ダンジョンってワクワクするよねって話!
準備の出来ていた馬車に乗り、ダンジョンへレッツゴー!ですよ!
ガタゴトッと揺られること半日の距離にそのダンジョンはありました。
「さぁ!入っていくぞ~!」
アース君は気合いを入れているようです。
グランさんも大丈夫だと、目配せで教えてくれたので、アース君を先頭に私達は進んでいきました。因みに、大きなリュックを背負った護衛の騎士さんが何人か後方にいます。
光魔法で辺りを照らしながら歩いているので、両腕は空いていて意外に快適です♪
テクテクテク…………
テクテクテク…………
しばらく進んで行くと、迷うことなくアース君は一階の奥にある祭壇へと辿り着きました。
「取り敢えず、ここで休憩しようか!」
「そうじゃの。まだ先は長い。ここには魔物はやってこんエリアじゃ、安心して休めるぞ」
グランさんがそう言うと、私達は近くの石の上に腰掛けました。
「やっぱりダンジョンって迫力があるよねー♪」
「そうだね!私、少しワクワクしているかも!」
フレイちゃんもまだまだ疲れていない様子で、楽しそうだった。
「ディーネ!ノームの気配はする?」
少し離れた祭壇の前でウンディーネがノームの気配を探す様に、目を閉じて瞑想していた。
「………確かにノームの気配を感じる。だが、何かがおかしい………気配が薄い?」
気配が薄いってどういう事だろう?
「まだまだノームは遠くにいるってこと?」
「いや…………そうではない。何か気配を遮断されているような………?」
なんだろう?携帯が地下に入って感度が悪くなった感じだろうか?
シオンはウンディーネの側にいくと尋ねた。
「こっちからノームに語り掛ける様な事は出来ない?向こうもウンディーネが来たよって分かるように」
ウンディーネも、はっ!となって、シオンを見た。
「そうじゃな!気配を探るだけで、こちらからのアプローチを忘れておったわ!」
ウンディーネは再び目を閉じて瞑想すると、膨大な魔力が溢れだした。
「これはいかん!?皆の者!臨戦態勢を取れ!ウンディーネ殿の魔力に魔物が騒ぎ出している!」
護衛のガイルさんなどは飛び起きて、後方へ剣を向け構えた。グランさんは前方を警戒し、他のメンバーもウンディーネの様子を伺っていた。
ゴゴゴゴッ!!!!
え~と、ウンディーネさんや?もう十分じゃなかろうか?それ以上の力の放出は、ダンジョンが崩れたりしないよね?よね!?
シオンが焦ってもう良いから!とウンディーネに近付こうとした時、よろけてしまい祭壇へ手を着いてしまった。
パッーーーー!!!!!
突然、祭壇が光輝いた!
「なっー!?」
突然の光に、目を閉じて集中していたウンディーネも驚き、魔力を発散させた。
そして、眩い光が収まると辺りに静けさが戻った。
「ううぅ………何だったの?」
「目が………」
「ビックリしたな………」
眩い光に目がくらみ、周囲の者は目を抑えていた。前方を警戒していたグランがウンディーネに近寄った。
「ウンディーネ殿!大丈夫ですか!?」
「うむ、大丈夫じゃ。祭壇から急に光が出るとは驚いたのじゃ」
ウンディーネが無事な事に胸を撫で下ろす。
しかし─
「ねぇ!シオンが!?」
!?
「どうした!シオンお嬢ちゃんがどうした!?」
護衛のガイルさんも叫んだフレイをみて叫んだ!
「どこにもいないの!」
!?
「「なんだと!?」」
すぐに周囲を探すがこの狭い祭壇の部屋には何処にも居なかった。
「ど、どういうことだ!?」
一同は原因を作ったウンディーネを見た。
「いや、主殿は転移を使っておらん!その魔力の跡がないのじゃ。これは…………呼ばれたのかも知れぬ」
そう、ここに来た目的であるノームの元にシオンは連れて行かれた可能性があった。
「今の所、主殿に危険は迫っておらぬ。魔力のパスが生きておるのでな。少し時間をもらうぞ。主殿の魔力を追ってみるのじゃ」
こうして、シオンが消えてしまうという事態に、周囲に戸惑いと焦りが広まりウンディーネを祈るように見つめるのだった。
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