ゼネコン大工事の受注です!無給で働きます!(ブラックですか?)
いやー!
今日もシルクード領には続々と人が集まってきています!どんどん発展していってるよ♪
『あーあー、シオン君、聴こえるかな?』
突然の声に驚きもせずに返事を返すシオン。
『はーい!聴こえています。国王様、どうしました?』
実は!御都合主義と言えばそれまでだけど、ウンディーネの指輪には、念話の機能も備わっていたのだ!まぁ、皆がウンディーネの魔力の恩恵を受けているのだから不可能じゃなかったよ。凄いよ!ウンディーネ様!
『少し頼みたい事があるので、正式な手順でお城に来てくれないかな?』
『お願いですか?かしこまりました!』
なんだろう?
正式な手順でとの事で、まず公爵家に行ってから、ちょっと良さげな服を着てお城に向かいました。
城に着くと騎士さんに案内されて、謁見の間にたどり着きました。
ギギギ……………
重たい扉が開き、中に入ると王様が出迎えてくれました。周りには何人か貴族の方が居ました。
「よく来てくれた。『遠い』場所から申し訳ないな!」
「いえ、御呼びとなればすぐにでも登城させて頂きます」
周りには転移の事は秘密なので、あらかじめの打ち合わせ通り答えた。
「では、さっそく本題へ移ろう。シルクード領の発展は目覚ましいものがある。船で他国の者も来るようになったそうだな?」
そうなのだ。海の向こうの大きな『島』に、商人達が集まる自由貿易都市があり、そこからも噂を聞き付けた商人がやってくるようになった。
実は『港』の整備が1番大変だったのよね。
検問所と違い、海からの密入国が1番簡単で、こちらからは1番見つけ難かった。
まぁ、今は領地に入るとウンディーネが気配を察知してわかるし、私のウッドゴーレム(AI内蔵)が巡回しているので、密偵さんなどは次々に捕まっている。
現在は商人としてくる密偵さんがわからないのが問題だ。普通に取引しているしね。
「はい!お陰様で日々、人口が増えています!」
「それは良い。アレは素晴らしいものだ!」
王様は既にリピーターだもんね♪
「おっと、話がそれたな。実は王都からもシルクード領の事が評判になりつつある。しかし、シルクード領までここから片道、一週間は掛かるだろう?そこで、短期間にシルクード領を整備したシオン君に、王都からシルクード領までの街道の整備をお願いしたい」
!?
なるほど。道幅を増やし、石畳で道を整えれば時間短縮と、人の移動が楽になるよね!
「なるほど!それは良い案だと思ます!?」
うふふふ!これでシルクード領の来訪者が増えれば更に潤うという事ですな!
王様から街道の整備計画図を渡されて首を傾げた。
「あれ?王様?道が少しジグザグになっていますが?」
直線『─』でなく『~』こんな感じになっていた。
「うむ、御主だけの領地に街道を通すと他の貴族の反発があるのでな…………遠回りにならない程度に、多くの貴族の領地を繋げるように計画してある」
!?
そっかー!私だけじゃ不公平だよね。新しい街道を作って、途中に宿場町など作れば収益に繋がるしね!
王様も苦労しているんだなぁ~
ちゃんと仕事もしているんだね。ちょっと見直しました!
こうしてシオンは何十キロにも及ぶ街道の整備の仕事を受けたのだった。無論、整備のお金は王様から割り増しで貰いました。ウハウハですよ♪
「さて、各領地を前と後から挟む形で作業すれば2倍の速さで終わるよね♪」
さて、久し振りに働くよ!
シオンは大量のウッドゴーレムを召喚した。
「ふぅ、よし!ウッドゴーレム達よ!この計画図通りに街道を新しく整備するよ!A班は地面を整備!B班は石畳を並べて設置!C班は大量の土砂を運んで!」
ウッドゴーレム達は腕がシャベルになっていたり、ドリルになっている者もいて、役割分担が出来ていた。
ピッピー!ピッピー!ピッピッピーーーー!!!
工事現場の監督になったシオンはヘルメットを被り大勢のウッドゴーレムに指示を出しながら街道を整備していった。
ちなみに、ウンディーネの契約者であり、クリス王子の婚約者であるシオンを歓迎し懐柔しようとしていた貴族達は、シオンが召喚した大量のウッドゴーレムを見て震え上がった。
この少女自体が異常だと改めて認識して、敵に廻さないように過度の接待を自粛したのだった。
疲れ知らずで睡眠も必要ないウッドゴーレム達は、7日7晩不眠不休で働き続け、王国の大動脈となる物流の主要街道が完成した。これが王国の景気回復に寄与したのだった。
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