旅行へ行くには準備が必要です!(挿絵あり)
あのグランさんとの会談から、数日経ちました。
目の前にはフレイちゃんとクリス王子が居ました。
どうしてこうなった!?
現在、グランお爺さんはAランク冒険者として場数を踏んでいたので、国王様の様にあっという間に転移をマスターしました。無論、ウンディーネの指輪の補助があっての事だけど!
そして、私の護衛にガイルさんが付いてきてくれる事になりました。実はガイルさん、なんと!アンさんと婚約したのです!
ヒューヒュー!ドンドンパフパフ!!!
式は半年後だってさー!アンさんが居なくなるのは辛いけど、幼少の頃から(今もまだ幼少です)面倒をみてくれたアンさんの幸せの為だもん!
…………て、言ったらゲンコツを喰らいました。
「私が居なくて誰がシオンお嬢様の奇行を止めるのですか!?」
アンさんの言葉が嬉しかったけど、失礼しちゃうわね!プンプン!
キンッ!キンッ!!
ガギィーーーン!!!!
「ふはははは!!!腑抜けた奴ばかりじゃと思ったが、なかなか骨のある奴もいるもんじゃな!」
「御年齢の割には元気な爺さんが多いなっ!」
「はぁはぁ………自分にはどっちも化物なんですが?」
元近衛騎士団にして傭兵のガイルとBランク冒険者レオンがグランと模擬戦をしていた。そしてそれを観戦していたギルドマスターも笑っていた。
「いやいや、若手のホープなだけあるぞ?前より驕りが消えたから成長が著しいぞ!」
このシルクード領の最強戦力がしばらく居なくなるので、若手の冒険者達に領内の見廻りなどお願いしていたのだ。無論、報酬は出しているからね!
さて、少し話が脱線したけど目の前にはフレイちゃんとクリス王子がいるのです!
「シオン!私も一緒に付いて行くからね!」
「俺もシオンを守る為に付いていくぞ!」
!?
ってな、ぐあいなんですよ…………
片や公爵令嬢、片や一国の王子さま。
そして、向かうは隣国。
ダメだぁ~!!!
「二人の気持ちは嬉しいけど、ご両親の許可がないと………」
「「許可ならある(わ)!!!」」
うそぉ~!!!
「き、危険かも知れないのに………どうして?」
「俺は父上に誠心誠意(脅して)お願いして許可を取った!」
「私はお父様とお母様としっかり話し合って(条件付き)許可を貰ったわ!」
おおぅ…………マジかー!
まぁ、許可があるなら大丈夫かな?
(大丈夫じゃないけど!?何かあったら王国は大打撃だよ?本当に大丈夫なの?)
「わかったよ。でも本当に危険になったら転移で逃げる事を約束してね!それが条件だよ?」
シオンの言葉に二人が頷き、得意気にシオンに言った。
「私も最近ね、魔力が上がってきたんだよ!見ててね!」
フレイちゃんは集中すると爆炎の焔を纏い、向こうの木に放った!
「フレイム・ランス!!!」
炎の槍が木にぶつかると、大きな音が響き木は一気に燃え尽きました。
シオンは目が飛び出るように驚いて、オオオオオォォォォォ
!!!!!
と、奇声を上げていました。
「俺もなんか急に魔力が強くなったんだぜ!」
クリス王子は地面から水を集めて、手の内に溜めて放った。
「アクアシュート!!!」
水の激流が、先ほどの燃えた木に当たり、くすぶっていた木を粉微塵にして消火したのだ。
「…………マジ?」
これって大人顔負けの威力があるんじゃ……?
シオンは二人の魔法を見て茫然としていた。
「なんで二人ともパワーアップしているのよ!?」
(これって恋愛ゲームだったよね?RPGの要素あったけ?)
「これは意外じゃったのぅ?」
ウンディーネも驚いた様子であった。
「思春期の子供達じゃからこそ、妾の指輪の魔力に順応したのかも知れぬなぁ?」
ウンディーネはそう言ってシオンを見た。
「私は?」
「主殿は規格外じゃから関係なかろう?」
なんか腑に落ちんぞ!?
こうして私達はノームを探しに、帝国へ行く準備をするのでした。
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