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人助けと友達と─(挿絵あり)

ブックマークの登録数が止まらない!?

2020/2/18

【日別】転生恋愛7ランキング7位まで上昇!?

【総合】恋愛ランキング72位!


どどどどうしよう!!!


メイン小説『悪役令嬢戦記!』の方もブックマークが増えていてありがとうございます!

挿絵(By みてみん)



ドアからシオンと同じくらいの女の子が入ってきた。


「お父様…………?」

「おお、フレイどうしたんだ?」


どうやらギルバード公爵の娘さんのようだ。


「お母様が苦しそうなの!」


!?


「すぐにいく!…………いや、まさか?」


公爵は何か思い立ってウンディーネを見た。


「1度診てみるのじゃ」


公爵に案内され、奥方の寝室へ入るとベッドに汗をかいて寝ている女性がいた。


「我が妻のレイラだ。先日、フレイが体調を崩した後に、今度は妻が倒れたんだ」

「医者には診せたのか?」

「勿論、診てもらった。しかし、詳しい原因がわからず、ただの風邪か、過労からきた熱と診断された」


フレイは心配そうに母親の手を握り、見守っていた。


「…………人間とは業の深い生き物よのぅ」


ウンディーネの呟きに公爵は首を傾げた。


「どういう事ですか?」

「この女………いや奥方殿はな、そこの娘に掛けられた呪術を自分に移したのじゃ。身代わりじゃな」


「なっ!?」


公爵は信じられないといった顔でウンディーネと妻を交互に見た。


「はぁはぁ…………その方の言う通りです。あなた、すみません」

「レイラ!大丈夫か!?」


ギルド長はある事に気付いた。


「公爵、もしかして奥方は目が?」


視線の合わない奥方に疑問を持ったギルド長が尋ねた。


「ああ、見えない。フレイが産まれてすぐに病に掛かってな。一命は取り止めたが視力を失った」


「なるほどのぅ?そうして昔から、家族に降り掛かる呪術(呪い)を一身に受けてた訳か?」


「レイラ!まさか?」

「ごめんなさい。私も光属性を持っているの。自分の身に掛かった病気や呪術なら祓えるから…………」


「しかし、完全に祓えておらんのぅ?呪術が強力だったか、御主の光の力が弱いのかわからんが、これからは家族に相談するのじゃな」

「ウンディーネ様、妻を救う事は出来ませんか!?私に出来る事ならなんでもしますので!」


公爵は必死に頭を下げた。


「無理じゃ。妾には光属性のような呪術を祓うすべは持たん。しかし─」

「なにかあるのでしょうか!?」


「我が主殿なら治せるかものぅ?なにせ光属性を持っておるし、妾と契約できるほど魔力が強いのでなぁ?」


!?


「では─」

「しかし、御主は主殿の領地へ行くことを拒んだ。我が主殿もそこの奥方のように身を粉にして万民の為に尽くしておるのにのぅ?そのような者の為に主殿にお願いするのは嫌じゃぞ?」


「先ほどのご無礼は謝ります!どうかお願い致します!」


見かねてギルド長が口を出した。


「ウンディーネ様、意地悪が過ぎますぞ?先ほど連れていくと話をしていたではありませぬか?」

「ふん!愛する者の献身を知りもしなかった愚か者にはよい薬じゃろうて………うん?」


そう言うウンディーネの服を引っ張る者がいた。


「あの!お母様を助けて下さい」

「はぁ~、子供に罪はないからのぅ。では皆を連れていくとしよう」


執事長が、支度を終えてちょうど戻ってきた。


「このままこの部屋の全員を連れていくぞぃ?」

「妻もですか?」

「当たり前じゃ。本人がおらぬと治せぬじゃろうが?」


体調の悪いレイラを移動させるのに抵抗があったが、治療できるのならと頷いた。

ウンディーネが何か唱えると、一瞬にして景色が変わった。


「ふぇぇぇぇぇえええええええ!!!!!!」


突然、大きな声が聞こえて振り返ると五歳ぐらいの子供が執務室の大きな机に向かってペンを持っていた。どうやら書類を書いていたようだ。


「何処から現れたの!!!?」


「主殿よ、そう大声を出すでない。転移魔法で戻ってきただけじゃ」


ウンディーネのサラッと言った言葉にシオンは転移魔法!?と驚きの声を上げるのであった。


説明中


「なるほどねー」


体調の悪いレイラさんをソファーに寝かせて事情を聞いたシオンは、まず治療を始めた。


「この者に降り掛かる災いを祓いたまえ!『ハイ・キュアヒール』!!!」


薄い蒼白い光がレイラを包むと少しして、レイラが身体を起こした。


「お母様!」


フレイが抱きついた!


「ああ、フレイ!見えるわ!視力も戻ったみたい!」


お互いに抱き合う二人にギルバード公爵もレイラに声を掛けた。


「本当に良かったレイラ。だが私は君を叱らないといけない。どうして黙って自分を犠牲にした!」

「ごめんなさい。呪術を仕掛けた者が貴方の信頼している方だったので言うに言えなくて………」

「なんだと?」


誰が呪術を仕掛けたのかを知り、怒りに身体を震わせる公爵が呟いた。


「どうやら王国の貴族の腐敗は想像以上に進んでいるようだな。そして私も人を見る目が腐っていたようだ!」


拳から血が出るほど強く握り締めた。


「あの~?よろしいでしょうか?」


治療を終えて1人蚊帳の外であったシオンは、恐る恐る声を掛けた。


「これは!この度は本当にありがとうございました。私に出来る事なら何でも言って下さい」


フレイもシオンに御礼を言った。


「お母様を助けてくれてありがとう!私はフレイヤ・レッドハート、親しい者からフレイと呼ばれているの。貴女は?」

「私はシオン・シルクード、仕事をしないクズ両親に代わって領主代行をしているの。よろしくね!」


この後、二人は同い年と言うこともありすぐに仲良くなった。

しかし、シオンはフレイが悪役令嬢という事に気付くのはずっと後になってからであった。





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