準備をしよう!
「レイラさん、ちょっとだけ待って貰っていいかな?」
シオンは転移しようとしていたレイラを呼び止めた。
「あら?どうしたのかしら?」
「ディーネとリヴィも連れていっていいかな?」
ノームは辺りを見渡した。
「あの二人はどうしたの?気配も近くには居なさそうだけど?」
ノームは気配を探って言った。確かにこの探査機能を使えばシルフィードも探せるかも知れない。
「ああ、この前ディーネとリヴィがバトルしたの。ディーネが僅差で勝利したんだけど、それ以来、仲良くなって一緒に修行したりショッピングしたりしているよ」
「ええっーーー!何よそれっ!私も一緒に行きたい!」
ノームの言葉に、シオンはまた今度ねっと言って二人を念話で呼び出した。
二人はすぐに転移でやったきた。
……………血塗れの状態で!?
「「「うぎゃーーーーーーーーー!!!!!!!」」」
うん!これは私は悪くない!
昼間からスーッと血塗れの女性が現れたら驚くわよっ!?
「あ、あんた達、血塗れじゃないっ!?」
シオンは慌てて回復魔法を掛けた。
「フル・ヒール!」
パッー!と二人の傷が癒えて血の後も綺麗に消えた。
「すまぬ。感謝するぞ」
「助かった。ありがとう」
二人がお礼を言うとシオンは呆れた顔で言った。
「また二人でバトっていたの?」
「うむ、思いっきり力を振るうのが面白くなってのぅ。つい、時間を忘れて『遊んで』しまった」
「私も最近はこの姿での戦闘に慣れてきてな。魔法もどんどん覚えて楽しいぞ」
海龍のリヴァイアサンは龍としてのスキルであるブレスなど使えたが、魔法は使えなかったようなのだ。それを同じ水属性であるウンディーネに習って、もともとレベルも高かった為に新しい魔法をどんどん覚えているそうだ。
「うん。あなた達、しばらく修行やバトル禁止ね♪」
!?
「なんじゃと!?」
「それは酷いじゃないか!」
シオンは二人を見比べていった。
「いくら、四大精霊でも、龍種であっても血塗れになるまで、毎回戦うなんてダメよ!いつか死んでしまうわ!だからしばらくは禁止!絶対に!」
シオンの言葉にウンディーネは納得したが、リヴィは喰い下がった。
「だがシオン!今、良いところ─」
「ダメ!」
リヴィが言い切る前にダメ出しした。ガックリと項垂れるリヴィにシオンがいった。
「ディーネとはダメだけど、シルフィードの探索が大変そうだから付いてきて欲しいの。場合によっては暴れられるわよ」
パッーーーーー!!!!
リヴィの顔が笑顔になった。
「それは本当かっ!?」
「えっと、詳しくはレイラさんに聞いて」
シオンはレイラに丸投げした。
「ええっと…………現在、残りの四大精霊であるシルフィード様の捜索なのですが、亜人達のお話では、世界樹にいるそうなのです。しかし世界樹の内部はダンジョンと化しているそうで、探索には他の四大精霊様のお力添えを頂きたいとやってきたのです」
少し違うが、要点をまとめて言ったのだった。
「へぇ~世界樹の内部ってダンジョンになっているんだね」
(なんかそういうゲームがあったなぁ~)
などと能天気に考えていたシオンだった。
「ダンジョンならば魔物もいるな?ならば私も新しい魔法の試し撃ちの為に同行しよう」
「取り敢えず、今日は休みなさい!1度亜人連合国へ行ってから、いつでも転移で行き来できるようになるからね」
亜人達もまさか、ここまで話が進むとは思っておらず、色々と準備に時間が欲しかった。
「すみません。まさかここまで話が進むとは思っておらず、せめて3日ほどお時間を頂けないでしょうか?」
フローリアが提案した。
「そうだね。こっちも準備や仕事の引き継ぎとかしたいしね」
リヴィもしぶしぶ同意して、シオン達は世界樹のダンジョンへと向かう準備をするのだった。
果して、ダンジョンではどんな出会いが待っているのだろうか?
それは、これから明らかになっていくことになる。
ダン街の第三期アニメが夏に放映です。
楽しみですねー♪