プロローグを軽く2
お久しぶりです。極度のカプ厨でお馴染みのシラスよいちです。
駄作を晒すよいちで覚えて下さっても構いません。
前回から2ヶ月空いてしまいました、一応受験生だったので(もう受かったので過去形)。
それでは、拙い文章ではありますがお楽しみ下さい。
「うるさい…」
俺はスマホと部屋のスピーカーを繋ぎ、音量を上げて激しめの曲を流す。
バッグから筆箱を取り出し、惰性的に勉強する態勢に入る。
何も考えず筆箱の中身をいじっていると、気付けば手にカッターが握られていた。包帯をほどき、手首を見る。
―――何故まだ死んでいないのだろう?
この傷を見た友人にも言われた。
「そんなに死にたいなら自殺すれば良いじゃん」
全く同感だ。否定のしようもない。
だが俺には生きる気力も死ぬ気力もないのだ。
小中学校で多少虐められていたこと、父親に暴力を振るわれたこと、きっかけなんて今はどうでも良い。
思考に飽きた頃、壁の時計を見ると7時を回ったところだった。
もう金切り声は止んでいた。
ようやく事が落ち着き、夕食が出来ているのだろう。
そっと部屋を出て静かにリビングに入る。
予想通り、もう夕食は出来ていた。親子丼と温野菜という簡単なメニューだ。
中学の間は自分で簡単な食事を作っていたのだが、包丁でリストカットしようとした場面を見られて以来母親が毎日食事を作るようになった。
リビングを見渡すと、かなり散らかっており弟がかなり暴れていたことが分かる。
テーブルの向かいで隣あって食べている音と母親のギスギスした空気に目線を落とさざるを得ない。
素早く席について、控えめに手を合わせる。
「いただきます」
テーブルにあった七味唐がらしを多めにかけて、一気に親子丼をかき込む。
必要最低限の咀嚼を繰り返し、すぐに食事を終える。
「ごちそうさまでした」
その後速やかに皿洗いを終えて自室に戻った。
この日の夜は、疲れていたのかすぐ寝てしまった。
数日後、俺の静かな学校生活に波が立ち始める。
「おはよう、焔」
朝、机に伏せてうとうとしているところに無駄に爽やかな男子が目の前にやってくる。
彼の名は嵐堂 翔、声優志望でルックスも声も何もかも爽やかであるため女子の間で密かに人気があるとかないとか―――
欠点は、オタク趣味が過ぎるところぐらいだろう。
「おはよう翔。今日はまた一段とテンションが高いな」
「あぁ、ちょっと相談があってね。聞いてくれる?」
少しだけ顔を赤くしながら俺を見てくる。とても嫌な予感がした。
「嫌だ。いくら2年も腐れ縁が続いているからと言ってもそれは聞けない願いだな」
「あのさ、今週末の土曜日に|銀≪しろがね≫さんと|矢代≪やしろ≫さんと僕でカラオケに行こうって話があるんだが」
ここまで聞いておいて聞いてやらないのは可哀想なので、話の続きを促す。
「合コンの誘いなら却下だが、それがどうしたんだ?」
|矢代 時雨≪やしろ しぐれ≫、|銀 織姫≪しろがね おりひめ≫と言えばクラスきっての美少女だ。
嫌な予感は増幅していく。
「男女比的に男子をもう一人呼びたいんだよなぁ。いないかなぁ?いかにも暇そうで根暗なくせに表面的な会話が上手くて普段キモオタしてない奴」
横目で俺をチラチラ見てくる。
―――腹立つなぁコイツ
「分かったからその目やめろ。人にモノ頼む態度か?」
「悪い悪い、じゃあ単刀直入に言う。土曜日、お前も来てくれ」
「却下だ、俺を頭数にするな」
俺は即答する。まずそもそも、銀さんも矢代さんも話したことがない。
2人ともクラス内でかなり上位のスクールカーストに属しており、スクールカースト下位の俺とは縁もゆかりもない。
確かにその2人には、陽キャ特有のウザさはないと思われる。
黒い噂もなくはないが、ほぼ全てが根拠のないものだ。
だが考えて欲しい。そんな美少女2人と爽やかイケメン、そこに俺の様な陰キャが入ったらどうなるのか?
無論、果物でしかないだろう。
「そう言うと思ったよ。でも焔にとっても悪い話じゃないはずだよ」
俺は眉をひそめる。
「焔がいっつも気にしてる色恋沙汰のウラ、取りたくない?行けばかなりの数のウラが取れるよ」
一瞬の沈黙があった後、口を開く。
「…何でテメェが俺の趣味スキャンダル漁りって知ってんだよ?あと俺がいつでも暇だと思うなよ、暇なんだが!そもそもだな―――」
俺はP90並みのマシンガントークでさっき考えたことを突きつける。
その分反動がすごく、息が切れた。
―――リコイルショックがなぁ…って違うわ
1人で|短機関銃≪サブマシンガン≫の如く話す。
「来ないの?2人の情報網、持っておいて損はないと思うけど」
悔しいが、興味を引かれる。
俺が常日頃から集めていて、武器や交渉材料にもなる面白いモノは何か?
答えは明快、情報である。
具体的にはスキャンダルであり、ゴシップネタである。
戦争において勝敗を分ける大きな要因の1つには、情報戦が挙げられる。実際、かつて日本はその差で米国に負けている。
つまりは情報こそが力だ。
だからこそ俺は情報を重要視している。
「しょうがねぇからお前のマルチ商法みてぇな誘い文句に乗ってやるよ。俺みたいなKY連れて行って後悔しても知らねぇからな」
俺はあまりにも魅力的な|情報源≪リソース≫の出現に根負けした。
すると翔は勝ち誇ったように笑って言う。
「他の限界オタク連れてくよりマシだろ?」
確かに俺の属している陰キャのグループには極度の限界オタクが多く、その点では俺以上に酷い。
「まぁ否定はしねぇな。そこで俺を選ぶとは中々愉快な人選センスを持ってるらしいが」
そんなこんなで、珍しく俺の週末に予定が入った。
―――朝から何をやっているんだろう。
始業のチャイムを聞きながら、苦笑した。
いかがだったでしょうか?今回は前回と同じく話の触りです。まだ話掴めないと思いますが気長に待っていただけると助かります。
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