第十話
皆様ごきげんよう。
はい。
皆様知ってまして?
オーレリア皇女には隠密としてガデスダークサイドという部隊が出来ましたの。
私の情報収集能力は優秀でしてよ。
でもね、思いません?
ガデスダークサイドって。
いえいえ、決して馬鹿にはしていません事よ。
ただねぇ、なんか覚えにくいですね。
部隊が出来てからの彼らの王城内での様子は、見ていて微笑ましかったですよ。
オーレリア皇女を陰ながら見守り、たまに何故か変な暗殺未遂を起こしては落ち込み励まし合う姿は、なんだか微笑ましいものでした。
この暗殺未遂の茶番劇については念の為に国王陛下にもご報告はしていますが、今はそのままでいいとの事でしたから、何かしらの事情があったのでしょう。あえて詮索はいたしませんでした。知ってしまうと不利になる事もありますからね。
そんな私から見たら、ガデスダークサイドよりもオーレリア皇女殿下応援部隊とか、オーレリア皇女を守る会とか、そんな感じにしか見えませんでしたわ。
ですが、考えを改めなくてはいけないみたいですわ。
王城の隠れ通路は私の庭ですから、それを駆使して見守っていますが、なんだか物々しくなって参りました。
いつもとは空気が違います。
皆が漆黒の軍服に見を包んだ姿は、壮観であり、これから何が行われるのか、恐ろしく感じられました。
駄目ですね。
きっとこれ以上近づけは気づかれてしまうでしょう。
危険はおかせませんから、今日はこの辺で撤退です。
そう思っていたら廊下にオーレリア様とレスター様の姿が!!
その二人の姿は、何というのでしょうか。
離れたくはない、けれど、今は一緒にはいられない。そんな雰囲気です。
そして、レスター様を見送るオーレリア様の瞳!何という事でしょう。
切ない!
切ないです。
胸がぎゅっとなります。
はぅ。
はぁ、皆様取り乱してしまい申し訳ありません。
本日は心の蔵が痛むのでこの辺で失礼いたします。
では、ごきげんよう!




