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第十三話

 皆様ごきげんよう。


 はい。


 レスター様には無事お手紙を届けることが出来ました。


 手紙を渡した時のレスター様のお顔は少しばかり面白かったです。


 リリアーナ様はあまりレスター様が得意ではありませんが、顔なじみではありますからきっとレスター様であれば安心してお会いになるでしょう。


 どうか上手く行けばいいのですが。


 そう思いながらオーレリア様の花畑を見に行くと、あらあら何でしょうか。


 ヨハン様とアレクシス様とマリア様が仲良く花に水やりをしております。


 え?


 何ですか?


 ヒロインちゃんとヒロイン活動してたんですか?


 こうやって見ると、乙女ゲームの感じではあるのですが、ヨハン様もアレクシス様もなんですかね。そのやる気のないお顔は。


 ヒロインいるでしょ!


 そこにいるでしょ!


 あー。そんな顔をするからマリア様の表情が、曇っていくではないですか。


 会話を聞いてみますかね。


「あの、アレク様。」


「ん?なんだい?」


「私には、アレク様の為にできることはないのでしょうか?」 


 その言葉に、アレク様の眉間にシワが寄ります。マリア様。直球過ぎませんか?


 変化球投げましょうよ。 


「私はアレク様の力になりたいのです。」


 あ、駄目です。


 アレク様の顔から表情が消えました。


 あー。アカンやつです。


「何を言っている?」


「アレク様、私にできる事があれば言ってください。私、アレク様の為であれば、、きゃっ!」


 アレク様の手をマリア様は取られようとして、振り払われてしまいました。


 まるで虫でも見るかのような目つきです。


 だんだんとヒロインが哀れになってきました。


 これはあれですね。


 マリア様はきっとレベル上げしてないのでしょう。


 明らかに好感度が足りていません。


 でも、なんか可愛そうになってきました。


「お前に何が出来ると?はっ。悪いがもう君と関わりたくはない。今後話しかけないでくれ。」


 そう言うとアレク様は行ってしまい、残されたヨハン様はマリア様を慰めようと声をかけています。


「大丈夫です。」


 マリア様はそう言うとヨハン様から離れ歩いていってしまいました。


 えー。


 何でしょうかこのシリアスな雰囲気は。


 そう思ってマリア様を追いかけて、私は女というものが恐ろしくなりました。


「あの、クソアレクシスがぁぁ。こっちはあんたの気持ちが知りたくて頑張ってるのに、何様だこのやろう!!!」


 裏庭の石をゲシゲシと蹴りたくりながらマリア様は絶叫されておりました。


 あ、見ないふりします。


 私は、何も、見ていません。


 あれ?


 ヒロインこんな性格じゃなかったと思うんだけどなぁ。


 あ、はい。


 バレないうちに逃げました。


 皆様も、バレないように早めに逃げる事をおすすめします。


 では皆様、ごきげんよう。



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