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第七話

 皆様ごきげんよう。


 はい。


 本日はお昼のオーレリア様のご様子をお伝えいたします。


 オーレリア様はですね、とても可愛らしくて、いつもうきうきとされたご様子で食堂のメニューを見ていらっしゃいます。


 その迷う様子は、見ていて微笑ましくて、最近食堂の利用率が異様にうなぎ上りだとか。


 オーレリア様はかなり悩まれた様子で、きまぐれランチを選ばれました。


 そこからは嵐です。


 オーレリア様がそれを注文されたのを見て、食堂内は慌ただしく動き始めます。


 最近は食堂で働く方々の動きも機敏になってまいりました。


 オーレリア様が選んだものは本日完売になる事が決まっているからです。


 はい。私も荒波に飲まれながらもゲットしましたぁ!


 なんて言うんですかねぇ。


 何故なのかオーレリア様と同じものを食べているとなんとなく幸せな気持になれると評判です。


 おっと、そうこうしている間にオーレリア様がレスター様の姿を見つけました。


 少し頬を赤らめてそわそわとした後に挨拶を交わす姿は可愛らしいです。


 はぅ。


 なんでしょうか。


 やはり甘酸っぱいです。


 最近、レスター様の雰囲気が変わってきたのですよ。


 なんでしょうか。


 この世界の強制力のようなものが薄れたかのように、ヒロインへの対応も変わってきました。


 ええ。


 ええ。


 いや、ちょっとヒロインが可愛そうになってきました。


 レスター様も無下にはしてはいないのですが、付き合い方が変わってきてますし。


 うーん。


 何故なのでしょうか。オーレリア様効果なのでしょうか?


 あ、レスター様とオーレリア様が楽しくお食事を始めたところにマリア様が割り込んでいかれました。


 オーレリア様、少し頬が膨らんでおります。


 やきもちですか?


 やきもちですね?


 なんて可愛いんですかねぇ。


 ですがマリア様はそんな事お構いなしにレスター様にベタベタとしております。


 するとなんですかね?


 オーレリア様がマリア様のことを見て、クスクスと小さく笑っています。


 可愛らしいですが。


 ん?


 なんでしょうか。


 レスター様が何かで席を立たれてマリア様とオーレリア様が二人きりになりました。


 マリア様が文句を言っているのか表情がヒロインとは思えません。


 少し近寄って声が聞こえないか頑張ってみます。


「貴方、私をバカにしているの?クスクス笑って失礼じゃない?」


 確かに、何を笑っていたのか。


「あ、、ごめんなさい。貴方って、優しい子なのね。」


 は?オーレリア様優しすぎるんじゃないかしら?少し、行き過ぎだわ。


「は?っというか、肩が、今日はなんだか重いわ。」


 え?何それ。若いのに大変ねぇ。


「クス。貴方ってお茶目な所もあるのですね。ふふ。何だか、貴方を勘違いしていたみたい。」


 オーレリア様が何を言っているのか私も分からないわ。


「え。何貴方。気色悪いわ。もう。レスターも行ってしまったし、私も行くわ。」


 マリア様ひどい。

 ちょっと何を言っているかは分からないけれど、オーレリア様が少しおかしいのはご愛嬌よ。何より今更だと思うわ。


「ふふ。ええ。またね。」


 ほら、笑顔が素敵だわ。


 周りもそんな笑顔でほだされているし。


「貴方達あんないたずらしちゃ駄目よ。ふふ。でも案外マリア様も怒らないなんて優しいわね。」


 え?何を?


 オーレリア様は行ってしまい何の事かは分からなかったけれど、やはり少しおかしいと思いますの。


 誰と話しているのかしら?


 では、また皆様。


 ごきげんよう。



 



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