プロローグ!(挿絵あり)
いやー!こんな事ってあるんだねー?
まさか私が異世界転生するなんて!?
何だか眠いけど、これまでの事を話すね。
前世では、一般家庭に産まれて1つ上に兄がいて、両親もいて普通に幸せに暮らしていましたよ。ええ、もう誰が見ても普通の『JK』でした。
んっ?なんでJK(女子高生)って書いたかって?そっちの方が需要があると聞いて………ごほん。
それはまぁ~置いといて、私はいつもの様に学校へ行ったはずなんだけどなぁ〜?
『なんで私、赤ちゃんになっているのよ!?』
これが私が異世界に転生してからの最初に思ったことでした。
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あれから暫く経ちました。
いくら考えても自分が死んだ事を思い出せなかったよ。神様に会った記憶もないし、どーなってんのよ!責任者を出しなさい!!!
はぁはぁ………
そういえば良くあるチートってあるのかな?
ってか、メイドさんの姿が金髪で緑色の目だけど、外国じゃ無いよね?
異世界なのか確認しよう!まずはメジャーな『鑑定』だ。取り敢えず「鑑定」と脳内で言ってみた。
ピコッ!
『ただの簡易テーブル』
おおっ!出来たよ!マジかー!
私は今の境遇を忘れて鑑定しまくった。
ピコッ!レベルが上がりました。
おおっ!レベルまであるんだ!?
赤ちゃんで動けないし、取り敢えずレベル上げを頑張りますか!これで異世界なのは間違いないよ!?
こうして私は前世の事を忘れて、この世界で生きていくことになった。嘆いてもここで生きていかないといけないしね!
しばらく経って、お世話をしてくれるメイドさんが両親が居ない時に色々と独り言をいってくれたので今の状況がわかってきた。
どうやら私はシオン・シルクードと言うらしい。両親は子爵という位の貴族で、【クズ】らしい。
シルクード子爵家の所領はリュミナス王国の一番南西にあり、魔境の森に隣接している。『先代』のシルクード当主の代までは冒険者ギルドがあり、魔物の素材の売買や冒険者の到来で賑わっていたそうだ。
しかし、スタンピード(魔物の氾濫)が起こり、先代当主は私兵と共に果敢に戦い戦死した。その後、息子であったクズが当主になってから一気に領地は廃れていった。
まず、通行税や魔物の素材の売買の税を【大幅】(10倍)に上げた事により冒険者が来なくなり、冒険者ギルドも別の領地に場所を移した。地図を見ればわかるが、海から船で往き来できるのだ。(限度があるでしょう!)
そして、冒険者ギルド達の税が無くなると農民から税を取り立てて、一気に農民達は困窮した。
(今ココね!)
クズ両親は廃れた領地を捨ててリュミナス王国の王都へと居を移し、貴族の茶会や夜会に入り浸っている。因みに外聞を気にして私も王都へ来ています。せめてこの世界の両親だし、今後、連座で処刑されない為にも両親を更正させなければ!
こうして私、シオン・シルクードは僅か三歳になる頃には、両親を優しく諭すように領民達の事を考えて、まともに領地を運営するように伝えながら行動していく事となる。
両親は私を気味悪がり、逆にメイド達は天使を見るように私の事を崇めることになるのであった。