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海龍退治じゃい!

作戦会議が始まりました。


「さて、時間も限られておるし、船の手配と必要物資の荷積みを並行して会議を進めるとしよう」


既に、王国の港にて軍艦の出港準備が進められていたのだ。国王様がここまでの経緯を再度、説明した。


「亜人連合国へ向かったクリスは護衛のウンディーネと共に海龍に遭遇した。シオン君の話では海龍はしつこく襲ってきたという!そして、船を逃がす為に、囮となって小舟を出した所を海龍に飲み込まれた。ここに居る者なら知っているが、転移で逃げる予定だったが海龍体内は高密度の魔力が充満し、転移出来ない状態だそうだ………」


悲痛な顔で国王は視線を落とした。


「しかし、ウンディーネ殿のお陰でまだ手遅れになっておらぬのじゃろう?」

「ええ、でも余り時間もないみたい。酸素が少ないようなの」


ただでさえ海龍の体内にいるというのに、時間もないときたものだ。


「………そもそも何故、海龍が襲ってきたのじゃ?滅多に姿を見る事もない海龍が何故、急に襲ってきたのか?」


確かにそうだよね?

どうしてだろう?


「何か海龍が襲う理由があった?」

「海龍が襲う理由…………」


皆が一斉に発した!


「「「ウンディーネ!!!?」」」


「恐らく四大精霊の気配(魔力)など察知出来るのだろう。海の生き物は縄張り意識が強いからのぅ?」


ギルド長のお爺ちゃんが予想を話した。


「であれば、1番の問題が解決します!」


ギルバード公爵が側で声を上げた。しかし、1番の問題ってなんだろうか?


「1番の問題ってなんですか?」

「シオン君…………君はどうやって海龍の居場所を探すつもりだったんだい?」


ギルバード公爵の言葉にあっ!となるシオンだった。


「そ、それはウンディーネの魔力とか探して………」


「確かに、ウンディーネ殿の魔力を探すのも1つの方法だろうね。でも、海の底にいる海龍をどうやって水面まで連れてくるつもりだったのかな?」


!?


おふぅぅう!!!?


確かにそうだ!どうやって海龍を『釣り上げる』のか、考えてなかったよ!?


どうすれば…………!?


ってか、うん?


「その問題が解決したって?」


シオンは口に出してようやく思い立った!


「あっ!?四大精霊ならノームもいたわっ!?」


シオンはノームの方を見るとノームはシオンの頬っぺたをつねった。


「ちょっと~!私を忘れるとは何事よ!」


いはいっ!いはいっ!


「でもまっ、私が居れば海龍もまた襲ってくるでしょうね。そこがチャンスってことね!」


ノームは腰に手を当て胸を張っていった。


「問題は海龍をどうやって倒すか?じゃな。生半可な攻撃ではびくともせんじゃろう。なまじ痛手を与えて海の底に逃げられると手が出せんぞぃ?」


皆が頭を悩ませる。

いや、海龍が水面下まで出てこればこっちのもんでしょう?


「なんでみんなそんなに悩んでいるの?水面下まで出てくれば、私の緑聖魔術で『樹の網』を使って捕まえる事ができるよ?」


!?


「そ、そうなのか?」

「確かにシオンはレベルMAXだし………」

「可能なのか………」


つくづくシオンの規格外を痛感する一同であった。


「それじゃ、ノームを餌にして海龍の一本釣り行いましょう!」


「「「言い方ーーーーー!!!!!!!」」」



シオンはまたノームにつねつねされながら、王国の港へ向かおうとしたが、国王様に止められた。


「待って欲しい。軍艦の用意と物資の積み込みに1日は掛かる!出発は明日の朝1番だ!」

「そんなっ!クリスの命の危険は一刻として猶予がないんですよ!そんな悠長にしてていいんですか!?」


シオンの物言いに国王は初めて大声で怒鳴った!


「いいわけあるか!!!」


ビック!?


「私だって今すぐに助けに行きたい!自らを囮に船に乗っている多くの乗組員を助けたと誉めてやりたい!だが、軍艦に乗る乗組員の安全も万全にしなければならないのだ!」


国王は自分の息子の安全と、国王としての民の安全を天秤に掛けて葛藤していたのだ。

そんな国王を見て、シオンは自分を恥じた。1番辛いのは国王様なのだと気付いたのだ。


「ごめんなさい」


シオンが頭を下げると国王も怒鳴ってすまなかったと謝り、準備を万全にして夜を明かすのであった。








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[一言] 緑聖魔術は海藻や植物プランクトンには対応してないのか~
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