回想1
どーも。最近昼夜逆転しつつあるシラスよいちです。ネ友にせかされ投稿した次第です。
それではお楽しみ下さい。
あらぬ約束をしてしまった俺は、授業中に窓の外を見ながらふと、俺が歪んだ理由について回想する。
思えば、俺が親に暴力を振るわれ始めたのは小学校に入ってすぐのことだったか―――
俺が少ない小遣いを貯めに貯めてカードゲームのパックを箱で買ったことがあった。
そのときの話である。
「これはなんだ?どこからそんなものを買える金が出てきた?」
そんな台詞と共にカードの束を捨てる父親を前に、俺はカードを拾い上げ少年特有のまだ高い声で叫ぶ。
「これはデュアルバスターズというカードゲームです。お母様が毎月下さるお小遣いを貯めに貯めて買いました。お父様のお酒やお煙草と違い、お母様にも申告してあります」
口に出さなければ良いものを、慇懃無礼そのものの煽りを込めての発言だった。今の俺なら絶対にしない子供すぎる無駄なもの。
実際無駄な一言だった。
逆上した父親は、俺が拾ったカードの束をキッチンの流しに放り込むとライターで火をつけ心底意地の悪い笑みを浮かべ俺を見た。
「親が必死で稼いできた金を、こんな無駄なものに使うからだ」
そんな捨て台詞を吐いた父親に、さらに逆逆上した俺はテーブル上の煙草を引っ掴み燃えていくカードの中に投げる。まさにオールデリート。
瞬間、怒号が飛んできて殴る蹴る叩くなど数々の暴力の嵐が俺を襲った。
襲うごとに痛みは薄れ、同じく薄れていき意識下で淡い感想を抱く。
―――可哀想
まず浮かんだのはその一言。なにも自分のことだけではない。
当時はあまり根拠など考えることもなく、ただなんとなく暴力に訴えることしか出来ない父親を可哀想だと感じていた。
父親への理解を諦め、受け入れるしかなかった。その頃反省という言葉を持たず、スタンスを曲げない自分を美化していた節もあったかもしれない。
幼ながらに自分の意見は全て正しいと思ってさえいた。
ともかく、俺はそんな家庭内で従順な優等生を演じるようになった。親に限らず色々な人に一定の警戒心を持つのが当たり前になっていった。
だからといって、なんの結論にもならないのだけれど…
こんな回想に大した意味もない。俺は過去に良くある虐待を受け、そのことが少しばかり生活上のスタンスに影響を与えた。そこに俺が歪んだ理由の欠片があるかもしれない。そんな話だ。
いかがだったでしょうか?久しぶりの更新となります。もはや物書きとして認知されなくなっていますが学生の本分は勉強なので仕方ないです。