闇に蠢く者達の叫び!
ノスフェラトウは嘲笑うかのように口元を緩めると言った。
「なに、これが最後だ。混乱している今ならこの国を乗っ取るのは容易い。法王国の戦力が、がた落ちしている今、さらに救援活動の為に各地に軍を派遣し戦力が分散している。今ならこの国を我が手にできるだろう」
おおっ!!!
辺りから称賛の声が上がった。
「遂にマイロードが立たれるのですね!」
魔物達がざわめく。
「うむ。この国を手中に収め!各地に潜伏している同胞達を集め、この世界に宣戦布告をしようではないか!」
ノスフェラトウは立ち上がると配下の者達に言い放つ!
バサッ!!!
「今こそ我ら、魔族が復活する時である!苦渋に満ちた日々は終わりを告げる事を宣言する!」
ウオォォォォォォォオオオオオオオオオ!!!!!!!!
「今は仇敵であるイフリートの様子を確認し、封印を破って弱っているであろうイフリートであれば十分に討てる!斥候が戻り次第行動に移す!」
「ついにマイロードが魔王として君臨なされる!これ程嬉しい事はございません!」
配下の者達は深く頭を下げるのであった。
『流石の我でも、弱っているイフリートでも無傷では勝てん。相性が悪いからな。だが、ベルゼブブから送られてきた『秘薬』を使えば勝てる!』
ノスフェラトウは慎重な者であった。
ベルゼブブが四大精霊シルフィードの力を手に入れたことも連絡を取り合い知っていた。そして、最近になって自らの力を底上げする『秘薬』が完成したと送られてきたのだ。無論、すぐに飲む事はせずに、独自に成分を分析し効果の確認と身体への負担をしっかりと検分し、大丈夫と判断したため、今回の機会に決起する事を決めたのだった。
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「シオン!大変よ!」
イフリートの歓迎会翌日に、シルフィード駆け込んできた。
「どうしたの?」
シオンが領主の仕事に勤しんでいると、シルフィードがバンッと机を叩いた!
「イフリートとシオンが戦った火山が大噴火を続けているの!そのせいでかなり遠くの街や村にも被害が出ているみたいなのよ!」
え゛っ!!!!?
なんだってーーーーーー!!!!!!
ヤバい!それはヤバいよ!!!
これは逮捕されちゃう事案では……………
シオンは真っ青になった。あの後、きちんと対処しておけばと、いまさら思った。すぐに収まるだろうという希望的観察は打ち砕かれたのだった。
「す、すぐに全員集合だーーーーーー!!!!」
シオンの叫び声がこだますると、すぐにみんなが集まった。
「これは困ったのぅ?どうするか………」
「かなり勢いよく噴火しているようだね。これを止めるとなると骨だよ」
「あたいのせいで、とんでもないことに。すぐに救援にいこうぜっ!」
各自が今回の件について負い目を感じていた。
「具体的にどうする?救援よりは、火山の噴火をどう止めるかだね」
シオンが言うとウンディーネが地図を広げて提案した。
「そうじゃな。妾とノーム、イフリートの力を使えば、地下のマグマを止める事は出来るじゃろう」
「そうね。ウンディーネが龍脈を探り、噴火の力を分散させ、ノームが硬い岩盤で蓋をして、イフリートが溶岩の動きを抑制すれば可能ね。私は有害な火山灰を海の方へ誘導するわ。可能なら噴火の噴火石から人々を守るわ」
世界を司る四大精霊が集まったのだ。できない事はないだろう!
「ディーネ、龍脈の場所は法王国へいかないと分からない?」
「いいや、前回行った時に把握している。妾の力は、地下を流れる水脈や力の通り道である龍脈を把握して、自在に操ることで最大限に力を振るえるのじゃから」
故に、まずは龍脈の把握から始めるそうだ。
「実は噴火している火山より、法王国の首都である『地下』に龍脈が通っておる。まずは我々四大精霊の力をここに流して、法王国全体に我らの力を注ぎ込めば、ある程度の災害はコントロールできるじゃろう」
こうして、四大精霊の力を結集して事態の収拾に向かうのだった。
次回は約2話分の執筆量のある久々の力作です!
手に汗描くバトルが繰り広げられ………ません!(えっ?)
そして今回のサブタイトルを覚えておいて下さい!
次回に生きてきます!
(意味深)
遂に法王国編も大詰めですよ!
お楽しみに!
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