激戦です!新たなる力!?
メデューサも石化している時の意識はあった。自らの能力で多くの者を石に変えてきたメデューサにとって、自分自身が石化されるのは耐え難い事であった。そう、プライドをズダズダにされたのだ。
故に石化が解かれた今、ノームをまた石に変えて粉々にしないと気がすまなかった。
『ノーーーーーム!!!!!!!許さんぞ!!!!!』
自分からノームを襲った事を忘れ、襲い掛かろうと試みるも、樹のゴーレムに阻まれ傷を負わされる。メデューサはイラつきをシオンに向けた。
『邪魔だ!!!ドケーーーーーー!!!!!』
メデューサは普通の長い髪の毛を、数多の蛇に変えてウッド君に襲い掛かった。
蛇は延びていき、ウッド君達に噛みついた!
「そんなものでウッド君達がやられるわけ─」
シオンはそう言い掛けたが、ウッド君達が次々に石化して動かなくなっていた。
「やられてる!?」
流石に驚いたシオンは慌ててウッド君達を次々に召喚し、蛇を攻撃する指示を出した。
シオンは樹のゴーレムウッド君しか召喚出来ないのだ!
槍(木製)や剣(木製)を装備したウッド君達は、メデューサの蛇を倒しつつも、反対に石になっていった。
「このままじゃヤバい!」
焦り出したシオンにノームは言った。
「シオン!御主はウンディーネと契約をしたのだろうが!なぜ、水の力を使わない!?」
「えっ!?水の力ってなに?」
シオンはノームが何を言っているのか分からなかったが、ノームが続けていった。
「メデューサの蛇は噛んだ者を生物でも無機質でも石に変えてしまう!だが液体である水なら石にはならない。メデューサと戦うには水魔法が有効だ!ウンディーネと契約したシオンなら水の魔法が使える!」
なるほど!自分の属性魔法以外を使ってみようと思わなかったわ!?でも、水の魔法って何を使ったらいいんだろう?
いや、迷うな!自分を信じよう!絶対に生きてみんなに会うんだから!
シオンは目を瞑り、水をイメージし魔力を込めた。
『はぁはぁ、鬱陶しい!だが、これまでだ!!!!』
全てのウッド君達を石に変えたメデューサはシオンへ向かっていった。
そこへ─
「顕現せよ!私の中にある水の力!!!アクアゴーレム!!!!!」
私と言えばウッド君!じゃぁ水の力を使えといえばアクアちゃん!なんとなく!
…………こほん、ゴーレムに性別があるかは置いといて、シオンはイメージしやすい見慣れたゴーレムを水で召喚する事を思い付いたのだった。
水のゴーレムのアクアちゃんは先ほどのウッド君達より大きかった。今のシオンではまだ多くのアクアちゃんを召喚し、操る事は出来なかったのだ。故に一体に特化して力を注いだのだ。
「いっけーーーーー!!!!アクアちゃーーーーん!!!!!」
アクアちゃんはメデューサよりも大きく、片手に剣を持っていた。そこにメデューサの蛇が無数に噛みついた。
『何度でも石に変えてやるわ!!!!』
しかし、アクアちゃんをいくら噛んでも石にはならなかった。
!?
それは刹那の瞬間であった。最初にメデューサの蛇がアクアちゃんに噛みついたが、石化する事は無かった。その僅かな時間にアクアちゃんが持っていた剣でメデューサの首をはねたのだった。
ゴロゴロッと転がる首をよそに、シオンはノームに駆け寄った。
「やりました!これで出られるかな?」
「うん、よくやったな!まさか水でゴーレムを作るとは予想外だったけどね…………」
メデューサの巨体が倒れると、後ろの方でゴゴゴゴッ!と、扉が開くような音が聞こえてきた。
「やった!これで帰れる♪」
ノーム達の精霊と違い、人間は食糧がないと餓死してしまうのだ。ようやく一安心である。
「………シオンと言ったな?実は1つ頼みがあるんだが?」
「何ですか?何でも言って下さい!」
ノームはシオンを真っ直ぐに見詰めて言った。
「私とも契約をしてくれないか?」
「良いですよ!」
いいともー!みたいな軽いノリでシオンは言うのだった。
「良いのか?いくらシオンが膨大な魔力を持っていても、四大精霊と二柱と契約すると身体が持たないかも知れないぞ?」
「大丈夫!私、丈夫だから!」
なんとも根拠のない自信がシオンにはあるのだった。こうしてシオンはノームとも契約を結ぶのだった。
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