脳筋同士が出会えば─それは必定である!
色々と考えて1度、この小説を完結させることにしました。
ただし、別タイトルで続編を描くことにしたので、また今度詳しく報告致します!
(現在、かぐや様は告らせたい〜のアニメにて恋愛話を勉強中~)
「あたいはモーレツに感動しているぜ!本当に心配を掛けて悪かった!」
イフリートは深く頭を下げた。
「それにしてもイフリートが無事で良かったよ!ノームやシルフィードは危なかったからね!」
「なんだと?何があった?」
シオン達はイフリートに詳しく説明した。
「ノーム!シルフィード!大丈夫かっ!?」
二人に駆け寄りペタペタと触る。
「ちょっ!?落ち着いて!」
「だ、大丈夫よ!まぁ、私はヤバかったけどね」
う~む!イフリートは暑苦しい脳筋さんのようだね。でも、仲間思いの姉御って感じだ。
「それより、イルミナだったな!まったくお前がもっとしっかりとしてくれれば、あたいは早く出られたんだぜ?」
「そ、それは……………」
イルミナがまだ子供の時に浚われたことはイフリートには関係なかった。
「せっかくあたいの力の一部を渡したんだから、もっとしっかりしろよな!」
「すみません………」
イルミナさんは俯いて謝るしか出来なかった。
でも─
ガバッ!
イフリートがイルミナさんに抱き付いた。
「でも、お前も無事でよかった。あんまり実感はねぇけど、あたいの子供だからな!元気に成長してくれて嬉しいぜ」
「あ…………ああぁ!」
イルミナさんはイフリートの腕の中で静かに泣いた。あっ、なんか良いね。感動の親子の再会いって!
これでさっき、突入の行き場のない気持ちが晴れたわ。
「これでイフリートだけ子持ち精霊になったのね」
ブハッ!!!
シルフィードが吹き出すと、大勢の皆が笑った。
「ウフフフ、あの粗暴なイフリートが子持ち………ね?」
「いやいや、面倒見がいいから良き母になるじゃろう」
ほんわかな雰囲気になり、シオン達は転移で戻ろうとした時、イフリートが待ったを掛けた。
「どうしたのですか?」
「シオンと言ったな?他の精霊と契約していると言うのは本当か?」
シオンは頚を傾げた。
「はい、本当ですが?」
「なら!あたいと勝負しなっ!」
ホワイッ!?何故ですか?
驚いてイフリートを見つめると─
「他の四大精霊を救ってくれたことは感謝する!あたいが自由に動ければ助けに行けたが、まさか全員が動けなくなっていたとはな…………だが!あたいの力が欲しければ、あたいより強くなければならない!」
拳を握り締め力説するイフリート!
「ちょっと!私達の契約者に何かあったらどうするのよ!」
ノームが止めようとしたが、逆にシオンが止めた。
「うふ……うふふふ!いいよ!殺ろうか!」
これで不完全燃焼を処理できるよ!魔物の数は多かったけど、いまいち弱くて物足りなかったのよね!
熱き血肉が沸き立つ戦いをしようか?
ちょっぴり怖いシオンであった。
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他のメンバーは入口まで下がり、イフリートが眠っていた広間にはシオンとイフリートの二人だけ存在していた。
「あたいにはわかる!まだ幼いが、シオンが強者であることを!?手加減はしない!」
「無論です!イフリートこそ、寝惚けていると痛い目を見るわよ!」
ざっ………
二人は構えた。
そして少し相手の出方を伺いつつ動きだした!
「最初からいくぜっ!焔よ、あたいの身に集いて力と化せ!精霊魔術『炎帝鎧』(えんていがい)!」
イフリートの身体に炎が纏まり付き鎧となった。近付くだけで熱でダメージを喰らいそうだ。そして、さらに炎の槍を産み出した。正確には、槍の先が斧になっている武器ハルバートの形状であった。
イフリートはブンブンと振り回しながら襲い掛かった!
「いくぜっ!」
シオンは咄嗟に避けると、先ほどまでシオンのいた場所にハルバートが叩き付けられた!
ドッゴーーーーン!!!!
地面が陥没するほどの威力があった。
「こっちもいくよ!」
シオンは対極である水の剣を作りだし、イフリートのハルバートと切り結んだ!
ガキンッ!!!
ジューーー!!!!
ガキンッ
ガキンッ
と、ぶつかる度に水と炎で水蒸気が起こる。
「なかなかやるなっ!だが!」
イフリートは力ずくでシオンを吹き飛ばした!しかしシオンも空中で回転しながら華麗に着々する!
「ちょっと力だと分が悪いかな?なら!」
シオンは魔法の態勢に入った!
「遅い!詠唱させるかよ!」
イフリートが素早く間合いに入る!
「ちっ!?」
詠唱が強制的に解除される!
ギィーーーン!!!!
ギリギリッ
イフリートの攻撃を受け止めつつ、シオンは片手を種子モードに変化させた。
!?
「種弾ドングリ!ファイヤー!!!」
ドドドドドッ!!!!!!
ワイバーンすら貫通するドングリ弾がイフリートに直撃した!?
イフリートはざざざっーと、吹き飛ばされる!
「くそっ!精霊魔術『岩炎盾』(ガンエンシールド)」
まともに直撃して後ろに飛ばされたが、地面を蹴り横に避けることに成功したイフリートは、同時に溶岩でできた盾を召喚したのだった。
ガガガガガッ!!!!
「まさか、この炎帝鎧でダメージを受けるとはな!」
イフリートはさらに防御力を強化する。しかし、シオンはその間に詠唱を完結させたのだった!
「まずは小手調べ!『水龍波』!!!」
シオンは腕を元に戻すとイフリートに向かって魔法を放った!水の龍が一直線にイフリートへと迫る!
「この程度、防ぐまでもない!」
なんとイフリートは炎のハルバートを上段に構えて水の龍を叩き潰した!
バシャッン!!!
「この程度か?」
「まさか!」
二人は不敵に笑うのだった。
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