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水戸○門でした。なんでこうなった!?

フォレストウルフを解体し、また旅が始まりました。


「いやー!マジでお嬢ちゃんには驚いたぜ!?」

「全くだ。あの歳であれだけの魔法を使うとは」


旅の道中は私の話で持ちきりであった。


「しかもウルフの毛皮が綺麗に剥げたから結構良い金になったしな」


次の町ですでにウルフの素材は肉以外は売ってお金にしたのだ。私も思った以上の収入にホクホク顔が隠せなかった。


「シオンお嬢様はいつから魔法が使えたのですか?」


メイドのアンさんにも秘密にしてたからね。

私は言葉を濁していった。


「クズ両親に知れると悪用されそうだったから隠してました」


そう言うと皆が納得してくれました。ある意味両親のクズっぷりは信用されてるのね。クズ過ぎて。

こうして6日経ち、後半日で領地へ着く所で今度は盗賊が現れました。


「あれは!?」


数は20人ほどですが、盗賊にしては身なりが余りにもみすぼらしく、武器も竹の槍っぽいものばかり。ガイルさんが恫喝しただけで相手はビビって腰が引けているようでした。そして鑑定をすると・・・


おふぅ!うちの領民じゃありませんか!?


「ガイルさん待って!!!」


私は呼び止めると盗賊達に名乗った。


「皆さん!私はこのシルクード領の領主の娘でシオン・シルクードと言います!皆さんを助けにきました。安心して下さい!」


私の声に盗賊達(領民)に動揺が走った。


「お嬢ちゃんが領主の娘………?」


リーダーっぽい人が呟いた。


「嘘ではありませんよ!この御方こそ、シルクード家の良心であらせられるシオンお嬢様です!」


馬車からメイドのアンさんも降りてきて、何だか高らかに言いました。


盗賊達は、おおっ!っと言ってざわめきました。


「お前達、知らずとは言え『姫』様の御前であるぞ!頭が高い!控えおろう!!!」


別の馬車から他の執事さん達も出て来て、私の横で盗賊達に言い放ちましたよ!?

ってか、姫って何よ!?私はただの貧乏令嬢なだけよ!


すると盗賊達は手を付いて土下座しました。


えっ?これって水戸黄門様の話でしたっけ?


「「「はは~~~!!!!大変申し訳ありませんでした!!!!」」」


マジよ!?どうすれば良いのよ!


「えっと…………面を上げて下さい。『わかっています』が、どうして盗賊まがいな事を?」


盗賊達は涙を流しながら話してくれました。


「もう領内では食べるものがないのです!無理に畑で何度も作物を作ったので、殆どの畑が栄養不足で不作なのです!うちの子供も栄養不足で病気になり、せめて何か獣でも捕ろうとこの辺りまできた所で、貴方様の馬車を見掛けたしだいです!」


なるほど………元々は獣狩りできていたのね。


「それで何か捕れましたか?」

「………いいえ、何も」


私はアンさんに指示を出した。


「フォレストウルフの肉を彼らに渡してください」


!?


「えっ?あの魔物の?」

「ええ、何体か狩れましたので大丈夫です。凄腕の傭兵ガイルさんが素晴らしい剣技で一刀両断したのよ」


私はガイルさんに恩を売る感じで言った。


「あ、あの森の狩人と呼ばれた魔物を一撃で!?」


領民達は震え上がった。これで襲って来る事はないでしょう。


約三体分のお肉を各自に渡した。家族で分けたら少なくなるだろうけどね。


「ありがとうございます!ありがとうございます!」


よし!これで一件落着ですね♪

と、思っていたらガイルさんが尋ねてきた。


「シオンお嬢ちゃん、それでどうするんだ?まがりなりにも、領主の馬車を襲おうとしたんだぞ?」


ちっ、余計な事を!


「姫さま!私は覚悟は出来ております!せめて、家族の連座だけはお許し下さい!」


何度も土下座をして頭を下げる元盗賊達に言いました。


「はて?ガイルさんは何か勘違いされているようですね?」

「勘違い………ですか?」

「ええ、この者達は予定より帰郷が遅くなった私を『心配』してここまで迎えに来てくれたのです。途中で魔物などに襲われてないか武装してね」


!?


「姫様………?」


私は土下座している領民達の肩に手を置き、逆に頭を下げた。


「我がクズ両親のせいで苦労を掛けました。でも、もう大丈夫です。貴方達が飢えないように私が来たのです。安心して下さい」


おおっ!?領民達は先程とは違う意味の涙を流した。


「ありがとう……ございます!」


私は視線でアンさんとガイルさんに合図を出した。


「すみません。そろそろ出発しなければなりません。そこで、皆さんにお願いがあります。よろしいですか?」

「何でも言って下さい!何でもやります!」


私は苦笑いをしながら伝えた。


「明日の朝、できる限りの領民を我がシルクード家の屋敷に集めて下さい。明日、『奇跡』を見せます!」


!?


「き、奇跡ですか?」

「ええ、明日からシルクード領は生まれ変わります。一緒に頑張っていきましょう!」


そういって、私達はその場を後にしたのでした。





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