意外な展開です!テンプレきたー!?
眩い光が収まるとシオンはゆっくり目を開けた。
「あぅ~目がショボショボするよ~」
まだ別の場所へ移動した事に気付いていないシオンは周囲に声を掛けた。
「ねぇ、ディーネ!どうなったの?」
シーン………
あれ?聞こえていない?
返事がなく、ようやく目が慣れてきた所で気付いた。
「はぇ?」
先ほどまでとは違う場所にいる事にやっと気付いた。そしてようやく自分がどういう状況なのかわかったのだ。
「ここはどこ?みんなはどこに!?私はだれ?」
と、お約束の事をいう辺り意外に余裕がありそうである。
シオンが移動した場所はダンジョンではあったが、先ほどの洞窟のような場所ではなく、壁や床が石畳になっており、明らかに人工的な造りであった。しかも、壁には一定感覚で灯りが灯されており明るかった。
「ここは何処だろう?」
少し余裕が出てきたので、注意深く辺りを探ってみると─
『うぎゃーーーーーーーーー!!!!!!!』
シオンは大声を出さなかった自分を褒めてやりたいと思った。
奥の広間になっている場所で、『巨大な蛇』がとぐろを巻いて鎮座していたからだ。しかも、周囲に隠れる所がなく、そろ~と距離を取ろうとした。
しかし、辺りはシーンとしており巨大な蛇も動く気配が無いためシオンはウッドゴーレムを召喚し蛇に近付く事にした。まぁ、出口が無かったのもあるのだが。
そしてお帰りなさい!この小説の真の主人公ウッド君!
シオンはウッド君を10体召喚し、手に剣(木製)と盾(木製)を装備したウッド君と槍(木製)を装備したウッド君がそれぞれ5体ずつ居た。
ゆっくりと注意しながら近付くと、巨大な蛇は石で出来ていた。シオンは拍子抜けしたが、ここはダンジョンである!
魔物の可能性が高いのでぐるりっと反対側へ廻ってみると驚いた!
蛇の上半身が女性だったのだ。(乳丸出しである)しかも、『とぐろ』を巻いている中心に、別の女性が締め付けられているように、同じく石の状態でいたのだ。
「まさか、この民族衣裳っぽい姿って………ノーム?」
蛇に締め付けられている感じでわかりづらいが、グランに聞いていた服装と合致していた。
「これってRPGでよく出てくるメデューサって魔物かな?」
どうして一緒に石になっているかは謎だが、多分合っていると思う。でも出口もないしどうしよう?と転移があるじゃん!と今さらながら思い出し、ダンジョンの入口をイメージして脱出しよと試みた。
シーン……………
「えっ!?どうして出来ないの!?」
転移が出来ない事に、ようやく焦りが出てきた。
『…………シオ………きこ…………か?」
そんな時、脳内に声が聞こえてきた。決して幻聴ではない!…………と、思いたい。
シオンも必死で答えようと話掛ける。
『ディーネ!聞こえる!?みんな!!!』
『……………シオン!無事か!?』
何度か話しかけると、だんだんピントが合っていき、ようやく聞こえるようになった。
『主殿!無事で何よりじゃ!今、何処におるのか分かるか?』
『場所はわからないわ。ただ壁や床が石畳になっている所にいるの!それでノームらしき人を見つけたわ!』
『なんと!?それは真であるか!?』
『うん!でも、上半身女性で下が巨大な蛇の魔物と一緒に石化しているの!』
シオンの説明にウンディーネは少し待っていて欲しいと言って1度念話を切ったのだった。
「ウンディーネ殿!シオンは!?」
一斉に詰め寄られウンディーネはシオンの現状を話した。
「どうやら別の力が働き転移も出来んみたいじゃ。こちらから助けに行くしかあるまい」
「しかし、上半身が女性の姿で下蛇とは………『メデューサ』か、それとも『ラミア』なのか………出来ればラミアの方であって欲しいが、大きさからしてメデューサの方であろうな」
グランが魔物について意見した。その言葉に元近衛騎士団に所属していたガイルも同意する。
「ええ、まずい事になりましたね」
二人の深刻な表情にクリスが尋ねた。
「二人ともどうしたのですか?石になっているのなら危険はないのでは?」
不思議に思ったクリスにグランが言った。
「四大精霊ノームを助けるには1度石化を解かなくてはならないのだ」
そこでようやく理解した。
「ノームを助ける時にメデューサの石化も解ける。状況から見て、ノームとメデューサは戦い引き分けたのだろう。それに─」
グランは辺りを見渡して言った。
「メデューサは魔王軍の幹部である」
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