再会です!
シオンと契約したノームは魔力が補填され動けるようになった。
「本当に助かったわ。ありがとね!」
褐色の肌できわどい民族衣裳を着ているノームは踊り子のようであった。ウンディーネをクールビューティと例えるならノームは頼れる姉貴みたいな感じである。
『…………これで、終わりだと……思う………な』
ビクッと声の方を向くと首だけになったメデューサが最後の力を振り絞り喋っていた。
『じきに………あ……方が……甦る。おま……達は……滅びる………のだ』
メデューサはそう言うと、身体を含めて消滅した。最後に大きな魔石が転がっていた。
「あのお方?誰の事だろう?」
「………まぁ、考えるのは後にして移動するよ」
シオン達はその場を移動しようとした瞬間、また眩い光が突然現れた。
「敵か!?」
ノームは身構えたが、現れたのはウンディーネ達であった。
「シオン!無事か!?」
祭壇の所にいた全員が現れ、臨戦態勢を取りながら叫んだ!
……………あれ?
シオンはまともに光を直視したため、目が~目が~と辺りを転がっていました。
「久しぶりだなウンディーネ!助かったよ!」
「うむ。息災で何よりじゃ。それよりメデューサはどうしたのじゃ?」
ノームは目を押さえて転がっているシオンに代わり説明した。
「なんと!?メデューサを倒したのか!」
グランは驚きの声を上げた。
「メデューサはS級ランクの魔物だぞ?昔、何でも石化させしまう能力に大勢の犠牲者がでたのに1人で倒してしまうとは………」
改めてシオンは規格外な子供だなと思うのであった。まぁ、当の本人は辺りを転がっているのだが………
「シオン!本当に心配したんだからね!お座りしなさい!」
目が回復したシオンはフレイちゃんにお座りさせられました。でもちょっ待って?今回、私は悪くないと思うのよ?いきなり飛ばされたのってウンディーネのせいであって、私のせいじゃないと思うのよ?
えっ、それをフレイちゃんに言えって?
…………だって怖いもん。グスンッ
髪を逆立たせて怒るフレイちゃんはメデューサのようであった。(失礼!)でも、心配させたのは事実なので、涙目でお叱りを受けるシオンだった。
「なんとも滑稽よのぅ?メデューサを倒す猛者が、六歳の子供に正座させられ怒られておるとは………」
子供同士の微笑ましい光景である。
「しかし、ノームが奇襲を受けて石になっておるとはびっくりしたぞ?主殿が心配して探索に来なかったら永遠に石のままじゃったな?」
「いやーお恥ずかしい。ちょっと考え事をしていたら、奴の気配に気付くのが遅れたのよ」
ウンディーネが気になって尋ねると………聞かなければ良かったと後悔した。
「聞いてよ!ダンジョンでめっちゃイケメンの良い男がいたのよ!襲われて怪我をしていたから助けたの。礼儀正しい男でねー!ちょっと恥ずかしくてすぐに場所を移動したんだけど、それから私を探して何度もこのダンジョンに来てくれたのよ!ねぇ、これって恋かしら♪」
1度話し出したら止まらないノームであった。意外とミーハーなおんにゃのこである。ウンディーネは昔を思いだし、こいつ変わってねーわと、頭を抱えた。
「でも恥ずかしくて前に出ていけない………って、どうしたの?」
頭を抱えているウンディーネに首を傾げるノームであった。
「このたわけ者が!御主が石化していたせいで、この周辺の活力が無くなり土地が枯渇しているのじゃ!早く、この周辺の土地を活性化させぬか!」
「わ、わかったわよ~そんなに怒らなくても良いじゃない………」
しぶしぶと、ノームは魔力を地面に流し土地を活性化させるのだった。
「これでシオンが働かなくても、作物が育つようになるぞ」
そう言うとシオンは地面に手を付いて泣いた。
「なんて事を!?臨時収入が入らなくなるじゃない!」
地面を叩き、マジ泣きしているシオンにドン引きする一同であった。
シオンが『緑の聖女』と呼ばれる事になるのはしばらく先になるかも知れない。
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