死神
俺は死神。と呼ばれている。
その理由は、俺と一緒にいる人はすぐにいなくなってしまうから。という簡単な理由。当然こんなあだ名は気に入るはずがなく、そう呼ばれるたびに俺は嫌な気持ちになる。あまりこういうものに耐性がないのもあるが、何より俺と一緒にいる人がすぐにいなくなるという認めざるおえない事実があることが一番嫌なのだ。
例えば小学校の頃に一番仲が良かった友達は、夏休みに親の実家へ帰省している最中に不慮の事故に遭い死亡。中学校の頃に知り合った人は家庭内の事情により自殺。その他にも人身事故によく遭遇したり身内の不幸が多かったりと高校になってからはその噂もあって、誰も俺には近寄らなかった。
まあ本当は誰かとつるんだりしたいけど、そうはいかないらしい。クラス内では丁寧に俺の周りの机は汚物を避けるかのように離れている。というか、これはほぼいじめと言えるだろう。
こんな俺でも、普通に友人と放課後に遊んだり、彼女作って遊んでデートしたりしたいわけだが、こんな状態ではそれどころではないのは目に見えている。まず友達ができないんじゃ話にならない。それにできたとしてもその友達はすぐに死んでしまうだろう。
もうこんなことならいっそ死んでしまおうか。と考えたことは少なくない。ならなぜ踏みとどまっていられるかと言われたらそれはお袋の存在だ。お袋は俺と一緒にいても死ぬことはない、とても大切な存在だ。
しかもお袋にはとても良くしてもらっているのでそんな人を悲しませたくはない。
だから俺は今日も学校に行くし今日も生きる。教室に入れば冷たい目線、聞こえそうで聞こえない、恐らく自分のことであろう陰口。そこまではいつも通りだった。
「忘れてた、今日は転校生がいるぞ」
俺のクラスの担任、宇野大輔はそう言うとみんなの目線は教卓の方を向き、静かになると、そこに入ってきたのは、
とても高校生とは思えない幼女だった。
頑張って更新します