第十一話
皆様ごきげんよう。
はい。
私は今少し心配になってまいりましたの。
何がって?
オフィリア帝国にいるリリアーナ様がですわ。
ヨハン様より一つ年下のリリアーナ王女は兄の婚約者である私とは結構仲が良かったのです。
最初こそ喧嘩をしましたけれど、仲良くなれば悪い子でない事はわかります。
そんな彼女は、父であるラオック王にかまってもらいたかったのかよくイタズラをしては王を困らせておりました。
その性格に手を焼いていたラオック王ですが、彼女の心を見てはいませんでした。
一国の王。
自分の王国の為にと働くラオック王は偉大であり尊敬する方であります。ですが、父親としては少々ポンコツでして。
リリアーナ様はよく言っていました。
『私は、お父様にとっては使い勝手のいい物なのでしょうね。』
その言葉に私は胸が痛くなりました。
彼女は、王女という肩書がなければただの女の子です。
人の悪口だって私の前では言うし、我慢ならないことは怒りもする。
彼女の事を悪く言う人もいるかもしれないけれど、私は彼女の事が好き。
だから彼女が心配なのです。
ですから、私も頑張りますわ!
では、皆様ごきげんよう!
急がなくては、行けませんから!!
それでは!!




