そして─
次回で1度完結させます。
ただし、成長したシオンの学園編を別タイトルで後日投稿しますので、もしご迷惑でなければ、お気に入りユーザーに登録して頂ければ、新作投稿がすぐわかるのでよろしくお願い致します。
法王国の火山が沈静化した事で、国民は落ち着きを取り戻していった。しかし、その爪痕は大きかった。四大精霊のサービスで、一部の地割れなどは修復してくれたが、落石などで多くの建物が損害を受けて、怪我人も多数出ていた。
そんな中で、教皇やそれに連なる者達の一斉逮捕に軍が動いた。一部抵抗はあったものの、四大精霊の怒りを眼の当たりにした法王国の上層部は大人しく捕縛されたのだった。
上層部が軒並み捕縛された為、一部の中央から疎遠になっていた謙虚な枢機卿や司教が代理人を務め、隣接する帝国や王国が支援を申し出たため、民は飢えることなく急激に復興していった。
そして─
「本当にいいの?」
シオンはイルミナに言った。
「ああ、私も罪は償わなければならないからな」
イルミナさんも最初は禁固刑を希望していたが、それは勿体ないと各国の重鎮が抗議してきたため、数年間のほぼ無報酬で冒険者として、魔物の素材を卸すことで減刑する事になった。イルミナさんは私の屋敷に住んでいるので、家賃はない。最低限の装備の賃金は支給するので困窮することはないだろうが大変である。
「シオンには我々からプレゼントじゃぞ」
シオンはウンディーネ達から新しい指輪を貰った!
「これは?」
シオンは前にウンディーネから精霊の指輪を貰ったが、今回は全員からのプレゼントだそうだ。
「指輪はそんなに着けれないじゃろ。前の指輪は返して貰うのじゃ」
シオンはウンディーネの指輪を外して、新しい指輪をはめた。見た目は銀色だったが、CDの盤みたいに角度によって虹色に見える指輪だった。
パッーーーーー!!!!!
「えっ?」
一瞬、光輝くとピッタリとはまり、力が溢れてきた。
「なんか、力が溢れるんですけど?」
【鑑定】
『女神の指輪』
URレア
※四大精霊の全ての力が備わっており、各属性の力が強化され、光属性の力まで使える様になる。
※状態異常完全無効化
※女神の力の一部が使える様になる。
「おおっ!すごいよ!?本当にいいの?」
「皆からの御礼の気持ちじゃ。貰って欲しい」
「ありがとう♪」
シオンは手をかざしながら嬉しそうに見ていた。
『『シオンが状態異常で操られて、敵の手に落ちたら世界の終わりだからな!もう外せない【呪いの指輪】だけど仕方ない!』』
四大精霊達にはそう言う思惑があった。
しかし、四大精霊達にも予想外の出来事が起こった!?
『あれ?これって?』
【鑑定】
名前:シオン・シルクード
レベル:115
種族 人間?(疑問系)
年齢 ーーーー
HP ーーーー
MP ーーーー
スキル ーーーー
※精霊の契約者
※超越者(限界を超えた者)
※神格位の持ち主
※女神の力を宿した者
…………なんかよくわからん資格が増えとるがな!?
「なんか、力が溢れると思ったらカンストしたレベルの上限が上がっているんだけど?」
!?
「なんじゃと!?」
「レベル115になっとるがな………」
唖然…………
口を大きく開けて驚いているウンディーネは珍しいが、気まずい空気が流れた。
「それに、女神の力が使えるってあったよ?」
「そうか!神力が使えるようになったからじゃな!」
ウンディーネの叫びにシルフィードは納得した。
「遂にシオンも人間を止めてきたのね」
(ホロリッ)
オイコラ!止めてないよ!?
「冗談はともかく、神格位を手に入れた者は、人を超越した者となるので、神の頂きに足を踏み入れたのよ。だからレベル上限の枷が外れて、今まで溜まっていた経験値が一気にきてレベルが上がったのね!」
はい!シルフィードさん、解説ありがとう!
「これは秘密にしておきましょうね?」
「はい。賛成です!」
これ以上、面倒ごとは嫌だよ?
いや、君の存在が………いえ、なんでもないデス。
法王国の一件で、大陸中に四大精霊の復活が知れ渡る事になった。民達の多くは歓迎し、後ろめたい者達は震え上がる事となった。
そんな中、各国首脳会談が行われた。
今回は法王国も交えての、本当の意味での各国首脳会談となった。
「いやはや、これは凄いですなー」
今回、法王国からは民から信頼のあり、教皇の次の位である枢機卿のワーレンと言う初老の男性が、ウンディーネの調査とイルミナの助言で信頼できると言う事で、実質的な代理人として出席していた。無論、精霊の指輪も与えられた。
「私も最初は驚きましたわ」
「ワシもじゃ」
「本当ですよね!」
こうして穏やかな空気の中、会談が行われた。
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