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プロローグを軽く

はこねお教所属、非公式ライターの晒すよいちです。途中でノートからスマホに文移す気なくして多少変なところで切りました。

こんなんでも楽しんで読んで下さると幸いです。

―――死にたい

そう思って無意識の中、右腕にカッターの刃を滑らせる。

幾度となく重ねられた線に、新たな赤黒い一本が書き足される。もう慣れてしまったせいかさほど痛みは感じない。

最近は痛みだけでなく、色々な感覚が麻痺してしまっている。

表情のほとんどが形骸化し、自然に笑うことなどまず出来ない。


「吐きそ」


呟きつつ俺は机の横にあるバッグに手を伸ばし、中から包帯を無造作に取り出しそれで線を隠す。

前方を見ると、担任が何やら熱心に語っている。

聞く気は無いが、聞いているふりだけはしておく。

数分すると、話は終わったらしい。


「起立、ありしたっ」


号令に促されるまま立ち、会釈する。

帰りのSHR(ショートホームルーム)を終えて放課となる。

俺はふと窓を見る。そこに反射し映るのは、校則ギリギリまで伸ばした髪、墨で塗ったかの様な目のクマが特徴的な人相の悪い男。

つまり俺である。


挿絵(By みてみん)


烏間 焔(からすま ほむら)

下の中くらいの偏差値を持つ宮原高校に通う高校2年、帰宅部男子である。

ステータスは全て下の中、趣味は人間観察とボドゲ。

自身を説明するならばこれで十分だ。


―――図書室にでも行くかな


ウチの高校はアルファベットのHの様な形をしており、東棟と西棟に分かれている。

今俺がいるのは、普通教室がある西棟だ。図書室等、特別教室がある東棟へ向かうべく俺は吹き抜けになっている渡り廊下を歩く。

もう10月末、本格的な冬で、吐いた息が冷気に触れ白く消える。

こんなモノローグでしかしゃべれない自分を嫌悪する。

ため息をついて一呼吸置いたあと、図書室のドアを開ける。

どことなく落ち着く本特有の匂いを吸いながら、本棚を見て回る。

今日はなんとなく病み気味で、暗めの純文学が読みたい気分だった。

なので太宰治を中心にドロドロしたのを何冊か借りた。


―――読書は良い。現実の吐き気を、幾らか緩和してくれる。


俺は、誰にも見られない様、小さく嗤って図書室をあとにした。


帰宅し家のドアを開けると、リビングから甲高い金切り声と騒々しい物音が俺を出迎える。

弟が何かやらかして、母親がヒステリーを起こしたらしく、リビングは大怪獣バトルだった。

これが日常なのだから、ウチの家庭は常識はずれだと思う。

母親はヒステリー持ち、父親は酒癖が悪く、弟は補導対象―――


ため息をつくしかない環境下、正気保っていられるのは恐らくすごい。

とは言うものの、俺もどこかしら歪んでいるのだろう。


誰も聞いていない家族構成の説明を一人で始め、俺は二階にある自室にこもる。

自室は多少防音になっており、ある程度の騒音は聞こえない。だが、リビングでの騒音はまだ続く。

どうでしたか?前書き通り、続きは出来てるには出来てるので、近いうち(1ヶ月以内)にあげます

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