけだから体を洗わないと気持ち悪いでしょ?さっさと池で泥を落としてくんない?俺の服貸すにしても、泥だらけのまま着替えるわけにいかないでしょ。今着てる服も洗っておきな。」

「だって、あの、あ〜んなことやこ〜んなことって言うから、、、」

「料理や簡単な魔法が出来ればいいなと。でも、泥だらけで料理されても困るしってことで。それとも何か他の事をしようとしてたのなら教えてくれるかな?」

「い、いや、何でもない!何でもない!」

 

 何を真っ赤になってんだよ。

 そんなにブンブン首振ったら脳震盪起こさないか?


 仕切るものがないので俺が後ろを向いて、フィオナは服を脱いで池に入っていった。彼女が水浴びをしている間に俺の服を着替えとしてマジックバッグから出しておく。

 ついでに軽い昼食を用意しておこう。

 昨晩野営で一緒だった商人達が、余ったからとくれたサンドイッチがマジックバッグに入っているから、それで良いよな。


「ねぇねぇ、気持ちいいよ。あんたも来る?」


 声に振り向くと裸で泳ぐ彼女がいた。


「俺に体を見られてもいいのか?」

「下着は着てるし、水の中なら見えないも〜ん。」


 下着って言っても、この世界にはまだブラジャーは無かったよな。


「でも俺はいいや。水中に魔物とか居たら嫌だし。」

「大丈夫だって。そんなのこんなところに居ない……。」


 ざばっ!


 シャチくらいの大きさの魚が歯の並ぶ大口で、音に振り向き固まる彼女に飛びかかった。


 ざっ……ぱーん!!


 その魚に、同じくらいの大きさのワニみたいな奴が、水面から飛び出して喰らいつくと、二体とも水中に消えた。


「……ひぃぃぃ嫌ぁぁぁ!」


 あまりにもお約束な展開に涙目のフィオナが、ずぶ濡れの下着姿のまま物凄い勢いで逃げてきて、俺の背後に回り込んで抱きつく。

あ、胸には太めのサラシを巻いてたのね。

 背中に感じる柔らかさ。


 うん、今日は良いものが見られた。 

 

  

 

 

いつも読んで頂き有難うございます。

また、ブクマや評価も頂いており、有難うございます。

まだの方はぜひお願いします。


あと、各話の長さは長いですかね?

投稿を始めた頃より、最近の投稿は少し長くなってきているので、ちょっと気になっています。

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